20代で生命保険に加入するメリット
生命保険は死亡保障や医療保障など、もしもの時の経済的リスクに備えるための保障がある保険商品の総称で、大きく分けると「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」の3つに分類されます。
生命保険の各種類における特徴と、代表的な保険商品の例は以下の通りです。
生命保険の代表的な種類 | ||||
---|---|---|---|---|
種類 | 特徴 | 代表例 | ||
死亡保険 | 被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる | 定期保険、終身保険、収入保障保険など | ||
生存保険 | 被保険者が生存している場合などに保険金が支払われる | 医療保険、がん保険、個人年金保険など | ||
生死混合保険 | 死亡保険と生存保険を組み合わせた保険被保険者が死亡・生存している場合に保険金が支払われる | 養老保険 |
たとえば、高額な医療費に備えられる「医療保険」は、被保険者(保障の対象となる人)が入院や手術を受ける(=生存している)場合に保険金が支払われることから、生存保険のひとつに数えられます。
一方、「定期保険」や「終身保険」は、被保険者が死亡した場合や高度障害状態となった場合に保険金が支払われることから、死亡保険に分類されることが特徴です。
生死混合保険は、その名前の通り、死亡保険と生存保険の両方が組み合わさった保険商品です。一定期間における死亡保障を備えつつ、満期を迎えた場合に死亡保障と同額の満期保険金が受け取れます。
20代男性には不要と言われることも多い生命保険ですが、年齢が若く健康なうちに生命保険へ加入すると、次のメリットがあることが特徴です。
生命保険を検討中の20代男性に向けて、早いうちから生命保険に加入するメリットについて解説します。
割安な保険料で大きな死亡保障を準備できる
生命保険の保険期間は、大きく分けると「定期型」と「終身型」の2種類があり、主な違いは以下の通りです。
定期型と終身型のメリット・デメリット | ||||
---|---|---|---|---|
保険期間 | メリット | デメリット | ||
定期型 | ・同じ保障内容で比較すると終身型より保険料が割安 ・契約更新時に保険の見直しがしやすい | ・保険料は掛け捨てで解約返戻金がない ・契約更新で同じ保障内容のまま保険料だけ値上がりする | ||
終身型 | ・一生涯の保障を備えながら同時に貯蓄にも取り組める ・契約時の保険料のまま値上がりしない | ・同じ保障内容で比較すると定期型より保険料の負担が大きい ・物価上昇によるインフレリスクがある |
定期型の生命保険は、保障期間が限定されている代わりに、毎月の保険料負担が割安なことが特徴です。
終身型の生命保険は、一生涯の保障を備えながら将来を見据えた貯蓄にも同時に取り組めることがメリットで、その反面、同じ保障内容で比較すると、定期型より保険料の負担は大きくなってしまいます。
たとえば、子どもが成人するまでの一定期間に絞って保障を手厚くしたい場合、定期型の生命保険に加入すれば毎月の保険料負担を抑えつつ、大きな死亡保障を備えられるようになります。
収入や貯蓄に余裕がない20代男性にとって、もしもの時に備えて大きな死亡保障を備えつつ、保険料が割安な定期保険は心強い味方と言えるでしょう。
SBI生命
メディケア生命
チューリッヒ生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
病気やケガの医療費に対する備えを確保できる(医療保険の場合)
生命保険(医療保険)に加入することで、病気やケガに遭遇した際の医療費に対する備えを確保できます。
日本では公的医療保険(健康保険や国民健康保険など)が充実しているため、基本的には誰もが医療費の1〜3割を負担するだけで、場所を問わず国内の高度な医療を受けられます。
また、高額療養費制度があるため、医療機関や薬局で支払った医療費が年齢や所得によって決められた上限額を超えると、超過分が払い戻されます。
しかしながら、公的医療保険は入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療や自由診療など、一部の医療費に対して保障が適用されません。
- 差額ベッド代
- 入院中の食事代(1食あたり一律460円 / ※2024年5月時点)
- 入院中の生活費(衣類、その他購入品など)
- お見舞いのための家族分の交通費
- 先進医療、自由診療の技術料
一般的に、年齢が若い20代男性は収入や貯蓄が少ない傾向にあるため、病気やケガで高額な医療費が発生した場合、大きな経済的負担を抱えることにもなりかねません。
この際、医療保険に加入していれば、保険金を医療費に充てられるので、金銭面での負担を大きく緩和できる可能性があることがメリットと言えます。
また、働けない期間の収入減少に備えられる「就業不能保険」に加入している場合も、もしもの時の長期入院や在宅療養の際も安心です。(就業不能保険の詳細はこちら)
SBI生命
チューリッヒ生命
なないろ生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
年齢が若いと保険料が割安で選択肢も豊富
生命保険は、加入者全員が公平に保険料を負担して、お互いを支え合う「相互扶助」の精神で成立しています。
ただし、性別や年齢、職業によって健康リスクは人それぞれで異なるため、生命保険に加入する際は、加入者に対して健康状態や過去の病歴などの告知義務が課せられています。
一般的に、年齢を重ねると病気やケガのリスクも上がっていきます。加入時の告知内容によっては、保険料の値上がりや保険金の削減、最悪の場合は保険加入を断られてしまうケースもあります。
一方、20代をはじめとする年齢が若い方は病気やケガのリスクが低いと判断されるケースが多く、保険料が割安で選べる保険商品の選択肢も豊富です。
特に、終身型の生命保険は加入時の保険料のまま、一生涯の保障を備えられます。長期にわたって保障を備えておきたいと考えている方は、早めの加入を検討するのがおすすめです。
生命保険料控除で税負担軽減が期待できる
生命保険料を払い込んだ場合、支払った金額は「生命保険料控除」の対象となります。
生命保険料控除とは、所得税と住民税を計算する際のベースとなる「課税所得」から、年間の払込保険料の一定額が「所得控除」として差し引かれる仕組みのことです。
生命保険料控除額(平成24年1月1日以後適用の新制度) | |
---|---|
年間の支払保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000〜40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000〜80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
日本では累進課税が採用されており、課税所得の金額に応じて税率が変わります。所得控除によって課税所得を減らすことができれば、大きな節税効果が期待できます。
たとえば、年間払込保険料の総額が80,000円以上の場合、一律40,000円の所得控除が適用される計算です。
所得控除を申請するには、保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」を添付した上で、会社員の方は年末調整、自営業の方は確定申告で申請する必要があります。
早いうちから生命保険料控除を活用すれば節税効果が高く、結果として使えるお金を手元に残すことができるのでおすすめです。
将来のための資産形成にも活用可能
生命保険には、医療保障や死亡保障といった役割のほか、貯蓄機能を兼ね備えた保険商品が存在することも特徴です。
貯蓄機能のある生命保険の代表例は、主に以下の保険が挙げられます。
- 解約返戻金のある生命保険:死亡保険(終身保険)
- 満期保険金のある生命保険:学資保険、養老保険
- その他:介護保険、個人年金保険
たとえば、被保険者の死亡時や高度障害時に保険金が支給される「終身保険(死亡保険)」は、払い込んだ保険料が保険会社で積み立てられており、保険を解約すると「解約返戻金」として払い込んだ保険料が一定額返ってきます。
返還される解約返戻金は、それまでに払い込んだ保険料に一定の利率を乗じた金額となり、加入期間によっては払い込んだ保険料以上の解約返戻金が受け取れる場合もあります。
生命保険を活用すれば、万一の事態に備える保障を準備しながら、同時に資産形成(資産運用)にも取り組めることがメリットです。
ただし、貯蓄機能を備えた生命保険は、通常の保険商品(掛け捨て型)と比較して保険料が割高に設定されています。資産形成という観点だと、NISAやiDeCoを活用した方が効率良く運用ができる可能性が高いです。
生命保険で貯蓄にも取り組みたい方は、現在の生活が保険料で圧迫されることのないように、家計とのバランスを考慮しながら保障内容を決めることを心がけましょう。
20代男性の生命保険加入状況
生命保険を検討中の20代男性で、同年代における生命保険の加入率が気になる方も多いのではないでしょうか。
この項目では、生命保険文化センターが全国の18〜79歳の個人を対象とした「生活保障に関する調査」より、20代男性における生命保険の加入状況を紹介します。
20代男性の生命保険加入率
参照:生命保険加入率|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
2022年(令和4年)における20代男性の生命保険加入率は、46.4%と半数近くの人が生命保険に加入していることがわかりました。
一方、疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率は、男性は28.5%に留まっています。
いずれにおいても女性より男性のほうが加入率は低い結果となっており、女性のほうが病気やケガなどのリスクを強く意識していることが伺えます。
20代男性の保険金額の平均
参照:生命保険加入金額(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
20代男性の死亡保障における平均保険金額は、1,001万円でした。一方、平均的な医療保障(日額)は男性の場合、7,386円となっています。
女性よりも男性のほうが平均保険金額は高い結果ですが、これは一般的に女性より男性のほうが収入は多い傾向にあり、家計の大部分を男性が担っている世帯が多いためと考えられます。
20代男性の保険料の平均
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
20代の平均払込保険料は、男性は年間11.9万円で、1カ月で約1万円の保険料を支払う計算です。
男性のほうが収入も多い傾向にあることから、女性よりも保険料負担は大きい結果となっています。
SBI生命
メディケア生命
チューリッヒ生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
20代男性に生命保険はまだいらない?
生命保険を検討している20代男性の中には、「体も健康で年齢も若く、20代の自分に生命保険は必要ないのでは?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに20代は体が健康で回復力も高いため、多少の病気やケガでは大事に至らないことも多いでしょう。
しかしながら、毎日の暮らしの中で病気や事故に遭遇する可能性はゼロとは言い切れません。特に、家計の大部分を担っている男性の方は、もしものことが起きても家族が生活に困らないだけの備えを準備しておく必要性があります。
この項目では、20代男性が備えるべきリスクを挙げながら、生命保険の必要性について解説していきます。
収入や貯蓄が少ない世帯が多く、もしもの時の経済的リスクに備えられない
他の年代と比較して、20代男性の方は収入や貯蓄が少ない傾向にあります。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、令和4年における20代男性の平均給与額は、20〜24歳が291万円、25〜29歳は420万です。
参照:(第14図)年齢階層別の平均給与|令和4年分 民間給与実態統計調査20ページ|国税庁
参照:(第14図)年齢階層別の平均給与|令和4年分 民間給与実態統計調査21ページ|国税庁
上記の結果を見ると年齢が上がるにつれて平均給与は上昇していき、定年退職を迎える直前の55〜59歳の702万円が最も高い平均給与となっています。
一方、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を参照して、金融資産保有額の平均を見てみましょう。
※平均値:数値の合計を等分した値です(例:10・30・80の数列の平均値は40)
※中央値:数値を順番に並べて中央に来る値です(例:10・30・80の数列の中央値は30)
参照:各種分類別データ(令和5年)シート4|家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和5年調査結果|知るぽると
参照:各種分類別データ(令和5年)シート4|家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果|知るぽると
参照:各種分類別データ(令和5年)シート4|(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果|知るぽると
20代の金融資産保有額を見ると、単身世帯は平均値が121万円、中央値が9万円、二人以上世帯では平均値が249万円、中央値が30万円でした。
個人によって収入や貯蓄額は大きく異なりますが、20代の男性は収入や貯蓄が少ない傾向にあります。
年齢が若く健康的な20代の方でも、病気やケガのリスクがゼロとは言い切れません。もしもの時に備えられるだけの収入や貯蓄がない方は、生命保険で保障を備えておいたほうが安心と言えるでしょう。
公的保険が適用されても長期入院時の医療費は高額
日本では公的保険が充実しているため、医療費の軽減や遺族年金による補填など、万一の事態が発生した際も様々な公的保障が受けられます。
しかしながら、入院時の差額ベッド代や先進医療の技術代など、公的保障だけではカバーしきれない費用が発生するケースも少なくありません。
- 入院時の差額ベッド代
- 入院中の食費(保険適用で460円/1食)
- 入院中の生活費や収入減少
- 家族が見舞いに来る際の交通費
- 先進医療・自由診療 など
医療機関を受診する際の医療費は、公的保険が適用されると1〜3割負担に抑えられますが、仮に長期間の入院ともなれば、自己負担分が積み重なり高額な出費となる恐れがあります。
たとえば、生命保険文化センターが全国の18歳〜79歳を対象とした「令和4年度 生活保障に関する調査」によると、過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人の直近の入院時の1日あたりの自己負担費用は平均20,700円です。
さらに、同調査結果によれば20代の平均入院日数は18.0日とされており、単純に計算すると、一度の入院で約372,600円もの高額な医療費を負担しなければなりません。この金額は、公的医療保険が適用された後の平均的な自己負担額です。
高額療養費制度は利用できますが、公的保障の範囲外の費用割合が大きくなると、収入や貯蓄が少ない20代の方には大きな負担がかかる可能性があると言えるでしょう。
生命保険(医療保険)に加入していれば、入院や手術などの支払事由に該当した場合に保険金が支払われるので、高額な医療費負担が発生した場合でも安心です。
万一の事態が発生すると経済的に大きなリスクが遺族へ降りかかる
扶養家族がいる20代男性にとって、生命保険は非常に必要性が高いと言えます。
文部科学省の「子供の学習費調査」によると、子どもが幼稚園に入園してから高校を卒業するまでの平均的な学習費総額は、すべて公立校の場合で約574万円、すべて私立校の場合で約1,839万円となっています。
【年齢別】学習費総額の平均(令和3年) | |||
---|---|---|---|
区分 | 学年 | 公立 | 私立 |
幼稚園 | 3歳 | 133,353円 | 309,170円 |
4歳 | 140,838円 | 276,125円 | |
5歳 | 198,555円 | 339,341円 | |
幼稚園総額 | 472,746円 | 924,636円 | |
小学校 | 1年生 | 379,539円 | 2,136,449円 |
2年生 | 283,211円 | 1,402,725円 | |
3年生 | 315,794円 | 1,519,595円 | |
4年生 | 329,198円 | 1,592,088円 | |
5年生 | 380,774円 | 1,683,972円 | |
6年生 | 423,506円 | 1,664,831円 | |
小学校総額 | 2,112,022円 | 9,999,660円 | |
中学校 | 1年生 | 531,544円 | 1,806,991円 |
2年生 | 443,848円 | 1,218,559円 | |
3年生 | 640,925円 | 1,278,255円 | |
中学校総額 | 1,616,317円 | 4,303,805円 | |
高等学校(全日制) | 1年生 | 629,459円 | 1,276,978円 |
2年生 | 457,895円 | 941,873円 | |
3年生 | 455,762円 | 937,550円 | |
高等学校総額 | 1,543,116円 | 3,156,401円 | |
総合計(各区分総額の合計) | 5,744,201円 | 18,384,502円 |
参照:表9 幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額|令和3年度子供の学習費調査 18ページ|文部科学省
高校を卒業後、子どもが大学に進学する場合はさらに高額な教育資金が必要です。
文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」を参照すると、国立大学・公立大学・私立大学の入学料と授業料の平均は、次の通りとなっています。
国公私立大学の入学料・授業料の平均(令和3年度) | |||
---|---|---|---|
項目 | 国立大学(4年間) | 公立大学(4年間) | 私立大学(4年間) |
入学料 | 282,000円 | 391,305円 | 245,951円 |
授業料 | 2,143,200円(535,800円×4年間) | 2,145,452円(536,363円×4年間) | 3,723,772円(930,943円×4年間) |
合計 | 2,425,200円 | 2,536,757円 | 3,969,723円 |
参照:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令|e-Gov法令検索
参照:(参考2)国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
一般的な4年制大学の在学費用は、約242.5万円〜397万円と高額です。また、大学の受験費用や教材購入費(教科書やパソコンなど)、大学入学に合わせて一人暮らしを始める場合はさらに費用が発生します。
子どもの教育資金は、人生の三大支出(教育費・住宅費・老後生活費)と呼ばれるほど、非常に高額な支出となります。
もしものことが起きてしまうと、自身の葬儀費用や遺品整理代といった新たな支出が発生することに加え、住居費や保険料など、継続した固定費も遺族が負担しなければなりません。
遺族に負担をかけないためにも、扶養する家族がいる20代男性は早いうちから生命保険に加入して、万一の事態に備えておくことが大切です。
SBI生命
メディケア生命
チューリッヒ生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
20代男性はいくら生命保険料を払うべき?
「20代男性の生命保険加入状況」で紹介した通り、20代男性の年間払込保険料の平均は11.9万円、1カ月換算で約9,917円ですが、これはあくまで全体の平均額です。
年収別やライフステージ別における、男性の年間払込保険料を確認していきましょう。
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
一般的に、1年間で支払う生命保険料は、年収の5〜7%を目安にするのが良いとされています。
たとえば、年収が400万円の20代男性は、年間払込保険料は約20万円〜28万円、1カ月あたりの平均は16,667円〜23,333円程度に抑えるのが良いと言えるでしょう。
ただし、家族の有無や配偶者の分を含む世帯収入によって必要保障額は大きく変動します。保険料の節約を意識するあまり、保障を削りすぎないように注意することが大切です。
自分や家族だけでは必要な保障額の判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談を活用することも検討してみてください。
20代から加入するのがおすすめな生命保険の種類
生命保険は商品ごとで保障範囲が異なるため、それぞれの生命保険の特徴を正確に把握することが大切です。
この項目では、多種多様な保険商品の中から、20代の男性におすすめの生命保険を5つ紹介します。
医療保険(民間)
- 病気やケガで入院・手術を受ける際に保険金が支払われる
- 特約を付帯すれば特定の病気(がんや三大疾病など)への保障を手厚くできる
- 公的保障が適用されない医療費(差額ベッド代や先進医療など)もカバーできる
- 保障期間は「定期型」と「終身型」の2種類
民間医療保険は、病気やケガで入院・手術を受ける際に保険金が支払われる生命保険です。
民間の生命保険会社が販売する保険商品で、基本的な保障内容は「入院給付金」と「手術給付金」の2種類に分けられます。
また、保険会社によって様々な保障を上乗せできる「特約」を付帯でき、通常の医療保障に加えて、がんや三大疾病への保障を手厚くすることも可能です。
日本では公的医療保険があるため、20代に医療保険は必要ないと言われることも少なくありません。
しかしながら、大きな病気や事故に遭遇する可能性は誰にでもあります。万一の事態が発生してからでは遅いので、収入や貯蓄が少ない傾向にある20代男性は、必要最低限の医療保障を備えておくと安心です。
がん保険
- がんに特化した医療保険の一種
- 入院給付金や手術給付金に加え、通院保障や診断保障が受けられる
- 先進医療特約を付帯すれば、がん治療における選択の幅も広げられる
- がん以外の病気に対しては一切の保障が受けられない点に要注意
がん保険は、がんの治療に特化した医療保険です。
基本的には悪性新生物のみが保障対象で、それ以外の病気やケガに対しては一切の保障を受けられませんが、治療費が高額になりがちながんに対しては、手厚い保障が受けられるように設計されています。
がん保険の基本保障は入院給付金と手術給付金の2種類ですが、近年では外来受療率(通院治療)の増加に伴い、通院保障や診断給付金が支払われるがん保険も多く登場しています。
また、がん治療の現場では公的保険が適用されない先進医療が選ばれるケースも少なくありませんが、「先進医療特約」を付帯していれば、高額な技術料に対して保険金を充てられるようになります。
日本人は世界的に見てもがんに罹患する確率が高く、長い人生の中でがんと診断される確率は2人に1人(国立がん研究センターの「最新がん統計」を参照)と非常に高い割合となっています。
家系的にがんへの不安が強い20代男性は、年齢が若いうちにがん保険に加入して、もしもの時に備えておくことをおすすめします。
就業不能保険
- 収入や貯蓄が少ない20代男性には優先度の高い生命保険
- 病気やケガで働けない期間の収入減少に備えられる
- 医師の診断や保険会社が定める就業不能状態となった場合に保険金が支給される
- 保険会社によっては精神疾患(うつ病など)による就業不能時も保障対象
就業不能保険は、保険会社が定める「就業不能状態」となった場合、働けない期間の収入減少を保障してくれる生命保険です。
たとえば、病気や事故に遭遇して長期入院となった場合、入院費用や手術費用などの大きな医療費負担が発生する上、働けないために給与が支払われないケースも起こり得ます。
生命保険文化センターの「2022(令和4)年 生活保障に関する調査」によると、直近5年間の入院時における逸失収入(入院によって得られなかった本来の収入)は平均30.2万円(1日あたり約21,000円)です。
会社員が加入する健康保険には、逸失収入を補填する制度として「傷病手当金」がありますが、最長で1年6カ月間しか支給されず、給与額の約2/3程度しか受け取れません。
一方、自営業やフリーランスで働く方が加入する国民健康保険には、傷病手当金といった制度が存在しないため、貯蓄を取り崩しながら働けない期間の収入減少に備えることになります。
収入や貯蓄が少ない傾向にある20代男性にとって、働けない期間が発生することは非常に大きなリスクと言えます。就業不能保険は、収入減少の保障を目的とした生命保険なので、積極的に検討することをおすすめします。
低解約返戻金型終身保険
- 終身型の死亡保険の一種。死亡時や高度障害時に保険金による保障が受けられる
- 保険料の払込期間中は解約返戻金が低く抑えられており、通常の終身保険より保険料が割安
- 保険料の払込期間を満了すると、以降は解約返戻金が通常の終身保険と同水準にまで引き上げられる
- 通常の終身保険よりも保険料を抑えつつ、貯蓄機能のある一生涯の死亡保障を備えられることが特徴
低解約返戻金型終身保険は、終身保険(終身型死亡保険)の一種で、被保険者の死亡時や高度障害時に保険金が支払われる生命保険です。
通常の終身保険との違いは、保険料払込期間中の解約返戻金が低めに抑えられており、保険料が割安な点が挙げられます。
短期間で解約すると元本割れとなりますが、払込期間の満了後は通常の終身保険と同水準にまで解約返戻金が引き上げられるため、保険料を節約しながら貯蓄機能のある終身保険を選びたい方におすすめです。
家族がいる方にとって必要性の高い終身保険と言えるので、特に子どもが生まれたばかりの20代男性は優先的に検討するようにしましょう。
個人年金保険
- 公的年金だけでは不足しがちな老後の生活費を補填できる
- 60歳や65歳まで保険料を払い込むと、それ以降に年金収入が得られるようになる
- 個人年金保険料控除で家計の節約効果も期待できる
- 保険料が割高なので生活資金に余裕がある場合に検討するのがおすすめ
個人年金保険は、公的年金だけでは不足しがちな老後の生活費を補填することを目的とした貯蓄型保険です。
60歳や65歳など、契約時に定めた年齢まで保険料を払い込むことで、その後の一定期間または一生涯にわたって年金収入が得られるようになります。
また、保険会社に支払った保険料は「個人年金保険料控除」として一定の金額の所得控除を受けることができるので、年末調整や確定申告で申請すると節税効果も期待できます。
ただし、他の生命保険と比べて保険料が割高なので、家計を圧迫する要因にもなりかねません。生活資金に余裕がある場合に検討するのがおすすめです。
20代男性の生命保険の選び方
数ある生命保険の中から、自分に合った生命保険を選ぶための手順は、次の通りです。
生命保険の加入目的を明確にする
生命保険への加入を検討中の20代男性が最初にすべきことは、生命保険に加入する目的を明確にすることです。
上述の通り、生命保険には保障範囲が異なる様々な種類の商品が登場しています。
事前に生命保険に加入する目的を明確にしておかないと、目的にそぐわない生命保険に加入して保険料を無駄にしてしまうことにもなりかねません。
生命保険の加入目的の一例をまとめたので、自分が何のために生命保険に加入しようとしているかを改めて振り返ってみましょう。
- 医療費に備えたい:医療保険、がん保険、三大疾病保険など
- 死亡保障を準備したい:死亡保険(定期・終身)、収入保障保険など
- 収入減少に備えたい:就業不能保険、所得補償保険など
- 子どもの教育資金を貯めたい:学資保険、養老保険など
- 将来を見据えて貯蓄したい:低解約返戻金型終身保険、個人年金保険など
目的に合致した保障範囲の生命保険を検討する
生命保険に加入する目的を明確にした後は、その目的に合致した保障範囲の生命保険を検討しましょう。
たとえば、「死亡保険」と「医療保険」は混同されがちな生命保険ですが、死亡保険は被保険者の死亡時を保障するのに対し、医療保険は入院や手術を受ける際の医療費を保障する生存保険といった違いがあります。
また、将来を見据えて生命保険で貯蓄をしたい場合は、解約返戻金がある「終身保険」を選ぶべきですが、保険料重視で生命保険を比較すると解約返戻金のない「定期保険」を選んでしまいがちです。
それ以外にも、名称が似た生命保険として「就業不能保険」や「収入保障保険」がありますが、前者は働けない期間中の収入減少を補填するのに対し、後者は被保険者が死亡した際の遺族の生活費を保障することを目的としています。
それぞれの生命保険で保障範囲が大きく異なるため、目的に合致した生命保険を比較検討することが大切です。
この項目では、例として「医療保険」を比較検討する際の確認事項の一例をまとめました。他の生命保険も同様の手順で比較検討できるので、保険選びの参考にしてください。
例:医療保険を比較検討する際の確認事項の一例 | |||||
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項目 | 一例 | ||||
基本保障 | 入院費用を手厚く保障したいなら入院給付金手術費用を重く見るなら手術給付金 など | ||||
保障範囲 | 入院◯日目以降から保険金支払い退院後◯日以内の再入院は一度の入院とカウント など | ||||
保険期間 | 子どもが成人するまでの一定期間で良いなら定期型一生涯の保障を備えたいなら終身型 など | ||||
保険料払込期間 | 保険料の総額を抑えたいなら短期払い毎月の負担を減らしたいなら終身払い など | ||||
その他 | 特定疾病に対して保障が適用されるか など |
ライフステージの変化に合わせて保険の見直しを行う
生命保険に加入した後は、ライフステージの変化に合わせて見直しを行う必要があります。
たとえば、配偶者の妊娠・出産がきっかけで生命保険を検討し始めた方は、生まれてくる子どもの生活費や今後の教育資金を考慮して生命保険を選ぶケースが大半です。
一方、子どもが自立した後に生命保険の見直しをしなかった場合、保障が過剰で余計な保険料を支払い続けることになりかねません。
賃貸住宅に住んでいる方は、もしものことが起きた場合、遺族の家賃負担も考慮して保険金を設定します。
その後、マイホームを購入する際に団体信用生命保険に加入して住宅ローンを組んだ場合、被保険者が死亡した後は住宅ローンの支払いが免除される仕組みがあるため、生命保険で住居費に備える必要性は低くなります。
このように、ライフステージの変化に合わせて保険の見直しを行わないと、無駄な保険料を支払い続けることになってしまう恐れがあります。将来的に保険の見直しを行うことを前提にして、生命保険を選ぶことを心がけましょう。
20代男性におすすめの生命保険プラン
ライフスタイル別におすすめの生命保険の選び方について解説します。生命保険への加入を検討中の20代男性の方は、ぜひ参考にしてみてください。
20代独身男性の場合
20代で独身の男性は、自身の健康や収入減少に備えられる生命保険への加入を検討しましょう。
具体的には、高額な医療費や公的保険が適用されない医療費が保障される「医療保険」、働けない期間の収入減少に備えられる「就業不能保険」は優先度が高い生命保険と言えます。
長い人生の中でライフステージが変化する可能性も十分にあるため、将来の老後資金の貯蓄を目的として「個人年金保険」に加入するのもおすすめです。
なお、独身の方に多額の死亡保障は必要ありませんが、親などの親族が自身の葬儀費用や遺品整理代を負担することを踏まえ、それらを補填できる最低限の金額を用意しておくことも検討しておきましょう。
- 医療保険
- 就業不能保険
- 個人年金保険
20代共働き夫婦で子どもがいない場合
子どもがいない共働き夫婦の場合は、独身の20代男性向け保険プランに加え、配偶者の生活費を補填できる「死亡保険」を検討する必要があります。
また、治療の長期化に伴い医療費が高額化しやすいがんに対して、手厚い保障を備えられる「がん保険」を検討しておくともしもの時も安心です。
今後、妊娠や出産の予定がある夫婦の場合は、子どもの教育資金を貯蓄するために「養老保険」や「低解約返戻金型終身保険」に加入するのも良いでしょう。
- 医療保険
- がん保険
- 養老保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 就業不能保険
- 個人年金保険
20代共働き夫婦・妻が専業主婦で子どもがいる場合
20代共働き夫婦で子どもがいる世帯の場合、もしもの時の医療保障や死亡保障に加え、子どもの教育資金を貯蓄できる「低解約返戻金型終身保険」や「学資保険(子ども保険)」を検討しましょう。
特に妻が専業主婦の場合、夫の死亡保障や医療保障の他、就業不能保険や収入保障保険で遺族が生活に困ることのないように保障を充実させておくことも大切です。
子どもの教育資金は人生の三大支出(教育費・住居費・老後生活費)に数えられるほど高額な出費となるため、もしもの事態に備えて死亡保障を充実させておかないと、今後の遺族の人生に大きな影響を与えることになりかねません。
収入や貯蓄状況、子どもの年齢などによって必要保障額は大きく異なるので、ファイナンシャルプランナーの無料相談を活用しながら家族に適切な保障内容の生命保険を選ぶことを心がけましょう。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 学資保険(子ども保険)
- 個人年金保険
20代夫婦・妻が専業主婦で子どもがいない場合
20代の夫婦で妻が専業主婦の場合、万一の事態が発生した際に、収入が途絶えるリスクを考慮することが重要です。
具体的には、夫の収入に大きく依存しているため、高額な医療費や公的保険が適用されない医療費が保障される「医療保険」、働けない期間の収入減少に備えられる「就業不能保険」は優先度が高い生命保険と言えます。
また、配偶者の生活費を補填できる「収入保障保険」、万一の事態に備えて大きな死亡保障を準備できる「定期保険」などから、ライフステージの必要保障額に合わせて家族に適切な保障内容の生命保険を選ぶことを心がけましょう。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 個人年金保険
20代男性が生命保険選びで後悔しないためのチェックリスト
最後に、20代男性が生命保険を選ぶ際に後悔しないためのチェックリストをご紹介します。
ここまでに解説した内容を踏まえたチェックリストなので、生命保険を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
- 保険に加入する目的:医療費の備え、老後資金や子どもの教育資金の貯蓄など
- 検討中の保険の保障範囲:医療費に備えたいなら「医療保険」や「がん保険」など
- 検討中の保険の保障期間:一定期間なら「定期型」、一生涯の保障なら「終身型」など
- 保険料の払込期間:短期間で払い終えるなら「短期払い」、毎月の負担を抑えるなら「終身払い」など
- 家計と保険料のバランス:保険料が家計を圧迫することのないように注意する
- 解約返戻金の有無:掛け捨て型は返戻金がない代わりに保険料が割安、終身型は保険料が割高で返戻金がある
まとめ
20代男性にとって「生命保険は必要ない」と感じる方も多いかもしれませんが、病気や事故に巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。
生命保険はもしもの時の経済的リスクに備えるための事前準備の手段です。収入や貯蓄が少ない傾向にある20代男性にとって、生命保険は心強い味方と言えるでしょう。
また、20代の若いうちから生命保険に加入しておくと、保険料が割安な上に選択肢も豊富なため、自分や家族にとって有利な条件で生命保険に加入できる場合もあります。
商品ごとで保障範囲が大きく異なるので、それぞれの生命保険の特徴を理解した上で、比較検討することを意識してみてください。