50代男性は生命保険を毎月いくら払うと良い?
50代男性は、自分の健康面や家族のために生活保障を充実させつつ、いよいよ間近に迫った老後生活を見据えて、保険料の節約にも努めなければなりません。
そこで気になるのが「50代になったら毎月の生命保険料はいくらが妥当か」という点です。
詳細については後述しますが、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」を参照すると、50代の生命保険(全生保)の平均保険料は男性が21,250円、女性が15,833円、全体平均が18,000円となっています。
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
50代は健康リスクの増大に伴う医療費負担の増加、万一の事態が発生した際の死亡リスクなどが高くなるため、他の年代に比べて50代の平均払込保険料は高くなる傾向にあります。
一方、生命保険は保障内容を手厚くするに従って保険料も値上がりしていきますが、収入面や家族構成によって必要保障額はそれぞれ異なります。
世帯ごとに適切な保険料の金額は異なるので、生命保険文化センターの調査結果を参考にして、本人年収やライフステージ別の平均保険料についても確認しておきましょう。
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
一般的な生命保険の保険料は、年収の5〜7%の金額を目安にするのが良いと言われています。年収800万円の50代男性なら、年間で約40万円〜56万円、月額平均で33,333円〜46,667円程度に抑えるのがおすすめです。
現に、生命保険文化センターが全国の世帯員2人以上の世帯を対象とした「生命保険に関する調査」を参照すると、世帯主年齢別の世帯年収で50〜54歳が761万円、55〜59歳が774万円となっており、世帯年間払込保険料(全生保)は、50〜54歳が432,300円、55〜59歳が435,900円で、およそ5〜7%の間に収まる結果となっています。
家族の有無や配偶者の分を含む世帯収入によって必要保障額は大きく変動しますが、上記の調査結果を目安にしながら保険料を設定するのが良いでしょう。
自分や家族だけでは必要保障額の判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談を活用することも検討してみてください。
SBI生命
メディケア生命
チューリッヒ生命
※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
50代男性の生命保険加入状況
この項目では、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」より、50代男性の生命保険の加入状況を紹介します。
50代男性の中には、すでに生命保険に加入中の方も大勢いることと思います。
生命保険はライフステージの変化に応じて保障内容の見直しを行う必要があり、特に50代男性はいよいよ間近に迫った老後の生活を意識して、今のうちから保険料を節約することが大切です。
年代別の平均保険金額や平均保険料についてまとめているので、生命保険の見直しや新規加入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
50代男性の加入率
※18~19歳の内容を省略しています
参照:生命保険加入率|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:疾病入院給付金の有無(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
令和4年度における年代別の生命保険加入率を見ると、全生保の場合は86.9%、医療保険の場合は70.9%と、非常に多くの50代男性が生命保険に加入していることがわかります。
また、生命保険(全生保)と医療保険のどちらにおいても、全年代の平均加入率の中で男女ともに50代が最も高い加入率となっています。
性別による加入率の差は、生命保険(全生保)はほぼ同水準ですが、医療保険に関しては男性よりも女性のほうが加入率は高めです。
50代は老後を強く意識し始める年代で、世帯によっては成人していない子どもがいる場合や、住宅ローンの支払いが続いている世帯もあるでしょう。
何かと支出が多い年代のため、もしもの時の経済的なリスクに備えて、多くの50代男性が生命保険に加入しているものと考えられます。
50代男性の保険料の平均
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
年代別に生命保険の平均払込保険料を見ると、50代男性は年間25.5万円(月額21,250円)、女性は年間19.0万円(月額15,833円)の保険料を支払っていることがわかります。
一般的に、保障内容を手厚くするほど生命保険の保険料は高くなる傾向にあるため、女性よりも男性のほうが保障内容を充実させている世帯が多いものと考えられます。
また、全年代で比較すると、男女ともに平均払込保険料は50代が最も高い金額です。
子どもの教育費や住宅ローンの返済など、50代は何かと支出が多い年代なので、死亡リスクや健康リスクに備えて保障内容を充実させている世帯が多いことが伺えます。
50代男性の保険金額の平均
※18~19歳の内容を省略しています
参照:生命保険加入金額(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
参照:疾病入院給付金日額(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
令和4年度における年代別の平均保険金額を見ると、50代男性は全生保の平均保険金額が1,629万円、女性が737万円となっています。
年代別で比較した場合は30代が最も保険金額の平均が高い結果となっており、妊娠・出産やマイホームの購入など、大きなライフイベントのタイミングで保障を手厚く備える世帯が多いものと考えられます。
一方、医療保険の平均保険金額(日額)は、50代男性が10,883円、女性が8,669円となっており、全年代を通して50代が最も高い結果となっています。
40代以降は生活習慣病やがんの罹患リスクが高くなり、健康面でのリスクが大きく増大し始めます。それに伴い、もしもの時の高額な医療費に備えて、さらに医療保障を充実させる50歳代が多いことが伺えます。
50代男性が生命保険で備えるべきリスクは?
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、50代男性における直近5年間の生命保険の加入目的の割合は、次の通りとなっています。
参照:直近加入契約の加入目的|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
上記の結果を参考にすると、50代男性が生命保険で備えるべきリスクは主に次の3種類が挙げられます。
この項目では、公開されている統計データを参考にしながら、これら3つのリスクについて解説します。
医療機関の受療率増加に伴う医療費リスク
厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、年齢別の受療率は次の通りです。
医療機関の受療率(人口10万対)(令和2年) | |||
---|---|---|---|
年齢 | 総数 | 入院 | 外来 |
20代 | 5,352人 | 339人 | 5,013人 |
30代 | 6,720人 | 503人 | 6,217人 |
40代 | 7,842人 | 618人 | 7,225人 |
50代 | 10,540人 | 1,142人 | 9,398人 |
60代 | 16,166人 | 2,102人 | 14,064人 |
70代 | 24,924人 | 3,748人 | 21,176人 |
80代 | 30,444人 | 7,868人 | 22,575人 |
90代以上 | 15,930人 | 6,682人 | 9,248人 |
参照:表4 性・年齢階級別にみた受療率(人口10万対)|2 受療率|令和2年(2020)患者調査の概況|厚生労働省
一般的に、年齢を重ねていくと体調不良などの様々な理由から、医療機関の受療率が増加する傾向にあります。上記の調査結果を見ると、特に50代から受療率が大きく上昇し始めており、以降も医療機関の受療率は右肩上がりで上昇していきます。
一方、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、令和4年度における直近5年以内の入院患者が負担した1日あたりの医療費は平均20,700円、50代の平均入院日数は14.7日です。
単純に計算すると、50代男性が負担する入院時の医療費は約30.4万円と非常に高額です。さらに、これらの金額は公的医療保険の適用後における自己負担額の平均なので、基本的に収入や貯蓄から賄うことになります。
以降も受療率は上昇していき、それに伴いさらに医療費が高額化することが予想されます。生命保険に加入していれば、もしもの時の高額な医療費にも備えられるので安心です。
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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
50代の死亡率が高い三大疾病の発症リスク
厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、50代の主な死因は次の通りとされています。
50代の男女別の主な死因(令和4年) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 男性 | 女性 | ||||
50〜54歳 | 55〜59歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | |
1位 | 悪性新生物(82.4%) | 悪性新生物(140.9%) | 悪性新生物(76.0%) | 悪性新生物(150.8%) | 悪性新生物(89.0%) | 悪性新生物(131.0%) |
2位 | 心疾患(30.5%) | 心疾患(47.4%) | 心疾患(49.0%) | 心疾患(76.5%) | 自殺(14.1%) | 心疾患(18.2%) |
3位 | 自殺(23.3%) | 脳血管疾患(26.0%) | 自殺(32.3%) | 脳血管疾患(36.6%) | 脳血管疾患(12.7%) | 脳血管疾患(15.3%) |
4位 | 脳血管疾患(19.8%) | 自殺(22.8%) | 脳血管疾患(26.7%) | 自殺(31.6%) | 心疾患(11.6%) | 自殺(13.9%) |
5位 | 肝疾患(13.2%) | 肝疾患(18.4%) | 肝疾患(21.0%) | 肝疾患(29.6%) | 肝疾患(5.3%) | 肝疾患(7.1%) |
参照:第7表 死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)・死因順位別|令和4年(2022)人口動態統計月報年型(概数)の概況|厚生労働省
50代に突入すると、日本人の死因割合で上位を占める三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の発症リスクが増大します。これらの病気は長期間の治療が必要で、それに伴い医療費も高額化しやすいことが特徴です。
国立研究開発法人国立がん研究センターの「最新がん統計(2019年データに基づく)」によれば、日本人の2人に1人は一生のうちにがんと診断される可能性があるとされており、がんに対する保障は手厚くしておく必要があります。
たとえば、厚生労働省の「医療給付実態調査」を参照すると、がん治療における部位別の平均費用は以下の通りです。
【入院】がん治療における部位別の平均費用(令和3年度) | ||||
---|---|---|---|---|
傷病名 | 入院 | |||
項目 | 1件あたりの医療費総額 | 1件あたりの自己負担(3割) | 1件あたりの平均日数 | 1日あたりの自己負担(3割) |
胃がん | 667,620 円 | 200,286円 | 11.6日 | 17,292円 |
結腸がん | 673,787円 | 202,136円 | 10.9日 | 18,585円 |
直腸がん | 784,293円 | 235,288円 | 11.7日 | 20,036円 |
肝がん | 657,694円 | 197,308円 | 10.7日 | 18,472円 |
肺がん | 730,616円 | 219,185円 | 11.3日 | 19,418円 |
悪性リンパ腫 | 1,072,335円 | 321,701円 | 15.2日 | 21,134円 |
白血病 | 1,765,683円 | 529,705円 | 18.7日 | 28,334円 |
その他の悪性新生物 | 676,464円 | 202,939円 | 11.1日 | 18,233円 |
良性新生物及びその他 | 581,307円 | 174,392円 | 7.9日 | 21,981円 |
※1件あたりの平均日数は、日数÷件数で計算された結果の小数点第一位を四捨五入した数値を記載しています
※点数は1点=10円で計算し、自己負担分は現役世代の3割負担で計算を行っています
参照:令和3年度医療給付実態調査(表番号5 統計表第3表)|厚生労働省
がん治療の入院費用における1日あたりの自己負担額は、概ね2万円前後となっています。
また、がん治療は入院前や退院後にも継続して通院治療を受ける必要がある場合もあり、部位によって金額は異なるものの、通院治療時にも数千円〜数万円程度の医療費がかかります。
日本では公的医療保険が充実しているため、医療費の1〜3割負担で高度な医療を受けられますが、医療機関を受診する機会が増えたり治療期間が長引くと、その分に応じて自己負担額も積み重なっていきます。
上記の死因順位を見ても、特に「悪性新生物(がん)」に対しては生命保険で手厚い保障を備えておく必要があると言えるでしょう。
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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
間近に迫った老後生活の金銭リスク
50代になると、いよいよ間近に迫った老後生活の金銭リスクについても考慮しておかなければなりません。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以降の老後に必要とされる1カ月あたりの平均的な生活費は、次の結果となっています。
老後に必要な1ヶ月あたりの生活費(令和4年度) | ||
---|---|---|
項目 | 独身(単身) | 夫婦 |
食料 | 37,485円 | 67,776円 |
住居 | 12,746円 | 15,578円 |
光熱・水道 | 14,704円 | 22,611円 |
家具・家事用品 | 5,956円 | 10,371円 |
被服および履物 | 3,150円 | 5,003円 |
保健医療 | 8,128円 | 15,681円 |
交通・通信 | 14,625円 | 28,878円 |
教育 | 0円 | 3円 |
教養娯楽 | 14,473円 | 21,365円 |
その他の消費支出 | 31,872円 | 49,430円 |
上記合計(消費支出) | 143,139円 | 236,696円 |
非消費支出(税金や保険料など) | 12,356円 | 31,812円 |
総合計 | 155,495円 | 268,508円 |
参照:2022年(令和4年)家計の概要19ページ|家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)|総務省統計局
上記の結果を見ると、独身世帯で約16万円、夫婦世帯で約27万円の生活費が必要であることがわかります。
一方、厚生労働省が公開する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、自営業やフリーランス、専業主婦が受け取れる国民年金は約5.6万円、会社員や公務員が受け取れる厚生年金は約14.4万円となっています。
各年金受給権者の平均年金月額の推移(令和4年) | ||
---|---|---|
年度 | 国民年金 | 厚生年金(国民年金を含む) |
平成30年度 | 55,708円 | 143,761円 |
令和元年度 | 55,946円 | 144,268円 |
令和2年度 | 56,252円 | 144,366円 |
令和3年度 | 56,368円 | 143,965円 |
令和4年度 | 56,316円 | 143,973円 |
公的年金は加入期間や年収額(会社員の場合)などによって受給額が大きく異なります。
とはいえ、これらの調査結果を踏まえると、公的年金だけでは老後の生活資金を賄うことができず、それまでの貯蓄を取り崩しながら生活を送る必要があることがわかります。
子どもの独立や住宅ローンの完済、会社によっては役職定年の存在など、50代は様々なライフイベントが起きやすい年代です。
その時々のライフステージに合わせて生命保険の見直しを行い、保険料やその他の出費を節約しながら、老後の生活資金に備えておく必要があります。
50代男性の生命保険の選び方・見直し方
50代男性が生命保険を検討する際の選び方や見直し方は、次のポイントを意識するのがおすすめです。
それぞれのポイントを解説するので、50代男性でこれから生命保険の見直しをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
病気のリスクに備えて医療保障を充実させる
「医療機関の受療率増加に伴う医療費リスク」の項目で解説したように、50代に突入すると健康リスクの増大に伴い、高額な医療費が発生する場合があります。
日本では原則1〜3割の医療費を負担するだけで、場所を問わずどこでも高度な医療を受けられますが、医療機関を受診する機会が増えればその分に応じて自己負担額が積み重なり、高額な医療費が家計を圧迫する要因となります。
1カ月あたりの医療費が自己負担限度額を超過した場合に利用できる「高額療養費制度」もありますが、年齢や所得要件によって限度額に差があり、事前申請をしないと払い戻しまでに時間がかかるなどの欠点もあります。
また、差額ベッド代や入院中の生活費(食事代や交通費など)、先進医療や自由診療における医療費などは公的医療保険の対象外なため、これらの費用全額を自己負担で賄わなければなりません。
長期入院ともなれば入院費用が高額となり、がん治療で選択されることが多い先進医療を受けることになれば、さらに高額な技術料の支払いが必要です。
50代の方は老後の生活資金を意識して、貯蓄や節約にも取り組む必要があります。生命保険(医療保険)の保障内容を充実させておけば、もしもの時の高額な医療費を保険金でカバーすることができます。
特に50代はがんの罹患リスクも増大するため、がんと診断された際に手厚い保障を受けられるがん保険の保障内容を見直すことが大切です。
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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。
ライフステージに合わせて必要保障額の見直しを行う
50代に突入すると、子どもの独立や住宅ローンの完済などの様々な理由から、生命保険(死亡保険)での必要保障額が減少する世帯が増加します。
たとえば、妊娠や出産をきっかけに加入した生命保険は、子どもの生活保障を考慮した保険金額となっているため、子どもの独立後は保障が過剰となり保険料を無駄に支払い続けることにもなりかねません。
反対に、今後も子どもの教育資金や住宅ローンの返済など、継続して大きな支出を伴う場合は、長期入院による高額な医療費や万一の事態に備えて必要保障額を充実させておく必要があります。
死亡保険を見直す際、不要な保障を削減する場合は「解約」や「減額」、保障を残しつつ保険料の負担を抑えたい場合は「払い済み」といった選択肢が挙げられます。
ただし、必要保障額の見直しを行うと、後から全く同じ契約内容(保険料や保障内容など)に戻すことはできません。
一般的に、年齢を重ねるにつれて保険料は値上がりしていき、加入時の健康状態によっては生命保険への加入を断られてしまう場合もあります。
生命保険の見直しを行う際は、お金のプロであるファイナンシャルプランナーの無料相談を活用するなどして、必要保障額について慎重に検討することを心がけましょう。
資産形成を意識して「貯蓄型保険」を活用する
65歳以降の主な収入源は公的年金となりますが、「間近に迫った老後生活の金銭リスク」で解説した通り、国民年金や厚生年金だけに頼っていてはゆとりある老後生活を送ることは難しいと言わざるを得ません。
まずは日本年金機構などから送付される「ねんきん定期便」で年金受給額を確認し、現在の貯蓄額や予想される今後の支出額を照らし合わせて、老後生活における不足分を計算してみましょう。
これまでの貯蓄だけで不十分な場合は、加入中の生命保険の見直しを行い、必要な保障を残しながらも保険料の節約に努める必要があります。
また、生命保険を見直す際は、資産形成を意識して「終身保険」や「個人年金保険」などの貯蓄型保険を活用することも視野に入れておきましょう。
老後資金の準備手段として挙げられる「変額保険」や「外貨建て保険」は、大きなリターンが期待できる一方、価格変動リスクがつきもので、場合によっては損失が出てしまう場合もあるので注意が必要です。
50代男性におすすめの生命保険プラン
50代男性が生命保険を検討する場合、自身や家族の健康面、老後の生活資金を確保する視点を持つことが大切です。
この項目では、50代男性におすすめの生命保険プランをライフステージ別に解説するので、ぜひ参考にしてください。
50代独身男性の場合
50代独身男性は、病気やけがなどで発生する高額な医療費や長期入院時の収入減少に備えて、医療保険やがん保険で医療保障を充実させておくのがおすすめです。
特に、65歳以降の老後においては、収入が減少する一方、医療費が積み重なり家計の負担が大きくなることが予想されます。
基本的には今後も医療保険には加入し続けることになるため、一度加入すれば一生涯に渡って保障が続く終身タイプを検討するようにしましょう。
就業不能保険は、働けない期間が生じることによる収入減少に備えるための生命保険です。
自営業やフリーランスの方は公的保障が不足しがちで、会社員のような傷病手当金(健康保険から支給される公的保障)もないため、医療保険やがん保険とあわせて検討しておきたい保険商品と言えます。
また、公的年金以外の方法で老後の収入を増やすためにも、終身保険や個人年金保険などの貯蓄型保険を検討し、資産形成にも取り組むことを意識しましょう。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 終身保険
- 個人年金保険
50代既婚・共働き世帯で子どもがいない場合
50代男性で共働き世帯の場合、自身やパートナーの医療保障を充実させることに重きを置きましょう。
50代は様々な病気の発症リスクが高まる年代のため、現在は健康面に不安もなく元気に働けている状態であっても、いつ働けなくなるかは予測ができません。
万一の事態に備えて医療保険やがん保険の保障を充実させておくと、もしもの時に高額な医療費が発生しても安心して治療に専念できます。
病気や事故で死亡した後のことを考慮して、葬儀代や遺品整理費用、パートナーの生活費など、必要最低限の死亡保障を備えておくことも大切です。
また、今後の老後生活を意識して、終身保険や個人年金保険などの貯蓄型保険を積極的に取り入れることも検討してみましょう。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 終身保険(死亡保険)
- 個人年金保険
50代既婚・妻が専業主婦で子どもがいない場合
妻が専業主婦で子どもがいない50代男性は、自分の死後を想定して、妻が生活に困らないだけの死亡保障を備えておく必要があります。
死亡保険金は、妻が必要とする生活費から、公的年金で保障される遺族厚生年金を差し引いた不足分を設定するのがおすすめです。
50代は健康面のリスクが大きく上昇する年代でもあるため、万一の長期入院に備えて医療保障やがん保障を手厚くすることも検討しなければなりません。
一方、間近に迫った老後生活に向けて、保険料を節約する努力も必要です。自分や妻だけで適切な保障内容を判断できない場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談も活用しましょう。
- 死亡保険
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 個人年金保険
50代既婚・共働き世帯で子どもがいる場合
50代に突入すると、子どもが成長して高校生や大学生の年齢になっている世帯も多いことでしょう。公立や私立などの違いで必要な学費は異なりますが、一般的には子どもの成長とともに教育資金も高額となります。
健康リスクが増大する50代男性は、両親にもしものことがあっても、子どもが生活に困らないだけの死亡保障を備えておく必要があります。
また、病気やけがで働けなくなると収入が減少してしまう可能性もあるため、医療保険やがん保険などの医療保障を充実させておくことも大切です。
一方、子どもが大きく成長し、独立するまでの期間が短い場合は、死亡保障の見直しで保険料を節約することも検討しましょう。
特に、子どもが生まれるタイミングで加入した生命保険は、子どもの生活を守ることを意識した保険金額となっているケースが多く、子どもの独立後は保障が過剰となっている場合があります。
今後は自身の老後資金を確保することが重要となるため、本当に必要な保障だけを残して保険料を節約することに努めましょう。
- 死亡保険(終身保険)
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 個人年金保険
50代既婚・妻が専業主婦で子どもがいる場合
妻が専業主婦で扶養する子どもがいる50代男性は、自身の死亡保障や医療保障を充実させることが必要不可欠となります。
自身の収入で家族の生活を支えているため、もしものことが起こってしまうと遺族が生活に困る事態に陥ってしまいます。
生命保険で死亡保障を備える場合は、遺族基礎年金や遺族厚生年金などの公的保障を考慮して、遺族の必要保障額の不足分を補う形で保険金額を設定するのが良いでしょう。
日本年金機構によると、令和6年4月分からの遺族基礎年金の年金額は、配偶者が受け取る場合は813,700〜816,000円+子の加算額となっています。
遺族基礎年金の年金額(令和6年4月分から) | ||
---|---|---|
遺族基礎年金の受給者 | 年金額 | |
配偶者 | 昭和31年4月2日以後生まれ:816,000円+子の加算額 昭和31年4月1日以前生まれ:813,700円+子の加算額 | |
子ども | 816,000円+2人目以降の子の加算額 ・1人目および2人目の子の加算額:各234,800円 ・3人目以降のこの加算額:各78,300円 |
遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分によって金額が変動するため、正確な金額については最寄りの年金事務所で確認しておきましょう。
一方、長期入院で働けなくなると、高額な医療費に加えて収入減少の問題も発生してしまいます。
医療保険やがん保険、就業不能保険などを活用し、万一の事態が発生した時でも家族が生活に困ることのないように保障を手厚く備えておくのがおすすめです。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 学資保険(子ども保険)
- 個人年金保険
50代男性が生命保険選びで後悔しないためのチェックリスト
この項目では、50代男性が生命保険を選ぶ際、後悔しないためのチェックリストをご紹介します。
- 今後想定されるライフイベント:子どもの自立、住宅ローンの完済、役職定年や定年退職など
- 保険で備えるべきリスク:病気やけがの医療費、もしもの時の死亡リスク、老後資金の確保など
- リスクに対応可能な保険:医療費への備えは「医療保険」や「がん保険」、死亡時のリスクは「終身保険」など
- 保険の保障内容:保障期間(定期型、終身型)、保険料の払込期間(短気払い、終身払い)など
- 必要保障額の設定:公的保障を差し引いた不足分を補填する形で保険金額を設定する
- 必要保障額の見直し:加齢に伴い保険料が値上がりするため、見直しの際は慎重に検討する
- 貯蓄型保険の活用:老後の生活資金を準備するために終身保険や個人年金保険などを検討する
50代男性が生命保険を検討する際は、今後想定されるライフイベントと保険で備えるべきリスクを明確にした上で、それらに対応可能な生命保険を比較するのが良いでしょう。
たとえば、病気やけがの医療費に備えたいなら「医療保険」や「がん保険」、もしもの時の遺族への生活保障が必要なら「死亡保険」を検討する必要があります。
また、現在の生活を守る観点に加え、50代男性は来たるべき老後生活に備えて、老後の生活資金を確保することも意識しなければなりません。
「終身保険」や「個人年金保険」などを活用して、老後資金の準備に取り組むことも心がけましょう。
まとめ
50代男性は、以下の3つのリスクに備えるためにも生命保険の必要性が高い年代と考えられます。
50代は健康リスクが増大することから、医療費負担やもしもの時の死亡リスクが高くなります。そのため、他の年代よりも生命保険の払込保険料は高くなる傾向にあります。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、50代の生命保険(全生保)の平均保険料は男性が21,250円、女性が15,833円、全体の平均は18,000円です。
参照:年間払込保険料(全生保)|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
ただし、生命保険の必要保障額は家族の有無や子どもの年齢、働き方や収入状況によって大きく異なります。
生命保険の新規加入や見直しを検討中の50代男性は、上記の金額を参考にしながら慎重に保障内容を検討するようにしましょう。