S&P500はどのような指数なのか?S&P500に投資できる商品の種類も紹介します

米国の株式市場の指標はいくつかあり、ダウ工業株30種平均やNASDAQ総合指数などがその一例です。

その中でもS&P500は市場横断的に、時価総額の大きな銘柄を中心に500社を束ねたインデックスとして注目されています。

本記事では、S&P500の成り立ちやその特色を紹介するとともに、活用方法について解説していきます。

このコンテンツの3行まとめ
  • S&P500は米国の株価指数の一つ。米国のトップ企業が多く含まれ、成長性があり、多くの投資家が注目する指数の一つといえる。株価指数は大きく分けて時価総額加重型と株価平均型の2種類がある
  • S&P500には投資信託とETFを通じて投資ができる。為替を含めてすぐに約定したい人は「ETF」決まった金額を投資したい人は「投資信託」を利用するのがおすすめ
  • 投資信託を選ぶ際には、運用管理費用などのコストの低いものを選び、ETFは信託報酬が低いかつ流動性の高いものを選ぶのがおすすめ

投資にはリスクがあります。最終的な投資の決定はご自身の判断でお願いいたします。

目次

S&P500とは?

S&P500は、米国の株価指数の一つです。

S&P500は米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE American、NASDAQに上場する銘柄のうち、時価総額や流動性、業績などを考慮して選定された500銘柄を対象にした時価総額加重平均型の指数になります。

米国のトップ企業が多く含まれることになるので、成長性があり、多くの投資家が注目する指数の一つです。マスコミなどの報道ではダウ工業株30種平均やNASDAQ総合指数と比較して、露出度は少ないと言えます。

S&P500以外にどんな種類の指数がある?

日本を含め、世界の代表的な株価指数を紹介します。

世界の代表的な株価指数
指数特徴
TOPIX(東証株価指数)・日本取引所グループが算出、公表する株価指数
・主に東証プライム市場に上場されている株式の時価総額をベースに算出(時価総額加重型)
日経平均株価(日経225)・日本経済新聞社が算出、公表する株価指数
・東証に上場されている225銘柄の株価の平均をベースに算出(株価平均型)
ダウ工業株30種平均(NYダウ)・米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出、公表する株価指数
・ニューヨーク証券取引所(NYSE)およびナスダック市場(NASDAQ)に上場する30銘柄の株価をベースに算出(株価平均型)
NASDAQ総合指数・全米証券業協会(NASD)が算出、公表する株価指数
・NASDAQ市場に上場するすべての銘柄の時価総額をベースに算出(時価総額加重型)
S&P500・米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出、公表する株価指数
・ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE American、NASDAQに上場する500銘柄の時価総額をベースに算出(時価総額加重型)
FTSE100・英国フィナンシャル・タイムズ社とロンドン証券取引所グループの合弁会社であるFTSEが算出、公表する株価指数
・ロンドン証券取引所に上場する時価総額が大きい100社をベースに算出(時価総額加重型)
DAX・ドイツ取引所グループが算出、公表する株価指数
・フランクフルト証券取引所に上場する主要40銘柄の時価総額をベースに算出(時価総額加重型)

株価指数には大きく分けて、「時価総額加重型」「株価平均型」の2種類があります。

多くの株価指数は時価総額加重型に分類されます。株価平均型で有名なのは、ダウ工業株30種平均と日経平均株価でしょう。

株価平均型では株価の大きい値嵩株の値動きの影響を受けやすく、値動きが大きくなる傾向です。一方、時価総額加重型は時価総額の大きい大型株の変動の影響を受けやすくなっています。

S&P500に投資できる金融商品の種類

S&P500に投資するには、投資信託とETFを通じて行うことができます。

投資信託とETFの特徴
商品特徴
投資信託・1日1回1価格で約定する
・為替レートは申し込みの翌営業日に決定される
・NISAではつみたて投資枠でも成長投資枠でも取引できる
ETF・取引時間中は何度でも価格が変わる
・約定時の為替レートが反映される
・NISAでは成長投資枠でのみ取引可
※NISA対象商品に限る

S&P500は代表的な指数なので、多くの運用会社から投資信託もETFも販売されています。

S&P500を投資信託とETFで投資するときの一番大きな違いは、約定日が1日ズレることでしょう。ETFは当日約定できますが、投資信託は翌営業日の約定となります。

また投資信託は約定する価格が1つですが、ETFの場合は取引時間中に価格が動くため、同じ日に約定しても価格はそれぞれ異なります。なお、どちらもNISAでの取引が可能です。

S&P500に投資するなら投資信託とETFどっちがおすすめ?

投資信託もETFも同じS&P500をベンチマークにしているので、長い目で見たパフォーマンスの差は小さいと考えられます。ただし、投資信託とETFでは約定の成り立ちに差があることに注意しましょう。

第一に、ETFは当日に約定価格が確定しますが、投資信託は、翌日の為替レートで基準価格が決定します。為替の変動の大きい時などは、1日分の為替変動リスクを負うことになるので、為替込みですぐに約定を決めたい人はETFがおすすめです。

第二に、投資信託では金額指定での約定が可能なため、ネット証券などでは100円から購入できます。

一方ETFは1株単位で購入しなければならないので、金額で指定することができません。したがって、決まった金額を投資したいと考える人は、投資信託を利用するのがおすすめです。

S&P500に投資できるおすすめ投資信託

S&P500に投資できる投資信託は多くありますが、特におすすめの投資信託を3つ紹介します。

販売手数料や信託財産留保額が無料の投資信託は多いですが、その中でも運用管理費用などのコストの低い投資信託を選ぶのがおすすめです。

※以下で紹介する投資信託は、2024年10月30日基準の情報を掲載しています。
※運用管理費用はすべて税込みです。

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの概要
運用会社SBIアセットマネジメント
運用管理費用年率0.0638%
新NISA対応

SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、SBIアセットマネジメントが運用する投資信託です。

購入時手数料や信託財産留保額はありません。運用管理費用は年率0.0638%と業界最低水準です。運用管理費用の低さは、インデックスとの連動性を高めます。

ただしS&P500に連動するETFを投資対象としているので、ETFの信託報酬年0.03%が加わるため、総経費率は年0.10%程度となります。

楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド

楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンドの概要
運用会社楽天投信投資顧問
運用管理費用年率0.077%
新NISA対応

楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問が運用する投資信託で、2023年10月から運用を開始しました。購入時手数料や信託財産留保額はありません。

運用管理費用を年率0.077%と、現在は業界で2番目に低い水準です。その他費用を含めた総経費率では年0.09%となっており、上記SBIの投資信託よりも低くなっています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の概要
運用会社三菱UFJアセットマネジメント
運用管理費用年率0.09372%
新NISA対応

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託です。運用管理費用は年率0.09372%で、総経費率は0.10%です。

eMAXIS Slimシリーズの特徴として、運用管理費用は業界最低水準を目指しており、上記の楽天やSBIの投資信託並みに手数料を下げる可能性があります。

参照:とことんコストを追求する投資信託、eMAXISSlim(イーマクシス・スリム)

S&P500に投資できるおすすめETF

S&P500に投資できる、おすすめのETFを3つ紹介します。

ETFは市場で取り引きされるものなので、流動性の高いものを選ぶのがおすすめです。また投資信託と違い1株以上で購入しなければならないため、少額で始める際には価格の低いものを選ぶようにしましょう。投資信託同様、信託報酬は低いものがおすすめです。

※以下で紹介するETFは、2024年10月30日基準の情報を掲載しています。
※信託報酬はすべて税込みです。

NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2633)

NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2633)の概要
運用会社野村アセットマネジメント
信託報酬年0.066%
新NISA対応

NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが管理会社の上場投信で、NEXT FUNDSシリーズは、国内籍ETFの残高および売買代金でシェアNO.1です。

信託報酬は年0.066%と低く、配当も支払われています。2023年12月に1:10の分割を行ったため、価格は1株413円(2024年10月30日)となり、少額でも投資しやすくなっています

参照:NEXT FUNDSとは|NEXT FUNDS

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)の概要
運用会社三菱UFJアセットマネジメント
信託報酬年0.077%
新NISA対応

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信は、三菱UFJアセットマネジメントが管理会社の上場投信です。投資信託はeMAXIS、ETFはMAXISというシリーズ名がつけられています。

信託報酬は年0.077%程度と低水準です。S&P500の投資信託は分配金を出しませんが、ETFは配当が支払われています。1株25,765円(2024年10月30日)なので、最低でも30,000円弱の資金が必要です。

参照:銘柄一覧(ETF)|日本取引所グループ

iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)(2247)

iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)(2247)の概要
運用会社大和アセットマネジメント
信託報酬年0.077%
新NISA対応

iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)は、大和アセットマネジメントが管理会社の上場投信です。信託報酬は年0.077%以内と低水準で、配当も支払われています。

iFreeシリーズはETFだけでなく、インデックスの投資信託やアクティブ型の投資信託なども用意されています。1株16,790円(2024年10月30日)なので、最低20,000円弱の資金が必要です。

種類が多すぎてS&P500の購入に迷ったときは?

S&P500は米国の代表的な指標であるため、投資信託やETFでも多くの種類が販売されており、投資信託とETF、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。

以下に、S&P500に投資できる投資信託とETFの商品性を比較しました。

S&P500に投資できる投資信託とETFの違い
投資信託ETF
約定時期翌営業日当日
分配金出ない商品が多い出る商品が多い
購入方法金額指定1株単位

したがって短期的な利益を目指したり、期中の分配金の受け取りを考える場合はETFを選ぶと良いでしょう。

一方、長期的な資産形成なら投資信託を選び、NISAのつみたて投資枠を利用するのが良いでしょう。極力コストの低い商品を選ぶことが大切です。

まとめ

S&P500指数は、米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE American、NASDAQに上場する銘柄のうち、時価総額や流動性、業績などを考慮して選定された500銘柄を対象にした時価総額加重型の指数です。

米国の主だった企業をカバーする指数なので、世界中の投資家が注目しています。

S&P500には投資信託やETFを通じて投資することが可能です。NISAのつみたて投資枠を使うのであれば投資信託を選択し、成長投資枠を使うならETFを選択するのが良いでしょう。

S&P500はベンチマークとなる株価指標なので、投資信託でもETFでもパッシブ運用を行う商品は値動きは同じようになります。ただし、運用管理費用などのコストの差でパフォーマンスに差が出ることもあるので、費用については十分にチェックするようにしましょう。

オカネコマガジン編集部

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