監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
上田 雄貴
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員二種
女性保険とは
女性保険とは、乳がんや子宮頸がんなどの女性特有の病気に対し、通常よりも手厚い保障が受けられる保険商品の総称です。
女性特有の疾病としては、以下の例が挙げられます。
- 所定のガン(悪性新生物・上皮内新生物)
- 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫
- 甲状腺の良性新生物、甲状腺機能低下症
- 異常分娩、子宮外妊娠
- 関節リウマチ
- 心筋梗塞、狭心症
- 高血圧症、脳卒中
- 慢性腎不全、糖尿病 など
※ 上記は女性特有の疾病の一例であり、保険の対象となる疾病は各保険商品によって異なります。
通常の医療保険も女性特有の疾病に対して保障を受けられますが、一般的な医療保険の基本保障は入院手術金と手術給付金の2種類です。
一方、女性保険に加入している場合、女性特有の疾病で入院や手術を行う際、通常保障にさらに上乗せされた給付金を受け取れます。
上乗せされた給付金は用途が限定されていないケースが多いため、プライバシーの観点で個室や小部屋を希望する際の差額ベッド代、入院中の食事代や生活費、収入減少への備えとして活用できます。
乳がんや子宮頸がんなどをはじめ、子宮内膜症や甲状腺腫といった女性が発症するリスクの高い疾病に対して、充実した保障を備えられることが女性保険の最大の特徴です。
女性保険と医療保険の違い
女性保険と医療保険には、次のような違いがあります。
女性保険と医療保険の違い | |
---|---|
女性保険 | 医療保険 |
・女性特有の疾病に対して通常よりも保障が手厚い ・通常の医療保険の保障を充実させるより保険料が割安 ・自然分娩時に保障を受けられる女性保険もある | ・女性特有の疾病を含む病気やケガ全般を保障 ・基本保障は入院手術金と手術給付金の2種類 ・特約で特定疾病に対して保障を上乗せできる |
冒頭でお伝えした通り、女性特有の疾病に対しては、一般的な医療保険の入院保障や手術保障が適用されます。
一方、女性保険は女性特定疾病に特化した医療保険なので、乳がんや子宮頸がんなどが原因で入院をする場合、通常の医療保険より多くの入院給付金を受け取れることが特徴です。
たとえば、入院給付金が日額10,000円支給される女性保険の場合、乳がん(女性特定疾病)で入院をする際は加算分とあわせて15,000〜20,000円程度の入院給付金を受け取れるのが一般的です。
女性保険は女性特定疾病にのみ保障が上乗せされるため、病気やケガ全般が保障対象に含まれる医療保険を充実させるより、保険料を安く抑えられる可能性があるのも魅力的なポイントです。
また、正常分娩による妊娠・出産は公的医療保険が適用されず、民間医療保険の保障対象外とされるケースも多いですが、少額短期保険の中には自然分娩が保障範囲に含まれている女性保険も存在します。
これらをまとめると、病気やケガ全般に対する医療保障を備えられるのが「医療保険」、女性特有のリスクに対して手厚い保障を備えたい場合は「女性保険」を検討するのが良いと考えられます。
監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
上田 雄貴
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員二種
よくある勘違いとして、医療保険Ladyなど女性疾病が保障されるタイプの医療保険に加入しないと女性特有の病気に対して保障されないと思われている方が多くいます。実際には、記事の通り、それは上乗せ保障に過ぎません。
女性特有の病気だからといって医療費が特に高くなるわけではありません。どのような病気でも健康保険対象であれば、高額療養費で医療費は同じです。
ただし、医療費以外の部分では、女性特有の病気に対して特別な配慮が必要な場合があります。例えば、大部屋ではなく個室の落ち着いた環境で心身ともに療養したいと考える場合には、女性疾病保障の保険を検討する価値があるかもしれません。
SBI生命
メディケア生命
ネオファースト生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
女性保険の保障内容
女性保険の主な保障内容は、以下の通りです。
- 入院給付金
- 手術給付金
- 死亡保険金
- 各種がん保障
一般的には、女性疾病特約が付帯された医療保険のことが女性保険と呼ばれています。
女性疾病による入院や手術等に関しての保障が手厚い点以外は、原則として、一般的な医療保険と大きな違いはありません。
そのため、女性保険はがん保険や三大疾病保険のような「特定の疾病に対して保障を上乗せした医療保険」と言えます。
一部の女性保険では、一定年数の生存で支給される「生存給付金」や所定の出産時に支払われる「出産祝金」など、様々な特典がある商品も存在します。
監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
上田 雄貴
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員二種
商品のプランによっては、保障内容が入院給付金のみで手術給付金が含まれていない場合もあります。保険料だけで判断せず、しっかりと保障内容も確認しましょう。
女性特有の疾病の患者数
女性保険の必要性を考える上で、年齢別の女性におけるがん罹患率推移をみてみましょう。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」によると、2019年度のがん罹患率推移は以下の通りです。
※人口10万対における罹患率を記載しています
参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(人口動態統計)
上記の結果をみると、女性特有のがん罹患率は30代から上昇し始め、以降は年齢を重ねるにつれて右肩上がりで罹患率は上昇していきます。
30代〜40代にかけては乳がんの罹患率が大きく増加しており、以降も常に高い罹患率を維持しています。
乳がんは生存率が高いがんと知られており、日本人の平均寿命の延伸化も相まって、長期に渡って治療を続ける必要性が高いと考えられます。
昨今のがん治療は通院治療が主軸になりつつありますが、治療の長期化に伴い医療費も高額になるため、リスクが高まり始める前の20代や30代のうちに、女性保険に加入して手厚い保障を備えておくと安心です。
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上田 雄貴
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員二種
保険料の負担感から女性保険への加入を検討するのも良いですが、まずはがん保険への加入も同時に考えてみてはいかがでしょうか。表にある通り、女性は若くしてがんの罹患率が上がります。
働き盛りや子育て真っ盛りの時期にがんに罹患した場合、闘病とお金の両方で悩むことを避けるためにも、がん保険をしっかりと検討することをおすすめします。
女性保険のメリット・デメリット
女性保険に加入するメリットとデメリットは、次の通りです。
女性保険のメリット・デメリット | |
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メリット | デメリット |
・妊娠、出産時のリスクに備えられる ・通常の医療保険で入院給付金日額を増やすより保険料が割安 ・差額ベッド代やその他の費用にも備えやすい | ・妊娠中の加入はできないか、制限がつく場合がある ・通常の医療保険と二重保障にならないよう注意 ・手厚い保障の分、保険料は割高 |
女性保険のメリット
女性保険の最大のメリットは、通常の医療保険よりも女性特有の疾病に対して充実した保障を備えられる点です。
基本的な仕組みとしては、通常の医療保険に女性疾病特約を付帯する形で保障を備えることになります。
女性特有の疾病で入院や手術をする際は特約分の保障が上乗せされ、通常の医療保障より多くの給付金を受け取れることが特徴です。
女性保険では他の病気やケガに対しては通常と同程度の医療保障しか受けられませんが、裏を返すと、女性特有の疾病に限定して保障を手厚くできる保険と言い換えられます。
つまり、女性特有のリスクに備えたい場合、一般的な病気やケガ全般も保障範囲に含まれる医療保険を充実させるより、女性保険に加入したほうが保険料を安く抑えられる可能性が高いということです。
個室や小部屋を希望すると高額な差額ベッド代が発生する可能性がありますが、女性保険で上乗せされた保障が適用されれば、差額ベッド代のほか、入院中の食事代や生活費などにも備えられます。
妊娠・出産時においては、医師の判断で異常分娩による出産(帝王切開や吸引分娩など)が行われる場合もありますが、その際の医療費も女性保険の保障対象に含まれます。
正常分娩による出産は公的医療保険や一般的な医療保険の保障対象外となりますが、少額短期保険の一部では、自然分娩が保障対象に含まれる女性保険も存在します。
女性特有の疾病に対する備えはもちろん、将来的に妊娠・出産を考えている方にとっても、女性保険に加入するメリットは大きいと言えるでしょう。
女性保険のデメリット
- 妊娠中の加入はできないか、制限がつく場合がある
- 通常の医療保険と二重保障にならないよう注意
- 手厚い保障の分、保険料は割高
女性保険のデメリットは、通常の医療保険と保障内容が重複しやすい点が挙げられます。
保障が重複していても給付金を受け取ることは可能ですが、保障が過剰になる分だけ余計に保険料を支払うことになってしまいます。
女性特有のリスクへの保障が充実している反面、一般的な医療保険と比較して保険料が割高に設定されているため、家計を圧迫しないようにバランスを考慮した上で保障内容を設定しなければなりません。
また、妊娠・出産時のリスクに備えられる点は大きなメリットですが、妊娠が判明してからの保険加入は難しいケースが多く、加入できても給付制限が設けられる場合なども考えられます。
希望する保障を受けられない可能性があるため、妊娠・出産時のリスクに備えるために女性保険への加入を検討している方は、できる限り早いうちに準備を進めておくと安心です。
まとめ
女性保険は、乳がんや子宮頸がんといった女性特有の疾病で入院・手術をする際、通常の医療保障に上乗せされた給付金が支払われる保険商品です。
異常分娩による出産も保障対象に含まれている他、一部の少額短期保険では、自然分娩も保障対象に含まれています。
そのため、女性特定疾病への備えのほか、将来的に妊娠・出産を考えている方にとって、非常に必要性の高い保険と言えるでしょう。
SBI生命
メディケア生命
ネオファースト生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。