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医療保険の加入率は高い? ライフステージ・世帯年収・年代で見る医療保障の準備状況を解説します

記事更新日: 2024年09月04日医療保険の加入率は高い? ライフステージや世帯年収で見る医療保障の準備状況を解説します
監修者
株式会社400F オンラインアドバイザー 徳原起弘株式会社400F オンラインアドバイザー
徳原 起弘
公的保険アドバイザー / AFP(日本FP協会認定) / 証券外務員二種

医療保険の加入率

日本では公的医療保険が充実していることから「民間医療保険は必要ない」と言われることがあります。

ただし、公的医療保険が適用されても医療費の最大3割は自己負担で支払う必要があり、長期間の入院ともなれば自己負担分が積み重なり、医療費が家計を圧迫する大きな要因になりかねません

本記事では、統計データを参照して民間医療保険の加入率をご紹介し、その上で医療保険に加入する必要性について解説します。

はじめに、全国の医療保険加入率の推移から確認していきましょう。

男女別医療保険の加入率の推移

※疾病入院給付金付き生命保険の加入率を参照しています
参照:1. 生命保険・個人年金保険加入率|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査<全体版>272ページ|生命保険文化センター

生命保険文化センターの「2022(令和4)年 生活保障に関する調査」を参照すると、日本全体での医療保険の加入率は65.7%となっています。

医療保険の加入率における推移を見ても、いつの時代も概ね7割前後の方が医療保険に加入しており、多くの方々が医療費に対して強い不安を抱えていることが伺えます。

また、上記の結果を参照すると、2007年以降は男性よりも女性のほうが医療保険への加入率は高めです。

これは女性特有の疾病(乳がんや子宮頸がんなど)に対する意識向上や、妊娠・出産に伴う医療費負担への備えとして、保障を充実させておきたいと考える方が多いためと考えられます。

ライフステージ別の医療保険の加入率

続いて、ライフステージ別の医療保険の加入率をみていきましょう。

ライフステージ別医療保険の加入率

参照:疾病入院給付金の有無(全生保)|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

生命保険文化センターの統計データを参照すると、一般的には未婚世帯よりも既婚世帯のほうが医療保険の加入率は高い傾向にあることがわかります。

既婚世帯の中でも子どもの有無や年齢によって医療保険の加入率が異なっており、子どもの成長に伴い医療保険の必要性を感じている世帯が多いと考えられます。

また、子どもが社会人として自立する年齢になると、それ以降は子どもの分の医療保障を備える必要性がなくなります。

上記の結果を見ても、子どもが学校を卒業したタイミングで医療保険の加入率が減少しており、ライフステージの変化に合わせて医療保険の見直しを行う世帯が多いことが伺えます。

世帯年収別の医療保険の加入率

世帯年収別の医療保険の加入率は、次の通りです。

世帯年収別医療保険の加入率

参照:疾病入院給付金の有無(全生保)|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

世帯年収別の加入率を見ると、世帯年収が高くなるほど医療保険の加入率も上昇傾向にあります

一般的に、世帯年収が上がるにつれて生活水準も上昇する傾向にありますが、突然の病気やケガで長期間の入院ともなれば収入が大幅に減少してしまう事態が予測できます。

高額な医療費負担は当然のこと、入院中も変わらず家族の生活費や子どもの教育資金などの支払いが発生するため、世帯年収が高い方ほど、健康リスクに備えて医療保険に加入しているものと考えられます。

病気・ケガに対する医療保障の準備状況

冒頭でもお伝えした通り、日本では公的医療保険が充実しているため、基本的には医療費の最大3割を負担するだけで医療機関を受診できます。

一方、突然の病気やケガなどは予測できるものではなく、公的医療保険では一部の医療費が保障対象外のため、万が一の事態に備えて公的医療保険以外の方法で医療保障を備えることも大切です。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年 生活保障に関する調査」によると、医療保障に対する私的準備状況は次の結果となっています。

医療保障に対する私的準備状況
年度総数準備している準備していないわからない
生命保険損害保険預貯金有価証券その他
2004年
(平成16年)
4,20268.0%21.8%37.5%4.1%0.3%79.3%17.2%3.5%
2007年
(平成19年)
4,05970.3%24.8%37.7%5.5%0.5%82.0%16.5%1.4%
2010年
(平成22年)
4,07671.0%19.8%38.1%5.4%0.5%82.2%15.9%1.9%
2013年
(平成25年)
4,04370.5%19.5%38.3%5.1%0.6%82.8%15.9%1.3%
2016年
(平成28年)
4,05672.9%20.9%42.0%5.6%0.5%84.2%14.1%1.7%
2019年
(令和1年)
4,01473.1%20.6%41.8%5.8%0.4%85.0%12.9%2.1%
2022年
(令和4年)
4,84468.8%20.8%44.5%7.8%0.3%82.7%15.3%2.0%
※生命保険文化センター「生活保障に関する調査」の各調査年度「医療保障に対する私的準備状況」より抜粋しています
※複数回答可、各調査年度の全体平均割合を参照しています
参照:生活保障に関する調査|生命保険文化センター

上記の結果を見ると、8割以上の方が公的医療保険以外の方法で医療保障に対して準備していることがわかります。

準備状況の内訳を見ると、医療保険を含む生命保険(68.8%)が最も多く、次点で預貯金(44.5%)、損害保険(20.8%)と続いています

また、性別・年齢別における医療保障の準備状況は次の通りです。

男女別・年代別の医療保障を準備している人の割合

※「医療保障に対する私的準備をしている」と回答した割合を記載しています
参照:医療保障に対する私的準備状況|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

性別で見ると、ほとんどの年代で男性よりも女性のほうが医療保障に対する準備をしている割合が多いことがわかります。

上述の通り、妊娠・出産や女性特有の疾病リスクがあることから、健康面への備えを充実させておきたいと考える方が多いものと考えられます。

一方、年齢別に見ると、30歳代以降のどの年代も80%以上の方が医療保障に対する私的準備に取り組んでいることがわかります。

30歳代以降になると結婚や出産、子どもの教育資金や住宅ローンの支払いなど、大きな支出を伴う様々なライフイベントが起こる可能性が高くなります。

また、年齢を重ねるごとに健康リスクも増大するため、万一の事態に備えて公的医療保険以外の方法で、医療保障への備えを準備する世帯が増加する傾向にあります。

入院時にかかる費用

ここでは、1入院時にかかる自己負担費用の平均をみていきましょう。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年 生活保障に関する調査」によると、直近5年間における入院時の自己負担費用の平均総額は約19.8万円、1日あたりの平均費用は約2万円であることがわかっています。

直近の入院時における自己負担費用
項目全体男性女性
自己負担費用の平均総額19.8万円19.8万円19.7万円
1日あたりの自己負担平均20,674円19,138円22,121円
参照:直近の入院時の自己負担費用|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:直近の入院時の1日あたりの自己負担費用|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

上記は公的医療保険が適用された後の自己負担分の平均値です。

傷病によって入院時に発生する金額は異なりますが、想像よりも高額な医療費が発生することに驚かれた方も多いのではないでしょうか。

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株式会社400F オンラインアドバイザー 徳原起弘株式会社400F オンラインアドバイザー
徳原 起弘
公的保険アドバイザー / AFP(日本FP協会認定) / 証券外務員二種

入院時の治療費については「高額療養費制度」という公的保障があり、ひと月あたりの治療費上限が設けられています。

一方で、入院中の食費や雑費、差額ベッド代(個室)などは公的保障の対象外で自己負担となります。特に、差額ベッド代は医療機関によって金額が異なり、予想以上に高額になることもあります。

医療保険が必要か考える際は、実際に入院した場合にどこまでカバーが必要か確認してから検討することをおすすめします。

平均入院日数

続いて、直近5年間における平均入院日数についても確認しておきましょう。

生命保険文化センターの統計データによると、直近5年間の入院における平均入院日数は、男性が18.7日、女性が16.8日となっており、全体平均は17.7日という結果です。

直近入院時の平均入院日数と自己負担額

参照:直近の入院時の入院日数|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:直近の入院時の1日あたりの自己負担費用|2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

1日あたりの自己負担平均が20,674円であることを踏まえると、一度の入院で17.7日×20,674円=365,929円の入院費用が発生する計算です。

医療保険に加入していて支払事由に該当すれば、保険会社から所定の保険金が支給されるので、高額な医療費が発生した場合でも安心して治療に専念できます。

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徳原 起弘
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昔は平均入院日数が長く、医療保険は日額タイプが一般的でした。日額タイプは、入院日数に応じて5,000円や10,000円などの定額を受け取る仕組みです。

しかし、最近では平均入院日数が短縮されており、日額タイプではなく入院一時金タイプのご相談も増えています。

入院一時金タイプは、1日でも入院すれば5万円や10万円などのまとまった金額を受け取れるため、短期入院でも安心です。

まとめ

生命保険文化センターの調査結果によると、令和4年度における日本人全体の医療保険加入率は65.7%です。

また、直近5年間の平均入院日数は約17.7日で、1日あたりの自己負担分の平均額は約2万円となっており、実質的に約34万円相当の医療費負担が発生することがわかっています。

日本では公的医療保険が適用されることから「民間医療保険は必要ない」と言われることもありますが、長期間の入院ともなれば自己負担分が積み重なり、医療費が家計を圧迫する大きな要因となります。

あらかじめ十分な貯蓄を用意できていれば必ずしも医療保険に加入する必要はありませんが、突然の病気やケガは事前に予測できるものではありません。

年齢が若く十分な貯蓄がない方や、高額な医療費に備えるだけの準備が不足している方にとって、民間医療保険の必要性は極めて高いと考えられます。

株式会社400F オンラインアドバイザー 徳原起弘

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オカネコ保険比較 編集部

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