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60代女性の生命保険の選び方

60代女性の生命保険について

60代女性の中には子育てが一段落し、今後の老後資金の貯蓄のために生命保険の解約を検討中の方も多いのではないでしょうか。

65歳以降の老後を迎えると、主な収入源として公的年金に頼る形になります。ところが、近年では公的年金の受給額が減少傾向にあり、その金額も必要十分とは言い切れないため、自助努力で老後資金を準備する必要があるでしょう。

一方、年齢を重ねるにつれて健康面での不安も大きくなり、医療費や介護費用の増大といった問題もあるため、老後においても生命保険の必要性は高いままと言えます。

ライフステージの変化に合わせて生命保険を見直そう

生命保険の見直しタイミング

60代女性にとって、今後も生命保険の必要性は高い状況が続きます。

ただし、老後を迎えると一般的には生命保険での必要保障額が減少するため、生命保険の見直しで保険料の節約に努めることが大切です。

たとえば、妊娠や出産のタイミングで生命保険に加入した場合、基本的には子どもの分を考慮した必要保障額を設定している方が多いでしょう。

子どもが成人して自立した後は子どもの分の保障が不要となるため、生命保険の見直しをしないままだと保障が過剰となり、無駄な保険料を支払い続けることになりかねません。

一方、現在の貯蓄額や将来の年金収入に不安がある方は、今後のさらなる健康リスクの増大に備えるため、医療保障や介護保障を充実させる必要があります。

すでに加入中の生命保険がある場合は、ライフステージの変化に合わせて保障内容の見直しを行うことを心がけましょう。

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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。

60代女性が生命保険で備えたいリスクとは

60代女性が生命保険で備えておきたいリスクは、大きく分けると4種類挙げられます。

統計データを参考にしながら、これらのリスクについて解説します。

老後資金の問題

冒頭でもお伝えした通り、65歳以降の老後生活では公的年金が主な収入源となります。

しかし、厚生労働省が公開する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の受給額は直近数年間で減少傾向にあることがわかります。

各年金受給権者の平均年金月額の推移(令和4年)
年度国民年金厚生年金(国民年金を含む)
平成30年度55,708円143,761円
令和元年度55,946円144,268円
令和2年度56,252円144,366円
令和3年度56,368円143,965円
令和4年度56,316円143,973円
参照:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)P10,P21|厚生労働省

一方、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を参照すると、65歳以降の老後に必要とされる1カ月あたりの平均的な生活費は、次の結果となっています。

老後に必要な1ヶ月あたりの生活費(令和4年度)
項目独身(単身)夫婦
食料37,485円67,776円
住居12,746円15,578円
光熱・水道14,704円22,611円
家具・家事用品5,956円10,371円
被服および履物3,150円5,003円
保健医療8,128円15,681円
交通・通信14,625円28,878円
教育0円3円
教養娯楽14,473円21,365円
その他の消費支出31,872円49,430円
上記合計(消費支出)143,139円236,696円
非消費支出(税金や保険料など)12,356円31,812円
総合計155,495円268,508円
※65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)と65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)における1ヶ月あたりの生活費を記載しています
参照:2022年(令和4年)家計の概要19ページ|家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)|総務省統計局

上記の結果を照らし合わせると、公的年金だけでは老後の生活資金を賄うことが難しい状況で、基本的には貯蓄を取り崩しながら日々の生活を送る高齢者世帯が多いと考えられます。

厚生労働省の「令和4年 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は約81歳、女性の平均寿命は約87歳となっており、老後を迎えた後もおよそ20年以上の生活費を考慮しなければなりません。

入院や通院による医療費

加齢に伴う健康リスクの増大により、60代女性は入院や通院による医療費への備えも準備する必要があります。

年齢を重ねて身体面が衰えると、少しよろけて手をついただけで骨折してしまうケースや、軽い転倒で大きな外傷に繋がってしまうケースが起こり得ます。

厚生労働省の「患者調査の概況」によると、令和2年度における60代の医療機関の受療率は次の通りで、男女ともに医療機関の受療率は年齢とともに上昇していることがわかります。

年代別の医療機関の受療率(人口10万対)(令和2年)
区分入院外来
性別総数男性女性総数男性女性
20〜24歳141人128人156人2,321人1,782人2,885人
25〜29歳198人142人258人2,692人1,867人3,563人
30〜34歳246人165人331人3,043人2,149人3,977人
35〜39歳257人215人301人3,174人2,300人4,074人
40〜44歳273人278人267人3,480人2,760人4,220人
45〜49歳345人387人302人3,745人3,063人4,444人
50〜54歳478人551人404人4,285人3,602人4,977人
55〜59歳664人776人551人5,113人4,368人5,856人
60〜64歳895人1,064人730人6,113人5,509人6,702人
65〜69歳1,207人1,444人983人7,951人7,369人8,500人
全年齢平均960人910人1,007人5,658人4,971人6,308人
参照:令和2年 患者調査の概況|厚生労働省

日本では公的医療保険(健康保険や国民健康保険など)が充実しており、1カ月あたりの医療費が自己負担限度額を超えた場合は高額療養費制度が利用できます。

とはいえ、公的医療保険を利用しても1〜3割の自己負担が発生するうえ、高額療養費制度を利用しても払い戻しを受けるまでは一時的に費用を負担する必要があるなど、患者の負担がゼロになる訳ではありません。

普通の生活費だけでも赤字が続くなか、医療費の自己負担分が積み重なり、家計を圧迫する大きな要因となり得ます。60代以降においても生命保険(医療保険)でもしもの時に備えておく必要性は高いと考えられます。

がん治療にかかる医療費

60代女性は病気やけがの医療費に備えておく必要があるほか、がん(悪性新生物)への備えも手厚くしておく必要があります。

国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)を参照して、年齢別の女性のがん罹患率を確認してみましょう。

参照:最新がん統計:[国立がん研究センター がん統計]

40代から女性特有のがんの罹患率が上昇し始め、60代では全部位のがん罹患率が非常に高い割合を占めていることがわかります。

一方、厚生労働省の別の統計データを参照すると、60代の主な死亡理由は次の通りです。男女ともに悪性新生物が死亡順位のトップで、次いで心疾患、脳血管疾患と続いています。

60代の主な死因(令和5年)
総数男性(参考)女性
60〜64歳65〜69歳60〜64歳65〜69歳60〜64歳65〜69歳
1位悪性新生物(腫瘍)悪性新生物(腫瘍)悪性新生物(腫瘍)悪性新生物(腫瘍)悪性新生物(腫瘍)悪性新生物(腫瘍)
2位心疾患心疾患心疾患心疾患心疾患心疾患
3位脳血管疾患脳血管疾患脳血管疾患脳血管疾患脳血管疾患脳血管疾患
4位肝疾患不慮の事故肝疾患不慮の事故自殺不慮の事故
5位自殺肝疾患自殺肝疾患肝疾患自殺
参照:第7表 死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)・死因順位別|令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省

このように、60代以降は様々な病気やけがのリスクに加え、がんの罹患リスクが非常に高い年代と言えます。

悪性新生物は転移や再発の可能性も高く、長期にわたって治療を続けるケースも珍しくありません。治療期間が長期化すれば、それに応じてがんの治療費も高額になるでしょう。

特に、がんの治療時に「先進医療」を選択した場合、日本の公的医療保険が適用されないため、高額な医療費を全額自己負担で賄わなければなりません。

女性の場合は乳がんや子宮頸がん、卵巣がんなどの存在もあるため、男性以上にがんへの備えを手厚くしておく必要性が高いと言えます。

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介護や認知症の問題

60代女性は、介護や認知症への備えについても熟考しておかなければなりません。

生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、直近3年間で介護経験がある方で介護に要した費用は次の通りとなっています。

【要介護度別】介護費用の平均額(令和3年)
公的介護保険の利用経験要介護度一時的な費用の合計月額費用
あり74万円8.3万円
 要支援1101万円4.1万円
要支援237万円7.2万円
要介護139万円5.3万円
要介護261万円6.6万円
要介護398万円9.2万円
要介護448万円9.7万円
要介護5107万円10.6万円
なし90万円6.9万円
全体平均74万円8.3万円
参照:2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査173〜174ページ|生命保険文化センター

介護に要した費用のうち、住宅改造や介護用ベッドの購入費などの一時的な費用の合計平均は約74万円、月々の介護費用は平均8.3万円です。

また、介護期間の平均は61.1カ月(5年1カ月)で、全体平均と照らし合わせると一度の介護費用は約581万円と非常に高額です。

介護費用の平均

介護費用は「要介護度(要支援1〜2、要介護1〜5)」によって金額が大きく変動しますが、いずれの場合においても非常に高額な介護費用が発生します。

日本では公的介護保険制度が整備されていますが、介護サービスの利用時には1〜3割の自己負担が発生するため、介護費用の全額がカバーされる訳ではありません。

あらかじめ生命保険(民間介護保険)に加入していれば、要介護度認定を受けた際に一定額の保険金が支給され、高額な介護費用への備えを準備できます。

60代女性はいくら保険料を払うべきか

ここまで、60代女性が生命保険で備えておきたいリスクについて解説してきました。生命保険の必要性について理解した一方で、「60代以降はいくらの保険料を支払えば良いの?」と疑問に感じている方も多いと思います。中には専業主婦で収入がないという方もいることでしょう。

この項目では生命保険文化センターの統計データを参照し、本人年収別の年間払込保険料の平均額を確認していきましょう。

年収別女性の年間払込保険料

参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

上記を参照すると、収入はないと回答した女性の年間払込保険料の平均は13.6万円(月額11,333円)となっており、基本的には本人の年収が上がるにつれて払込保険料の平均も増えていく傾向にあります。

払込保険料の平均割合で見ると、年収300万円未満までは12万円未満、年収が300万円を超えると12〜24万円の保険料を払い込んでいる世帯が多い結果となっています。

一方、世帯単位で見た場合の年間払込保険料の平均は次の通りです。

世帯年間払込保険料対世帯年収比率(令和3年)
世帯主年齢世帯年収に対する払込保険料割合
29歳以下4.5%
30~34歳5.1%
35~39歳5.8%
40~44歳4.9%
45~49歳5.2%
50~54歳5.9%
55~59歳6.5%
60~64歳7.4%
65~69歳8.9%
70~74歳8.1%
75~79歳10.4%
80~84歳7.1%
85~89歳11.1%
90歳以上8.4% 
全体平均6.7%
参照:生命保険の世帯年間払込保険料対世帯年収比率|2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター

生命保険文化センターが全国の世帯員2人以上の世帯を対象とした「生命保険に関する全国実態調査」を参照すると、世帯主年齢が60代の場合、世帯年収の7.4〜8.9%を保険料として払い込んでいることがわかっています。

世帯年収を800万円と仮定した場合、約59.2〜71.2万円(月額49,333〜59,333円)を生命保険料として支払っている計算です。

全年代の平均が6.7%となっていることから、多くの世帯は世帯年収の5〜7%程度を保険料として払い込んでいるものと推測できます。

ただし、家族構成や収入の有無によって生命保険での必要保障額は大きく変わります。上記はあくまで目安なので、自分や家族にとって必要な保障について慎重に検討することを心がけましょう。

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60代女性の生命保険加入状況

この項目では生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」より、60代女性における生命保険の加入状況について解説します。

60代女性の加入率

60代の生命保険の加入率

※18~19歳の内容を省略しています
参照:生命保険加入率|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

参照:疾病入院給付金の有無(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

60代の生命保険加入率は、女性が86.5%男性が85.8%となっており、全体平均で8割以上の60代が生命保険に加入していることがわかっています。

疾病入院給付金が支給される生命保険の加入率に絞って見ると、女性が74.9%男性が67.8%、全体平均で7割以上の60代が医療保険に加入しています。

加齢に伴う健康面の不安が強まっており、万一の事態に備えて継続して死亡保障や医療保障を備えている世帯が多いことが伺えます。

60代女性の保険金額の平均

60代の生命保険の平均保険金額

※18~19歳の内容を省略しています
参照:生命保険加入金額(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

参照:疾病入院給付金日額(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

60代における生命保険の平均保険金額を見ると、女性が507万円男性が1,071万円、全体平均で765万円となっています。

死亡保障に関しては30代がピークとなっており、以降は年齢を重ねるにつれて必要保障額が減少していくため、死亡保険による保険金額もそれに合わせて減少傾向にあります。

一方、疾病入院給付金が支給される生命保険の平均保険金額(日額)は女性が8,315円男性が9,638円、全体平均が8,878円です。

医療保障のピークは50代となっていますが、60代における生命保険の平均保険金額は、全体平均よりも高い結果となっています。

年齢を重ねるにつれて病気やケガのリスクが高まり、医療機関を受診する機会が増えるため、もしもの時に備えて医療保障だけは充実させておこうと考える60代が多いことが伺えます。

60代女性の保険料の平均

60代の生命保険の平均払込保険料

※18~19歳の内容を省略しています
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

60代の平均払込保険料を見ると、女性が15.9万円(月額13,250円)男性が21.2万円(月額17,667円)、全体平均が18.2万円(月額15,167円)となっています。

60代以降は子どもの自立や住宅ローンの完済などで必要保障額が減少するケースが一般的です。

保険会社への払込保険料の平均は50代がピークで、以降は年齢が上がるにつれて払込保険料の平均も下がっていきます。

60代女性の生命保険の見直し方

生命保険の見直しが必要とわかっていても、何から手を付けて良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。

60代女性が生命保険の見直しをする際は、次の5つのポイントを意識するのがおすすめです。

それぞれのポイントについて解説していくので、生命保険を見直す際の参考にしていただけると幸いです。

ライフステージごとの備えるべきリスクを明確にする

はじめに、現在のライフステージに合わせて「生命保険で備えるべきリスク」を明確にすることから始めていきましょう。

60代女性が生命保険で備えたいリスクとは」でご紹介したように、60代女性が生命保険で備えるべきリスクの一般例として、老後資金医療費介護費用などの問題が挙げられます。

実際は家族構成や貯蓄状況によっても備えるべきリスクは異なるので、自分や家族がどのようなリスクに備える必要があるかを今一度振り返りましょう。

たとえば、60代以降も成人していない子どもがいる世帯の場合は、万一の事態に備えて遺族の生活費や子どもの教育資金を確保するための死亡保障が必要です。

公的年金だけでは老後の収入が不安に感じる場合は、今のうちから個人年金保険や終身保険に加入することを検討する必要があるでしょう。

備えるべきリスクを明確にすると、選ぶべき生命保険の種類が自然と絞られてきます。保険料の節約を目的に見直しをしてしまうと、本当に必要な保障まで減らしてしまうことになりかねないのでご注意ください。

加入済みの生命保険がある場合は現在の契約内容や保障内容を確認する

すでに加入している生命保険がある場合は、現在の契約内容や保障内容を再確認しましょう。

契約内容を確認して、上記の備えるべきリスクへの保障が足りていない場合、新たに生命保険への加入を検討しなくてはなりません。

特に、近年では人生100年時代と呼ばれるほど平均寿命が延伸化しており、60代で老後を迎えてから平均寿命を迎えるまでには20年以上の時間があります。

それらを見据えて、今後の介護費用や老後資金、もしものときの医療費に備えて、自分と配偶者の医療保障や介護保障を充実させることを検討するようにしてください。

保障内容が過剰な場合は「削減・解約・払済保険」を検討する

子どもが成人済みの場合は高額な死亡保障が不要になるため、生命保険の見直しで保障内容を減らして保険料の節約に努めることが大切です。

保障を減らす手段としては「削減・解約・払済保険」の3種類が挙げられます。

特に、保険料の払込が難しくなった場合には、保険金額を減額する代わりに以降の保険料支払いが中止となる「払済保険」へ変更するのは非常に有効的な手段です。

ただし、生命保険の見直しを行う際は、後から同じ保障内容に戻せないことを念頭に置きつつ、慎重に検討することを心がけてください。

下手に保障内容の削減や解約をすると、本当に必要な保障まで減らしてしまうことになりかねません。

自分や家族だけで判断するのが難しいと感じる場合は、ファイナンシャル・プランナーの無料相談を活用することも検討しましょう。

満期を迎える生命保険は「終身保険」への切り替えを検討する

定期保険に加入中で60代のタイミングで満期を迎える場合は、これを機に「終身保険」へ切り替えることも検討してみてください。

定期保険は割安な保険料で一定期間に限定した手厚い保障を用意できることが特徴ですが、契約更新のタイミングで同じ保障内容のまま保険料だけが値上がりしてしまいます。

一方の終身保険は、定期保険よりも1回あたりの保険料負担は大きいものの、一度加入すれば同じ保険料のまま一生涯の保障を備えられることが特徴です。

また、終身保険に払い込んだ保険料は一部が保険会社に積み立てられており、終身保険の解約時には払い込んだ保険料の総額に一定の利率を乗じた解約返戻金が払い戻されます。

一生涯の保障を手に入れながら、もしもの時は終身保険を解約することでまとまった資金を用意できるので、保険料が家計を圧迫しない範囲で終身保険への切り替えも検討してみましょう。

持病や既往歴がある場合は「引受基準緩和型」「無選択型」を検討する

60代になると、持病や既往歴を持っている方も少なくありません。一般的に、持病や既往歴があると新たな生命保険への加入が難しくなってしまいます。

特に高齢者は健康リスクが高いと判断されるため、加入時の告知審査によっては生命保険の加入を断られてしまうケースもあります。

もしも健康状態に不安がある場合は、「引受基準緩和型」や「無選択型」の生命保険を検討するのがおすすめです。

引受基準緩和型は一般的な生命保険に比べて告知事項が少なく、通常の生命保険に加入できない方でも保障を備えられる可能性があります。

無選択型は告知事項が一切設けられていないため、たとえ持病や既往歴がある方でも生命保険に加入できることが特徴です。

ただし、これらの生命保険は一般的な保険商品よりも保険料が割高に設定されています。

通常の生命保険は保険会社によって審査基準が異なるため、まずは一般的な生命保険への加入を検討し、健康状態が理由で加入できなかった場合に引受基準緩和型や無選択型保険を検討するのがおすすめです。

60代女性におすすめの生命保険プラン

この項目では、60代女性におすすめの生命保険プランをライフステージ別に解説します。

60代女性の生命保険の考え方としては、基本的に自分や家族の医療保障の見直しを行いながら、必要に応じて死亡保障や老後資金への準備を意識することが大切です。

個人の考え方によって必要な生命保険の種類は異なるため、本章を参考にしながら自分に必要な生命保険を検討してみてください。

60代独身女性の場合

60代独身女性の方は、自分自身の健康リスクに対して万全の準備を整える必要があります。

女性の場合は乳がんや子宮頸がん、卵巣がんといった女性特有の疾病の存在があるため、医療保障やがん保障は手厚く用意しておきたいところです。

将来的に介護サービスを利用する可能性も十分に考えられるため、早いうちから介護保険に加入しておくと、突然の介護が必要な場合でも金銭面の不安が軽減されます。

65歳以降も継続して働き続ける場合は、病気やケガで働けない期間中の収入減少に備えるため、就業不能保険を検討することも大切です。

独身の場合は高額な死亡保障は必要ないので、自身の葬儀費用や遺品整理代など、必要最低限の保障内容に絞って保険料の節約に努めましょう。

60代独身女性におすすめの保険プラン
  • 医療保険(終身型)
  • がん保険(終身型)
  • 就業不能保険(老後も働き続ける場合)
  • 終身保険(少額の死亡保障)
  • 引受基準緩和型・無選択型(持病がある場合)

60代既婚・共働き世帯で子どもがいない場合

共働き世帯で子どもがいない60代女性の場合、基本的には独身の方と同様に、医療保障と介護保障を充実させておくのがおすすめです。

長期入院となっても夫の収入を頼ることができますが、定年退職後に働き続ける場合であっても、現役時代と比べて収入が減少してしまうケースも少なくありません。

もしもの時に備えて、医療保障やがん保障を終身型に切り替えておき、保険料の値上がりを防ぎながら将来の健康リスクに備えることを意識しましょう。

また、どちらか一方が病気や事故で亡くなった場合を想定して、遺族の生活費保障についても検討しておくことが大切です。

既婚・共働き世帯で子どもがいない60代女性におすすめの保険プラン
  • 医療保険(終身型)
  • がん保険(終身型)
  • 就業不能保険
  • 終身保険
  • 介護保険
  • 引受基準緩和型・無選択型(持病がある場合)

60代既婚・共働き世帯で子どもがいる場合

共働き世帯で独立していない子どもがいる60代女性は、子どもが独立するまでの生活費や教育資金を確保するために死亡保障を残しておく必要があります。

特に、定年退職を迎える年齢以降の主な収入源は公的年金に頼る形となります。「学資保険」や「養老保険」などに加入している場合は、少なくとも子どもが自立する年齢になるまでは加入し続けたほうが安心です。

それに加え、加齢に伴う健康リスクの増大といった問題もあるため、自分や夫の医療保障を充実させることも忘れてはいけません。

一方、子どもの自立後は過剰保障となってしまうため、生命保険の見直しで速やかに保障内容の削減とともに保険料の節約に努めましょう。

既婚・共働きで子どもがいる60代女性におすすめの保険プラン
  • 死亡保険(終身型)
  • 医療保険(終身型)
  • がん保険(終身型)
  • 就業不能保険
  • 収入保障保険
  • 介護保険
  • 引受基準緩和型・無選択型(持病がある場合)

60代既婚・専業主婦の場合

「がん治療にかかる医療費」で解説したように、60代以降の主な死因は男女ともに悪性新生物が上位を占めており、治療の長期化に伴い高額な医療費が発生する可能性が考えられます。

医療費補填や高額療養費制度などの公的医療保障は60代以降も心強い存在となりますが、一部の医療費(入院時の差額ベッド代や先進医療の技術料など)は全額自己負担で賄わなければなりません。

特に専業主婦で厚生年金の加入者期間がない場合、老後に受け取れる公的年金は国民年金(老齢基礎年金)のみで、直近数年間での平均受給月額は約5.6万円と非常に少額です。(参照:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)

今後はますます健康面での不安も大きくなるため、60代既婚で専業主婦の方は、万一の事態に備えて医療保障やがん保障を充実させておくことを検討しましょう。

また、夫の定年退職後は公的年金が主な収入源となり、世帯収入も大幅に減少します。今後は介護費用の問題も発生するため、早いうちから介護保険で将来のリスクに備えておくのがおすすめです。

60代既婚・専業主婦におすすめの保険プラン
  • 死亡保険(終身型)
  • 医療保険(終身型)
  • がん保険(終身型)
  • 就業不能保険
  • 収入保障保険
  • 介護保険
  • 引受基準緩和型・無選択型(持病がある場合)

60代女性が生命保険選びで後悔しないためのチェックリスト

最後に、6代女性が生命保険を選ぶ際、後悔しないためのチェックリストをご紹介します。

60代女性が生命保険選びで後悔しないためのチェックリスト
  • 保険で備えるべきリスクは?(病気・ケガの医療費、介護費用、もしもの時の死亡リスク、老後資金の確保など)
  • 備えるべきリスクに対応できる保険はどれ?(医療費への備えは医療保険やがん保険、介護費用への備えなら介護保険など)
  • 保険の保障内容に問題はない?(保障期間(定期型、終身型)、保険料の払込期間(短期払い、終身払い)など)
  • 必要保障額はどれくらい?(老後の収入や現在の貯蓄から公的保障を差し引いて、不足する分を保険金額に設定する)
  • 必要保障額の見直しはした?(すでに加入中の生命保険がある場合は必要保障額や保障期間の見直しを行う)

60代女性の方が生命保険の見直しを行う際は、自分や家族にとって本当に必要な保障がなにか?を明確にすることが大切です。

保険料の節約を意識するあまりに、本当に必要な保障まで削減してしまうと、後から同じ保障内容に戻すことができなくなってしまいます。

後から生命保険に加入し直すと、却って高い保険料を支払うことにもなりかねないため、生命保険の見直しをする際は慎重に検討することを心がけましょう。

自分や家族だけで適切な保障内容の判断が難しい場合には、お金のプロであるファイナンシャルプランナーへの無料相談を活用することも検討してみてください。

まとめ

60代を迎えると子育ても一段落し、今後の老後資金の貯蓄のために生命保険の見直しや解約を検討中の女性も多いことでしょう。

65歳以降の老後を迎えると、主な収入源として公的年金に頼る形になります。近年では公的年金の受給額が減少傾向にあるため、ゆとりある老後生活を送るために保険料の見直しは非常に大切なことと言えます。

しかし、保険料の節約を意識しすぎると、自分や家族にとって本当に必要な保障まで削減してしまうことになりかねません。

特に60代以降は老後資金の確保に加え、もしもの時の高額な医療費や介護費用に対して万全の準備を用意しておく必要があります。

生命保険での必要保障額は、今後の収入や現在の貯蓄状況、家族構成によって大きく異なります。生命保険の見直しが難しいと感じる場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談を活用することも検討してみてください。

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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。

オカネコ保険比較 編集部

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