韓国・台湾旅行に海外保険は必要?保険の必要性と自分に合った選び方を解説

日本から近く、人気の観光スポットが多い韓国や台湾は、日帰りで旅行を楽しむ方がいるほど、身近な旅行先として親しまれています。

そんな韓国や台湾旅行に行く際、海外旅行保険に加入すべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、韓国や台湾などの日本から近い場所や滞在日数が短い旅行の場合でも、海外旅行保険は必要です。

海外でのトラブルは跡を絶たず、数百万円以上の損害額が発生した事例も存在します。安心して韓国・台湾旅行を楽しむためにも、海外旅行保険は積極的に検討しましょう。

本記事では、韓国・台湾旅行をする際の海外旅行保険の必要性、ご自身に合う保険の選び方をわかりやすく解説します。

目次

韓国・台湾旅行に海外旅行保険は必要?

冒頭でもお伝えしたとおり、韓国や台湾などの日本から近い人気の観光スポットへ旅行をする際も、海外旅行保険は必要です。

海外旅行保険は、旅行先での予期せぬトラブルに遭遇した際の金銭的なリスクを補償する保険商品です。保険会社や商品によって内容は異なりますが、主に以下のサービスを受けられます。

海外旅行保険の補償内容の一例

  • 旅行中の病気やケガ(交通事故など)の診療費・入院費・治療にかかる諸費用(交通費や通訳雇入れ費用など)
  • 盗難や偶然の事故による携行品の損害補償
  • 旅行中に誤って他人にケガを負わせた場合の損害賠償保険

外務省が公開する「海外邦人援護統計」では、海外の地域別にまとめた「日本人が当事者となったトラブルの発生件数」を公開しています。

地域別 援護件数(2022年)
総件数アジア大洋州北米中南米欧州中東アフリカ
事故・災害94件16件3件3件5件53件2件12件
犯罪加害116件56件5件17件1件25件0件12件
犯罪被害1,122件142件16件88件48件700件31件97件
その他13,122件4,547件398件3,166件398件3,897件319件397件
総数14,454件4,761件422件3,274件452件4,675件352件518件
※本統計は、在外公館で把握している邦人援護事案のみを集計しており、海外で邦人が関係した全ての事件・事故等を網羅したものではなく、海外で発生した事件・災害等の件数を表すものではありません
※「事故・災害」、「犯罪」及び「その他」は、海外の邦人(事案当事者)に対して在外公館が実際に邦人援護を行った件数及び新型コロナウイルス感染症関連を含む安全対策に係る情報発信の件数を計上しています
参考:2022年(令和4年)版|海外邦人援護統計|外務省海外安全ホームページ

地域別に見ると、韓国や台湾を含むアジア地域では「傷病」による援護案件が多く発生していることがわかります。

海外旅行保険に加入していれば、もしものときの高額な医療費に対する補償を備えられるので、医療費による経済的なリスクを最小限に抑えられるでしょう。

また、海外旅行保険は「旅行のために自宅を出発してから帰宅するまで(旅行行程中)」が補償期間です。旅行行程中であれば国内で発生した事故についても補償を受けられます。

クレジットカードの付帯サービスでは不十分?

クレジットカードは、発行会社や種類によって海外旅行保険が付帯している場合があります。

旅行先で万一のトラブルに遭遇しても、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを持っていれば、一定の補償を受けられますが、クレジットカード付帯の海外旅行保険には以下の注意点が存在します。

クレジットカード付帯の海外旅行保険の注意点

  • 利用付帯と自動付帯の2種類がある
  • 補償範囲が狭く、保険金額が不十分な場合がある
  • 複数のクレジットカードを持っていても、死亡・後遺障害保険金額は合算されない(最も高額に設定されている保険金額が適用される)
  • 基本的に補償を受けられるのは当該クレジットカードの保有者のみ
  • 家族が補償を受けるには家族カードや家族特約を付帯する必要がある

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社が販売する海外旅行保険に比べて補償範囲がやや限定的です。

また、保険金額の上限も低めに設定されているため、旅行先でトラブルに遭遇しても保険金が不十分となる可能性が考えられます。

さらに、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、基本的にカード会員本人だけが利用できる保険です。家族までは補償が適用されず、別途ファミリープランや家族特約を付帯する必要があります。

外務省の海外安全ホームページでは、海外旅行へ行く人それぞれが海外旅行保険へ加入することを推奨しています。

近年では、日帰りや滞在日数が短い旅行者向けに、1日単位で加入できる海外旅行保険が登場しており、保険料も1日あたり数百円〜千円程度で加入できるケースが多いので、韓国や台湾への旅行を計画中の方は忘れずに海外旅行保険へ申し込むようにしましょう。

韓国・台湾旅行で想定されるトラブル

外務省が公開する「国・地域別情報」を参照すると、韓国や台湾における日本人の犯罪被害例として、以下が挙げられています。

日本人の犯罪被害例
韓国・窃盗(置き引き・スリ)
・詐欺
・わいせつ(性犯罪)
・暴行傷害事件
・盗撮等
・コールバン(貨物用営業車)や違法タクシーによるトラブル
・その他(アートメイク、マッサージ、観光ガイド、美容整形手術など)の金銭トラブル
台湾・窃盗(スリ、置引き)
・傷害
・強制わいせつ
・詐欺・恐喝
参考:安全対策基礎データ|大韓民国(韓国)|外務省海外安全ホームページ
参考:安全対策基礎データ|台湾|外務省海外安全ホームページ

世界的に見れば治安が安定しているとされる韓国と台湾ですが、それでも日本人が何らかのトラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。

海外旅行保険に加入していれば、以下のようなリスクが補償されるので、もしものときも安心です。

なお、保険会社や商品によって、上記4つがすべて補償されるケースもあれば、いずれかの補償しか受けられないケースもあります。

日本損害保険協会のWebサイトを参考にしながら、一般的な海外旅行保険の補償内容について解説します。韓国や台湾への旅行の予定がある方は、海外旅行保険に加入する際の参考にしてください。

旅行中のケガや病気に対する補償

海外旅行保険に加入すると、旅行中のケガや病気に対して次のような補償を備えられます。

旅行中のケガや病気に対する補償
治療費用旅行行程中でのケガの治療費用を補償
疾病治療費用旅行行程中での病気の治療費用を補償
傷害死亡旅行行程中でのケガで死亡した場合を補償
傷害後遺障害旅行行程中でのケガによって後遺障害を負った場合に補償
入院一時金旅行行程中でのケガや病気で一定期間以上入院した場合を補償
参考:海外旅行保険は、どのような保険ですか。|損害保険Q&A|一般社団法人 日本損害保険協会

海外では日本の健康保険が適用されないため、医療費の全額を自己負担で賄わなければなりません。

一般的な生命保険とは異なり、海外旅行保険の「治療費用」と「疾病治療費用」については、保険金額を限度として、窓口で負担した「実費」と同額の保険金が支払われる傾向にあります。

非常に高額な保険金が支払われていることから、海外での医療費は日本と比べものにならないレベルで高額なことが伺えます。

海外旅行保険に加入していれば、高額な医療費に対する補償を備えられるため、万一のトラブルに備えて、海外旅行保険で医療補償を備えておくと安心です。

携行品の盗難・破損に対する補償

海外旅行保険では、旅行行程中の携行品の盗難や破損に対する補償を受けられます。(携行品とは、海外旅行保険の「被保険者が所有かつ携行する身の回り品」のこと)

ただし、保険会社や商品によって、携行品が指す身の回り品には若干の違いがあります。以下に該当する持ち物については、多くの保険会社が補償対象外としているので注意が必要です。

携行品の「補償対象外」に含まれるものの一例

  • 現金
  • 小切手
  • 預貯金証書
  • クレジットカード
  • 定期券
  • コンタクトレンズ
  • サーフィン等の運動を行うための用具

参考:海外旅行保険は、どのような保険ですか。|損害保険Q&A|一般社団法人 日本損害保険協会

韓国や台湾での日本人の犯罪被害例でも挙げたとおり、旅行先での窃盗やスリなどの被害は非常に多いため、携行品補償のある海外旅行保険に加入していると、もしものときも安心です。

なお、一般的な海外旅行保険は携行品の損害額を「時価」で算定します。

盗難被害を含む全損とみなされた場合は「新価(同等の商品を新品で購入できる価格)」で算定される商品もあるので、海外旅行保険に加入する際は事前に携行品補償の対象を確認しておきましょう。

他人への賠償に対する補償

旅行先では思わぬ形で他人にケガを負わせてしまったり、他人の所有するものに損害を与えてしまったりするケースが起こり得ます。

海外旅行保険では、法律上の賠償責任に対しても補償を受けられるので、加入すれば安心して旅行を楽しるでしょう。

基本的な補償対象は、治療費修理費、慰謝料などの被害者に対する損害賠償金、弁護士費用や訴訟に発展した際の諸費用、調停・和解・仲裁費用など、一般的な個人賠償責任保険と同様です。

一方、海外旅行保険ならではの特徴として、「被保険者が所有・使用・管理する財物の正当な権利を有する者に対する損害賠償責任」についても、一部補償を受けられる場合があります。

具体的には、ホテルの客室や客室内のテレビやベッドなどの備品類、旅行のためにレンタル業者から借り入れた旅行用品や生活用品などが該当します。

保険商品や商品によって個人賠償責任保険の補償対象は異なるので、どこまでが補償対象に含まれるかを確認した上で、加入を検討するようにしてください。

その他の補償

海外旅行保険の基本的な補償内容は、ここまでにお伝えした3種類です。

一方、一部の保険会社や商品では、海外旅行保険で次のような補償を受けられる場合もあります。基本補償と合わせてこれらの補償内容についても確認しておきましょう。

その他の補償
救援者費用海外旅行先でケガや病気で入院して家族が現地に駆けつけた場合の費用を補償
航空機寄託手荷物遅延費用手荷物の到着が遅れて身の回り品を購入した場合の費用を補償
航空機遅延費用航空機が遅れて宿泊代・食事代などを別途自己負担した場合の費用を補償
旅行変更費用被保険者や同行予定者などの死亡・危篤、被保険者などの入院、渡航先での地震・戦争・テロ行為などの発生のために出国を中止または海外旅行を途中で取り止めて帰国した場合の費用を補償
偶然事故対応費用旅行行程中の予期せぬ偶然な事故で被保険者が負担を余儀なくされた費用(交通費、宿泊代、食事代、通信費など)を補償
参考:海外旅行保険は、どのような保険ですか。|損害保険Q&A|一般社団法人 日本損害保険協会

自分に合った海外旅行保険の選び方

海外旅行保険は数多くの保険会社が販売しており、商品数も多岐にわたります。これから韓国や台湾旅行に行く方の中には、どこで海外旅行保険に加入すれば良いか迷ってしまう方もいることでしょう。

本項目では、自分に合った海外旅行保険の選び方をわかりやすく解説します。

旅行先の滞在日数を確認する

海外旅行保険を比較検討する際は、事前に旅行先での滞在日数を確認しておきましょう。

一般的な海外旅行保険は、旅行日数と保険期間(自宅を出発する日〜自宅に帰着するまで)を合わせて契約するのが基本です。

後から保険期間を延長することは可能ですが、追加の保険料を支払う必要があるため、事前に滞在日数を確認した上で申し込むと無駄がありません。

なお、やむを得ない事情で滞在日数が延びる(帰国が遅延する)ケースでは、追加の保険料はなしで一定期間の延長措置が取られる場合があるのでご安心ください。

追加保険料の負担なしで保険期間が自動延長されるケース
延長時間一例
最長72時間を限度に自動延長・搭乗予定の飛行機、船舶、車両など、運行時刻が定められている交通機関の遅延や欠航、運休
・搭乗予約受付業務側の過失(ダブルブッキング)による搭乗不能時
・被保険者が滞在先で医師の治療を受けた場合や同行者が入院した場合
・被保険者の旅券の盗難や紛失事故など
正常な旅行行程に復帰するのに要する時間かつ保険会社が妥当と認める時間を限度に延長・搭乗予定の交通機関や被保険者が入場中の施設に対する第三者の不法な支配や公権力による拘束
・空港閉鎖など、被保険者が空港所在国を容易に出国できない状態など
参考:海外旅行保険は、どのような保険ですか。|損害保険Q&A|一般社団法人 日本損害保険協会

クレジットカード付帯の海外旅行保険を確認する

先述のとおり、クレジットカード付帯の海外旅行保険には「利用付帯」と「自動付帯」の2種類があります。

利用付帯のクレジットカードは、旅行代金の支払いなどに利用していない場合は海外旅行保険を利用できません。

一方、自動付帯の場合はクレジットカードを持っているだけで、海外旅行保険による補償を受けられます。

クレジットカードの種類によって補償内容や保険金額は異なるので、お手持ちのクレジットカードが複数ある場合は、補償内容が充実した海外旅行保険が付帯するクレジットカードで支払うのが良いでしょう。

各補償額が十分か確認する

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社が販売するものに比べて補償内容や保険金額が控えめな傾向にあります。

反対に、クレジットカード付帯の海外旅行保険が利用できるにも関わらず、過剰な補償を備えてしまうと保険料が無駄になってしまいます。

クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償内容を確認し、不足すると思われる分をカバーする目的で保険会社の海外旅行保険を活用するのがおすすめです。

なお、どれだけの補償が必要かの判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも良いでしょう。

その他のサービスが十分か確認する

海外旅行保険を提供する保険会社では、付加サービスとして次のような特典を提供している場合があります。

海外旅行保険の主なサービス例

  • 24時間365日受付可能な日本語での電話対応サービス(通訳サービス、医師・医療機関のご紹介・ご案内)
  • 提携病院によるキャッシュレスサービス(事前の連絡が必要な場合がある)
  • 緊急歯科治療費用の補償付帯 など

外務省海外安全ホームページを参照すると、韓国・台湾のどちらも都市部には多数の病院がありますが、大半の病院では日本語が通じない可能性が高いとしています。

日本語で24時間365日受付可能な電話対応サービスがある保険会社を選ぶと、旅行先で体調がすぐれない場合でも安心して治療に専念できます。

事前に手続きを行っておくと、キャッシュレスで現地の医療機関を受診できるサービスを提供している保険会社もあるので、事前に確認しておきましょう。

申込み方法を確認する

海外旅行保険の申込み方法は、大きく分けると以下の3種類があります。

海外旅行保険の申込み方法

  • インターネット
  • 空港の受付カウンター
  • 旅行会社の受付カウンター

空港や旅行会社で申し込む場合は窓口で担当者に相談しながら保険に加入できますが、その分、保険料は割高な傾向にあります。

一方、インターネット経由なら24時間365日、いつでもご自身の都合に合わせて海外旅行保険への申し込みが可能です。

他の申込み方法に比べて保険料も割安なので、保険料を安く抑えたい方はインターネット経由で申し込むのがおすすめです。

まとめ

韓国や台湾などの人気の観光スポットは、日本から近い場所にあることから日帰りで旅行を楽しむ方もいます。

しかしながら、いくら日本から近い場所・滞在日数が短い場合であっても、無保険で海外へ行くのはおすすめできません。

海外では国内よりも予期せぬトラブルに遭遇する可能性が高く、さらに高額な医療費が発生するケースも多いため、もしものときに備えて海外旅行保険への加入は必要不可欠です。

近年では、1日単位で加入可能な海外旅行保険も販売されており、保険料も数百円〜千円程度で加入できます。

少額の保険料で大きな補償を備えられるようになるので、安心して旅行を楽しむためにも必ず海外旅行保険に加入するようにしましょう。

オカネコマガジン編集部

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