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がん保険の先進医療特約は必要? 付帯前に確認するポイントを分かりやすく解説

記事更新日: 2024年11月06日がん保険の先進医療特約は必要? 付帯前に確認するポイントを分かりやすく解説

監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
軽部 良典
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員一種・二種

先進医療とは

公的医療保険の対象外とされる治療法のうち、厚生労働大臣によって有効性や安全性が認められ、保険給付の対象とするか評価段階にあるものについては「先進医療」と呼ばれています。

日本の保険診療では、保険外診療との併用(いわゆる混合診療)が原則として禁止されています。

具体的に説明すると、公的医療保険の対象となる治療法と対象外の治療法の併用が認められていないということです。

併用する場合は全体が自由診療とみなされ、本来であれば医療費の1〜3割負担で済む支払い(診察費や検査代など)に関しても全額自己負担となってしまいます。

先進医療は自由診療と同じく自己負担となりますが、施設基準に該当する医療機関で受ける先進医療については、保険診療との併用が認められています。

そのため、診察代や検査代、入院料といった通常の治療と共通する部分の医療費については公的医療保険が適用され、患者の医療費負担が軽減される仕組みとなっています。

監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
軽部 良典
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員一種・二種

先進医療とは、厚生労働省が認定した高度で専門的な医療技術を用いた治療のことを指します。具体的には、がんの治療に使われる重粒子線治療や陽子線治療などが先進医療に該当します。

先進医療の技術料は全額自己負担のため医療費は高額になることが多いですが、保険診療と組み合わせて利用できるため、先進医療にかかる費用だけが自己負担になります。

例えば、入院や検査、薬剤費用などは保険適用される場合が多いです。先進医療に該当となる治療方法は厚生労働省で一定期間ごとに見直しされます。

主な先進医療の種類

先進医療は、大きく分けると「先進医療A」と「先進医療B」の2種類があります。

先進医療Aと先進医療Bの違い
項目内容先進医療技術の一例
先進医療A(第2項先進医療技術)1. 未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く)
2. 以下のような医療技術であって、当該検査薬等の使用による人体への影響が極めて小さいもの
 (1)未承認等の体外診断薬の使用又は体外診断薬の適応外使用を伴う医療技術
 (2)未承認等の検査薬の使用又は検査薬の適応外使用を伴う医療技術
・陽子線治療(頭頸部、肺、消化管、肝胆膵などの腫瘍)
・重粒子線治療(肺、消化管、肝胆膵、被納期、乳腺・婦人科などの腫瘍)
・抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査(悪性脳腫瘍) など
先進医療B(第3項先進医療技術)※旧“高度医療”3. 未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴う医療技術(2に掲げるものを除く)
4. 未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの
・インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法(成人T細胞白血病リンパ腫)
・腹腔鏡下センチネルリンパ節生検(早期胃がん)
・重粒子線治療(非小細胞肺がん)など
参照:先進医療 A 及び先進医療 B の分類に係る考え方について(案)|厚生労働省
参照 : 厚生労働省HP 先進医療の各技術の概要 令和6年4月1日現在

先進医療に該当する医療技術は日々進歩しており、それに伴いそれぞれの評価結果は一定期間ごとに見直しが行われています。

先進医療Aと先進医療Bに該当する技術名は厚生労働省の「先進医療の各技術の概要」で確認可能で、2024年4月1日現在では全80種類の治療法が先進医療に該当します。

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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。

先進医療にかかる費用の目安

先進医療は難病の治療法や手術として研究・開発されたばかりの比較的新しい医療で、その費用は非常に高額です。

生命保険文化センターが公開する先進医療の例を参考に、先進医療にかかる費用の目安を確認してみましょう。

先進医療の例と費用の目安
先進医療技術技術料(1件当たり平均額)平均入院期間年間実施件数
陽子線治療2,659,010円15.6日824件
重粒子線治療3,135,656円4.2日462件
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査37,514円50.6日202件
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)28,140円2.7日844件
細胞診検体を用いた遺伝子検査80,522円4.3日282件
内視鏡的胃局所切除術210,717円8.6日37件
子宮内膜受容能検査1130,409円4,847件
参照:中央社会保険医療協議会「令和5年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」
技術料(1件当たり平均額)は参照先の先進医療総額(円)÷年間実施件数(件)で計算

がん治療で選ばれることが多い先進医療の1件あたりの技術料は、陽子線治療で約266万円、重粒子線治療で約314万円と非常に高額です。

これらの費用は全額自己負担で賄わなければならず、入院費用やその他の支払いも発生するため、患者にとって非常に負担の大きい治療法と言えます。

また、国立がん研究センターの統計2019年データによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.5%、女性が51.2%と非常に高い数値となっています。

誰もががんに罹患する可能性は十分に考えられるため、もしもの時の高額な医療費への備えを準備しておかなければなりません。

先進医療特約の保障範囲

医療保険・がん保険の先進医療特約の保障範囲

先進医療における高額な技術料に備える方法として「先進医療特約」が挙げられます。

先進医療特約は、医療保険やがん保険の主契約に対して、先進医療に特化した保障を上乗せできるオプションのイメージです。

近年では2,000万円を保障額の上限とする先進医療特約が一般的で、経済的な負担の緩和が期待できるため、がん治療の選択の幅を広げることができます

なお、医療保険とがん保険はそれぞれで保障範囲が異なりますが、どちらに先進医療特約を付帯するかによって特約部分の保障範囲も変わります。

医療保険に先進医療特約を付帯した場合は、がんを含む病気やケガ全般の先進医療が対象となりますが、がん保険に特約を付帯した場合、保障対象はがんの治療における先進医療に限定されてしまいます。

先進医療特約を付帯する場合は、医療保険とがん保険のどちらに付帯すべきか冷静に判断することを心がけましょう。

監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
軽部 良典
公的保険アドバイザー / 2級FP技能士 / 証券外務員一種・二種

先進医療特約は医療保険に付帯することもできれば、がん保険に付帯することもできます。ただし、何の保険に付帯するかによって先進医療の対象範囲が変わってきます。

医療保険に付帯された場合は、がん以外の先進医療も含めた先進医療をカバーすることができますが、がん保険に付帯した場合はがんによる先進医療しかカバーがされません。

先進医療の特約を付帯される場合は、ご自身がどの保障までお持ちになるかを確認して付帯することをおすすめいたします。

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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。

先進医療特約を付帯する前に確認すべきポイント

実際に先進医療特約を付帯する前に、次の3つのポイントを確認しておきましょう。

特約の重複に注意する

先進医療特約を付帯する際は、特約の重複に気をつけましょう。

ひとつの保険会社で複数の保険(医療保険とがん保険など)に加入している場合、先進医療特約を付帯できるのはいずれか1つのみです。

先にも述べた通り、がん保険に先進医療特約を付帯すると、がん治療における先進医療しか保障対象に含まれません。

そのため、医療保険とがん保険のどちらで先進医療特約を付帯すべきか迷った時は、保障範囲を広げられる医療保険に付帯するのがおすすめです。

責任開始日に注意する

先進医療特約を付帯する際には、加入中のがん保険や先進医療特約の「責任開始日」に注意しましょう。

責任開始日とは、簡単に説明すると「保険契約の保障が始まる日」のことで、次の3つの要件を完了した日を指します。

責任開始日(以下3つの要件をすべて満たした日)
  • 保険契約の申し込み
  • 告知・診査
  • 一度目の保険料の払い込み

    ※ 生命保険会社によっては、保険料の払い込みを口座振替またはクレジットカードにする取扱いがあり、その場合は一度目の保険料の払い込みを待たずに保障が開始される

がん保険の場合は90日(3カ月)の免責期間を設けているケースが多く、先進医療特約の場合は保険会社ごとに異なる免責期間が設けられています。

責任開始日を迎えるまでは一切の保障を受けられないので、先進医療特約を付帯する際は気をつけましょう。

給付を受け取れる治療か確認する

先進医療特約による保障を受けるには、次の3つの条件に該当する先進医療を受ける必要があります。

先進医療特約の保障を受けるための条件
  1. 厚生労働大臣が定める医療技術であること
  2. 医療技術ごとの要件を満たす適応症の治療であること
  3. 所定の基準を満たす医療機関で先進医療を受けること

主な先進医療の種類」でお伝えしたように、先進医療に該当する技術は一定期間ごとに見直しが行われています。

先進医療特約に加入した当時は先進医療に該当した技術でも、実際に治療を受ける際には先進医療の対象外となっている可能性もあります。

場合によっては先進医療特約からの給付を受けられない可能性があることを理解しておきましょう。

監修者 株式会社400F オンラインアドバイザー
軽部 良典
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先進医療は重複してお持ちであったとしても、どちらか一方しか利用することはできません。そのため、先進医療特約を付帯される際には、加入している保険に先進医療特約が付帯されていないか必ず確認することをおすすめします。

同じ保険会社の場合、先進医療特約は複数の保険に付帯することはできませんが、別の保険会社の場合、先進医療特約を重複でお持ちになることはできます。そのため、知らず知らずに先進医療特約を複数お持ちになっているケースもあります。

先進医療の通算金額を2,000万以上持っておきたいというご意向でなければ、重複してお持ちになるメリットはないため、加入する前に先進医療の付帯状況を確認しておきましょう。

まとめ

先進医療は、厚生労働大臣によって有効性や安全性が認められた「公的医療保険の対象外となる治療法」のことです。

がん治療においては陽子線治療や重粒子線治療などが先進医療に該当し、これらの治療を受ける場合、その技術料は全額自己負担で賄わなければなりません。

先進医療は研究・開発されたばかりの新しい治療法であるため、一度の治療で数百万円以上の自己負担が発生する可能性があります。

がんの治療は長期化しやすく、先進医療以外にも多額の治療費が発生する可能性が高いので、がん治療の選択の幅を広げる意味でも先進医療特約を活用して備えを準備しておくことをおすすめします。

なお、先進医療特約は医療保険とがん保険のどちらでも付帯できますが、ひとつの保険会社で先進医療特約に重複加入することはできず、付帯した保険によって保障範囲が変わってしまう点には気をつけましょう。

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※調査概要:申込数をもとに算出。オカネコ保険比較調べ、集計期間:2024/09/16〜2024/10/15(申込数が同数の場合は、資料請求数と各社ソルベンシーマージン比率をもとに算出)
※ご検討にあたっては、「商品パンフレット」・「契約概要・注意喚起情報」・「ご契約のしおり・約款」等を必ずご確認ください。

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