証券会社で複数の口座を開設するメリット・デメリット【使い分け方もわかる】

複数の証券会社を使い分けたい人へ

投資商品の取引に使う証券口座は、必要に応じて複数持つことが可能です。

ただし、同一の金融機関での複数口座開設はできません。また、NISA口座については、開設できるのは1人1口座までです。

証券口座の複数開設を検討するときの注意点としては、口座や資産の管理が煩雑になること、確定申告をしなければ損する場合があることが挙げられます。

本記事では、複数の証券口座を開設するメリット・デメリットについて解説します。複数口座の使い分けを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

このコンテンツの3行まとめ
  • 証券口座の複数開設のメリットとして商品の選択肢が増えることや、IPOの当選確率が上がる点、システムトラブルにも対応できる点などが挙げられる
  • デメリットは口座の資金管理が難しくなること。しかし、資産管理アプリを活用し総資産を一括管理できれば、それほど気にする必要がないと言える
  • ネット証券毎に「IPO実績が豊富」「ツールの機能性が高い」など各社で特色が異なる。目的別に複数の証券口座を使い分けると、各社の強みの良いとこどりができるのでおすすめ
目次

複数の証券口座を使い分けるメリット

複数の証券口座を使い分けると、以下のメリットが期待できます。

メリット①投資商品の選択肢が増える

金融機関によって取り扱っている投資商品の種類は異なるため、複数の証券口座を開設すれば、それだけ投資商品の選択肢が増えます。

海外の投資商品に強い、社債の取り扱いが豊富、IPO取扱銘柄数が多いなど特色があるので、金融機関ごとの得意分野を調べたうえで複数口座開設を検討しましょう。

メリット②システムトラブルによる機会損失を防げる

投資商品の売買は、インターネットを通じて証券会社のサイトから行います。

基本的には、市場が開いていればリアルタイムでの取引が可能です。しかし、稀にシステムトラブルが起きて取引できないこともあります。

そんなときも、複数の証券口座を持っていれば買いのチャンスを逃さずに済むので安心です。A社でシステムトラブルが起きても、B社で取引すれば機会損失を防げます。

メリット③金融機関ごとの独自サービスを利用できる

金融機関のなかには、証券口座の開設者に高機能なツールや役立つセミナーを無料で提供しているところもあります。

また、対象取引でポイントが貯まる、遠隔で手厚いサポートを受けられるなど、利用者目線のサービス展開にこだわっている金融機関も珍しくありません。

複数の証券口座を開設すれば、こうした金融機関ごとの独自サービスをいろいろと利用できるメリットがあります。

メリット④口座開設キャンペーンの特典を受け取れる

新NISAが話題になっている現在、多くの金融機関が証券口座の開設数を増やすためのキャンペーンを実施しています。

証券口座を開設するだけで現金やポイントなどの特典を受け取れる、条件達成のハードルが低いキャンペーンは特に狙い目です。

複数口座の開設に抵抗がない方は、いろいろな金融機関のキャンペーンを利用して、できるだけ多くの特典を受け取るとよいでしょう。

メリット⑤IPOの当選確率が上がる

これまで未上場だった企業が上場し、新たに発行や売出を行う株のことをIPO株(新規上場株式)といいます。

IPO株を購入するには、IPO株の割当がある証券会社に申込を行い、抽選に当たらなくてはなりません。

IPO株の抽選には、複数の証券口座を持っていれば各社で参加が可能です。1社だけで抽選に参加するよりも、複数の金融機関の抽選に参加したほうが当選確率を上げられます。

複数の証券口座を使い分けるデメリット

複数の証券口座を使い分ける場合、以下のデメリットが発生します。

デメリット①確定申告をしなければ損する場合がある

1社の証券口座で取引を行う場合、源泉徴収ありの特定口座を使っていれば、損益に応じた源泉徴収が行われるため確定申告は不要です。

一方、複数の証券口座で取引を行う場合は、確定申告をしたほうがいいときがあります。それは、複数の証券口座の取引損益を通算したいときです。

例えば、口座Aで利益が出ており、口座Bで損失が出ているとします。この場合、取引損益を通算しなければ必要以上に源泉徴収されたままになるので、確定申告をしなければ損をしてしまいます。

とはいえ複数口座の損益計算は、各証券会社が交付する「特定口座年間取引報告書」を使って簡単にできるので安心してください。

デメリット②IDやパスワードの管理が煩雑になる

複数の証券口座を開設すると、それぞれにIDやパスワードを設定し、管理しなくてはなりません。

同じIDやパスワードを設定するのはセキュリティ上よくないので、どうしても管理が煩雑になりがちです。

各証券口座のIDやパスワードは、記憶に頼ろうとしても忘れてしまうものです。あとで困らないように、設定した段階でメモに残して金庫に保管するなど都度の管理を徹底しましょう。

デメリット③資金管理の難易度が上がる

複数の証券口座を使い分けると、資金が分散されてしまうデメリットがあります。

どの口座にいくらの資金が入金されているか把握しながら取引を行うのは至難の業です。資金移動のために、何度も管理画面にログインするような場面も出てくるでしょう。

また、複数の証券口座があると、資産全体の状況を把握するのも難しくなります。

そのため複数の証券口座を使い分けるなら、資産管理アプリを活用して、総資産を一括管理できる仕組みを作るのがおすすめです。

【目的別】ネット証券の使い分け方

同じネット証券でも、「IPO実績が豊富」「ツールの機能性が高い」など各社で特色が異なります。目的別に複数の証券口座を使い分けると、各社の強みの良いとこどりができるのでおすすめです。

※証券会社の情報は、2024年2月1日時点の調査結果を掲載しています。

IPO投資で当選確率を上げたい人

IPO投資で当選確率を上げたい人におすすめの証券会社
特徴証券会社
平等抽選を採用マネックス証券×松井証券
主幹事実績が多いSBI証券×SMBC日興証券
取扱銘柄数が多いSBI証券×楽天証券

IPO投資で当選確率を上げるには、上記の証券会社で口座を開設するのがおすすめです。

平等抽選を採用している証券会社では、投資資金に関係なく1人1票制での抽選が行われます。運次第でIPOに当選可能なため、資金力に自信がない方はぜひ口座を開設しましょう。

主幹事実績が多い証券会社は、IPOの割当株数が多い傾向にあります。他社に比べて割当が多ければ、その分当選確率も上がりやすくなるので、本格的にIPO投資に挑戦するなら持っておきたい口座です。

取扱銘柄数が多い証券会社は、今後も多くのIPO株を取り扱う可能性が高いと考えられます。過去の取扱銘柄数を確認し、実績のある証券会社で口座を作るとよいでしょう。

マネックス証券×松井証券

マネックス証券のIPO抽選は、取引実績や預り資産に関係なく、当選確率が平等なのが魅力です。取扱銘柄数も61件(2022年)と豊富なので、IPO投資をするなら開設をおすすめします。

松井証券は割当の70%以上が完全平等抽選により行われます。また、口座残高がない状態で抽選に参加できるのも大きなメリットです。

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╲ 100年以上の老舗証券 /

SBI証券×SMBC日興証券

SBI証券とSMBC日興証券は、IPOの主幹事実績が多い証券会社です。2023年の主幹事実績を見ると、SBI証券は21社、SMBC日興証券は19社となっています。

この2社は、他社に比べてIPOの割当株数が多くなる可能性が高いので、口座を持っておけばIPOの当選確率アップが期待できるでしょう。

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SBI証券×楽天証券

できるだけ多くの銘柄でIPO投資に挑戦したい方は、取扱銘柄数の多いSBI証券や楽天証券がおすすめです。

2023年の取扱銘柄数を見ると、SBI証券は91社、楽天証券は61社となっています。この2社の口座を持っておけば、IPO抽選に参加できる機会が多くなるので、当選確率も高くなるでしょう。

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ツールを使って分析しながら投資をしたい人

ツールを使って分析しながら投資をしたい人は、岡三オンラインで証券口座を開設してはいかがでしょうか。

岡三オンラインで証券口座を開設すると、「岡三ネットトレーダー プレミアム」という高機能なトレーディングツールを無料で利用できます。

直感的な操作で売買ができるほか、企業分析や各種ランキングなどの情報も満載なので、初心者から上級者まで満足できること間違いなしです。

投資する商品や金額にあわせて手数料を安くしたい人

投資する商品や金額にあわせて手数料を安くしたい人は、SBI証券の口座を持っておくと利便性が高いでしょう。

まず、SBI証券は、条件を満たすことで、売買手数料無料で国内株式の取引ができるメリットがあります。またNISA口座の取引では、米国株式・海外ETFも取引手数料がかかりません。

さらに、米ドル/円のリアルタイム為替手数料も0銭なので、米ドル建商品の取引に挑戦したいと考えている方はSBI証券を利用するのがおすすめです。

※SBI証券の国内株式売買手数料”ゼロ革命”では、以下の条件を満たすことで国内株式売買手数料が無料になります。

  • インターネットコースのインターネット取引が対象(個人・法人)となり、ダイレクト、IFA、対面コースは対象外。(一部のインターネットコースで無料対象外となる例外事例あり)
  • 電子交付サービス申込み済で、SBI証券の電子交付設定を行っている

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サービスをお得に便利に使いたい人

各社の独自サービスを比較し、魅力を感じる証券会社で口座開設するのも1つの方法です。

例えば、マネックス証券は独自開発のオリジナルマーケット情報やアナリストレポート、アラートメールの配信など、投資に役立つ便利な無料サービスが充実しています。

また、タイミングによってはマネックス証券でお得な口座開設キャンペーンも実施しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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よくある質問

複数の証券口座の使い分けについて、よくある質問に回答します。

NISA口座は複数の証券会社で開設できますか?

NISA口座は1人1口座しか保有できないため、複数の証券会社での開設はできません。

現在NISA口座を開設している証券会社から他社へ乗り換えたい場合は、NISA口座の金融機関変更手続きを行ってください。

複数の証券口座を併用する場合、確定申告の手続きは不要ですか?

源泉徴収ありの特定口座で取引し、すべての口座で利益が出ている場合は確定申告不要です。

ただし、源泉徴収ありの特定口座で取引し、利益が出た口座と損失が出た口座があり、取引損益を通算したい場合は確定申告の手続きが必要です。

同じ証券会社で複数の口座を開設することはできますか?

同じ証券会社で複数の口座を開設することはできません。証券口座を開設できるのは、1社につき1口座までです。

一般口座と特定口座を両方開設することはできますか?

一般的には、一般口座と特定口座の両方を開設することは可能です。

ただし、金融機関によってはどちらか一方しか開設できない場合があります。

新NISAで口座を分けることはできますか?

NISA口座は1人1口座しか保有できないません。

新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用できますが、2つの枠を管理する口座は1つの金融機関となります。

例えば、「つみたて投資枠」はA証券、「成長投資枠」はB証券の口座で運用するということはできないので注意しましょう。

まとめ

証券口座を複数開設するメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。

証券口座を複数開設するメリット・デメリット
メリット・投資商品の選択肢が増える
・システムトラブルによる機会損失を防げる
・金融機関ごとの独自サービスを利用できる
・口座開設キャンペーンの特典を受け取れる
・IPOの当選確率が上がる
デメリット・確定申告をしなければ損する場合がある
・IDやパスワードの管理が煩雑になる
・資金管理の難易度が上がる

口座や資金の管理さえできるのなら、証券口座を複数開設するデメリットは、それほど気にする必要はないでしょう。確定申告時に行う複数口座の損益計算も、各証券会社が交付する「特定口座年間取引報告書」を使えば簡単にできます。

証券口座の開設により得られるメリットがあるなら、ぜひ複数口座を持つことも積極的に検討してみてください。

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