家計簿をつけようと思っても、どのような項目を選べばよいのか、上手に仕分けするための方法など、気になることも多いのではないでしょうか。項目が多い家計簿をしっかり継続し、節約習慣を身に付けるためには、いくつかのコツが必要です。この記事では、家計簿の主な項目や分類方法を紹介します。節約する習慣をつけるための活用方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.家計簿の主な項目
家計簿の主な項目と、実際に記入する際の扱い方について紹介します。家計簿のつけ方に悩んでいる人や、これから家計簿をつけようと考えている場合は、以下の内容を参考にしてみましょう。
1-1.生活
生活に関する項目は非常に幅広く、日用品や消耗品のほか、毎月生活をするために必要なものを指します。日用品とは、多くの場合洗剤やトイレタリー、オーラルケア用品、キッチン用品などの消耗品です。これらの消耗品以外にも、生活雑貨や家具・家事用品なども含みます。また、人によっては衣料品や医療費などを含めるケースもあります。生活に必要な項目とはいえ、あまり細かく分けすぎると、後々の管理が大変になってしまうでしょう。
そのため、実際は生活必需品を大雑把に分けるだけのパターンもあります。最初からあまり細かくせず、続けていくうちに少しずつ形を変えていくのも方法の1つです。しかし、もし几帳面な性格で細かな仕分けも苦でなければ、細かくつけることで金銭の流れがわかりやすいメリットもあります。あまり細かい作業は得意ではない、といった場合には、まずは自分がどの程度の細かさなら継続できるかを明確にすることも必要です。重要なのは継続できるかどうかなので、自身の性格をふまえ、柔軟に変えていきましょう。
1-2.食事
食事に関する項目は、食料や飲料品、調味料など、食事に関するものを指します。自炊の費用はもちろん、仕事で昼食を購入することが習慣になっている場合は、わかりやすいように「弁当代」「昼代」などの項目を追加すると便利です。外食分に関しては、知人や友人と行く場合は「趣味・娯楽費」や「交際費」にも含められるため、自分が管理しやすい方法で分けるようにします。特に、仕事の関係で会食などの機会が多い場合は、外食の出費も少なくありません。しっかりと分けて把握したいようであれば、あえて交際費に含めると便利です。
食事の項目は個人差が大きいため、ほかにも酒代など特定の科目が毎月数万円単位になる場合、予算を組みやすいよう専用の項目を作るのがおすすめです。逆に、毎月は買わない、数千円単位で収まっている場合などは、食事に含めておいた方が良いでしょう。食事の項目をつける際の目安は、「個人」もしくは「家族」で利用したかどうかを基準に考えます。家族以外を交際費に含めれば、自身がどの程度の交際があるのかを明確にすることもできます。毎月の交際費を平均化すれば予測もつきやすく、予算を組みやすくなるのもメリットです。
1-3.教育・子ども
教育に関する内容は、教育学費や給食代、教材費、習い事などを指します。一方の子どもに関する内容は、おむつや衣類、おもちゃ、絵本など、教育以外の支出です。子どもが小さいうちは教育費もさほどかからないので、大雑把でも不便を感じることは少ないでしょう。しかし、小学校高学年あたりからは、塾や習い事、修学旅行の積み立てなどの支出が増えます。そのため、あらかじめ項目を追加して管理すると、後からでも支出を把握しやすく便利です。小さいうちは子どもの項目に予算を使いがちですが、できれば本格的に教育費がかかり始める前に貯蓄をすることが大切です。
よりわかりやすくしておきたい、という場合には、学校への支払い関係は「教育費」、習い事関係は「習い事」、その他の子どもに関する支出は「子ども」と分けるのも良いでしょう。教育・子どもの項目に関しては、成長するにつれて節約しづらい部分です。進学など将来的な面も踏まえ、長期的な収支計画を立てるようにしましょう。
1-4.その他(趣味・娯楽・交際費など)
その他の項目には、趣味やレジャーに関わる出費、本やDVDなどの娯楽などがあります。交際費として、友人・知人との会食や交際、プレゼント、冠婚葬祭など、毎月定額ではない支出を含めるのも良いです。家賃・住宅ローンや管理費、水道光熱費、通信費などは毎月の変動が少ないので、その他へ入れてしまっても構いません。家庭によって、どの項目が高くなりやすいかといった出費の状況は大きく異なるため、家計簿をつける時は、自分の状況に合わせて分類するのがおすすめです。
考え方の目安としては、節約として出費を削れるかどうかを基準にします。節約を考えた際には、その他の項目のなかで、削っても問題がないものを明確にしておきましょう。特に冠婚葬祭などは大きな支出となりやすく、1カ月の統計を見る際にも混乱しがちな部分です。この項目をつける際は、後から判断しやすいよう、一時的なものか浪費した部分なのか、きちんとわかるようにするのがポイントです。
2.家計簿の項目を上手に分類する3つの方法
家計簿は項目の数が多く、種類も増えがちです。しかし、上手に分類ができていればスムーズな家計管理ができるため、工夫して活用しましょう。ここでは、家計簿を上手に活用する3つの分け方を紹介します。うまく活用できないという場合は、こちらを参考にしてください。
2-1.固定・変動費で分ける
家計簿を活用するポイントは、固定・変動費を見やすくすることです。変動費とは、日用品や食費、趣味・娯楽費など、毎月出費額が変わるものです。一方固定費とは、家賃や通信費、定額サービスなど、基本的に毎月の支払金額が変わらないものを指します。節約を考える際は、変動費と固定費を別々に管理しておくことで、それぞれの節約すべきポイントを把握しやすくなります。固定費を節約する場合は、利用会社の切り替えやプラン変更といった手続きが必要です。しかし、一度安いプランを検討・切り替えれば、節約効果が持続するメリットがあります。その時々のライフスタイルを元にした、定期的な見直しがおすすめです。
また、1カ月の固定費の総額を把握しておけば、生活の中で変動費をどのように抑えるか、節制に集中しやすくなります。支払うべき金額を先に判断しておけば、後からの支出の管理もしやすくなるでしょう。月末になってから「赤字になっていた」と慌てるよりも、計画的な支出が行えるようになります。
2-2.家族ごとに分ける
夫婦共働きでどちらにも収入がある場合は、家族ごとに分けるのも方法の1つです。このケースで家計簿の項目を分ける方法としては、定番の2パターンがあります。まず1つめの方法として、夫婦それぞれに担当する出費がある場合、家計簿では家族ごとに項目を管理すると便利です。例えば、夫が生活費全般、妻が居住費で分けるなどし、それぞれで管理します。この方法のメリットは、担当している出費さえ済ませれば、あとは残った金額を個人が自由に使える点です。すべてを管理されると不便であるなどの場合は、この方法を試してみると良いでしょう。
2つめは、上記のような出費の分担をしていない場合、家庭全般の出費項目を2人で分けずに合算する方法です。合算型の場合、世帯全体の貯金額や、出費額をまとめて管理しやすいメリットがあります。それぞれで分けて計算するのは面倒、まとめて管理したいといった場合には、こちらのタイプがおすすめです。家庭により状況はさまざまなので、どちらが良いかを試しながら決めていきましょう。
2-3.カテゴリごとに分ける
比較的簡単なのは、大きなカテゴリを設定し、そのなかに項目を分類する方法です。例えば、生活費・固定費・特別出費と分け、毎月かかる出費と、臨時の特別な出費を別に管理します。この方法のメリットは、カテゴリを大雑把に分けられるため、面倒な手間がなく家計簿を継続しやすい点です。デメリットとしては、これだけでは大雑把になってしまうため、支払額に増減があった際、明確な原因が特定しづらい点があります。また、大雑把すぎる分類になると、どの項目に入れたらよいのか迷ってしまいがちです。
項目に迷ったら、固定費なのか、特別出費なのかと消去法で考え進め、どちらでもなければ生活費へ、といったつけ方もできます。メリット・デメリットはありますが、一番重要なのは「家計簿を継続する」という点なので、まずは自身が続けられると思った方法を工夫していきましょう。最初の段階で大きく分けられるため、面倒が苦手、細かい作業が嫌いという場合でも取り組みやすくなります。家計簿に対して苦手意識がある場合は、この方法から始めてみるのもおすすめです。
3.家計簿を最大限活用して節約する3つのコツ
家計簿は、ただつけるだけでは意味がありません。節約へと繋げるため、家計簿を最大限活用するためのコツを3つ解説します。家計簿がうまく活用できないといった場合には、こちらを参考にしてください。
3-1.目的を決める
家計簿の効果を発揮して節約習慣をつけるには、節約の目的を決めることが大切です。家計簿そのものを目的化してしまうと、つけただけで満足してしまいます。例えば、「老後資金1500万円を貯める」「毎年海外旅行に行くために不要な出費を抑える」など、具体的な目標を定めておきます。明確な目標があれば、家計簿をつける動機にもなります。また、将来のお金に対して漠然とした不安を感じるだけよりも、改善点はないか、どこへ多く出費しているかなど、具体的な行動がとれるのです。また、目標を設定することで、さまざまな家計簿の種類があるなかでも目的に合ったタイプを選びやすくなります。
自分に合った家計簿を使用すれば、長続きする可能性も高くなるでしょう。家計簿をつける理由としては、節約のためである場合が多くあります。家計簿をつけるだけでは節約効果は得られません。家計簿の内容を踏まえて具体的な行動を取れるようにするため、使った項目・目的・目標は明確にしておきましょう。家計簿に対する動機づけは、意欲を向上してくれます。どんなに「節約のため」と思っても、意欲がなければ積極的に取り組むことは難しいので、できるだけ自分の意欲が高まるような目標をつけましょう。
3-2.ツールを使う
家計簿は、手書きタイプの他にも、表計算ソフトや家計簿アプリ、専用ソフトなどでもつけられます。手書きタイプは難しい操作もなく始めやすいものの、手書きを継続するのはやや手間です。一方、表計算ソフトは簡単な入力操作で自動的に計算してくれますし、家計簿アプリや専用ソフトでは、電子マネーやクレジットカードなどの利用履歴を連携する機能もあります。手書きで計算しながら記載する方法に比べ、スムーズに進められます。家計簿アプリやソフトなどはどんどん進化を続けており、節約に特化したもの、収支計画に特化したものなど多様です。
それぞれの出費をグラフ化してくれるソフトもあり、抑えるべき出費が一目で見やすいのもメリットです。手書き以外にもさまざまなツールがあるため、機能や目的も加味しながら、選ぶことが大切です。手書きにも記憶に残りやすいなどのメリットがあるため、続けやすい方法を選ぶようにします。エクセルなどが使えるようであれば、自身の使いやすい家計簿ファイルを作ってみるのも良いでしょう。
3-3.プロに相談する
家計簿の効果を最大化するには、お金の専門家に相談することも大切です。家計簿の項目や分け方、洗い出し方はいろいろありますが、家庭の状況や目的により、適した方法は異なります。また、家計簿の種類も手書きや表計算ソフト、家計簿アプリなど種類が豊富で、自分で全てを調べるのは大変ですし、試してみるにも時間がかかります。「お金の健康診断」であれば、家計簿の選び方・使い方といった基本的内容だけではなく、節約のコツや長期的なお金との付き合い方など、金銭面全般に対して無料相談が可能です。
金銭の計画を立てるためには、お金の流れや使い方のコツを知ることが大切です。個人ではなかなか客観的な視点が得られないため、他者の視点に立つことで、思いもよらなかった節約ができることもあります。また、効率よく家計簿に取り組むコツなどを学ぶこともできるので、今後の貯蓄や資産運用などにも生かせるでしょう。一人でわからないまま進めるよりも、まずは気軽に相談してみましょう。