老人扶養控除とは?受けるための条件とメリット・デメリットを解説

老人扶養控除とは、納税者が70歳以上の親族を扶養に入れることで控除を受けられる公的制度です。所得税や住民税の節税効果を得られるため、70歳以上の親がいる方は検討してみると良いでしょう。

本記事では老人扶養控除とは何か、適用条件とメリット・デメリット、節税効果のシミュレーションなど、くわしく解説します。ぜひご参考ください。

このコンテンツの3行まとめ
  • 老人扶養控除とは、70歳以上所得金額が年間48万円以下などいくつかの要件を満たした親族を、納税者が同一家計の中で経済的に支えることで、所得税や住民税の節税効果を得られる扶養控除制度のこと
  • メリットは、扶養者が所得税の控除を受けられることにより最大58万円の控除を受けられ節税効果が得られること、老人扶養親族の健康保険料の負担がなくなることがあげられる
  • デメリットは、世帯年収によっては介護保険料や介護サービスの利用料が上がる可能性があることがあげられる。事前に自治体等に年収と保険料や利用料の関係を確認するのがおすすめ
目次

老人扶養控除とは?

老人扶養控除とは、納税者が70歳以上の親族を同一家計の中で経済的に支えることで、扶養者の所得税や住民税の節税効果を得られる扶養控除制度です。要件を満たした扶養親族は、「老人扶養親族」と呼ばれます。

税金がどれくらい安くなるのかは、納税者の所得にかかる税率によって変動します。税金額を計算する時は、所得から基礎控除や老人扶養控除などさまざまな控除額を引きます。

その結果「課税所得額」が算出され、それに税率を掛けることで税金額を算出できるのです。

控除額が増えると課税所得額が減り、支払う税金が安くなるため節税になります。老人扶養控除の基本知識について、次の4つの項目を通してさらにくわしく解説します。

老人扶養控除の控除額

70歳以上の老人扶養親族が「別居」の場合、老人扶養控除を受けることで課税所得額から48万円が引かれます。

老人扶養控除(別居)における所得税に対する控除額
種別控除額
一般の扶養控除38万円
老人扶養控除10万円
合計48万円

70歳未満の親族は一般の扶養に入れるため、38万円分を課税所得額から引くことが可能です。

同居の場合は控除額が58万円になる

老人扶養親族が「同居」の場合、老人扶養控除を受けることで課税所得額から58万円が引かれます。

老人扶養控除(同居)における所得税に対する控除額
種別控除額
一般の扶養控除38万円
老人扶養控除10万円
上乗せ控除10万円
合計58万円

なお、以下の要件を満たす必要があります。

  • 70歳以上の親族が納税者本人または配偶者の直系尊属にある
  • 同居を常としている

同居については、さまざまなパターンが認められます。

  • 同じマンションや別棟のアパートなどで住所は異なるが、生活をともに送っている場合
  • 住民票に記載の「居住地」が同じで、老人扶養親族が病院などに入院中の場合

70歳以上の両親の世話や介護で同居を始める時は、経済的負担を軽減できる可能性があるため、老人扶養控除適用後の試算をしてみましょう。

障害者扶養控除と併用できる

扶養控除の中には、扶養親族が障害者の場合に受けられる「障害者控除」があります。老人扶養控除の適用対象となる老人扶養親族が障害者の場合、老人扶養控除と障害者扶養控除の併用が可能です。

障害者扶養控除額
種別控除額
一般障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

たとえば70歳の母親が障害者の場合、老人扶養控除と障害者扶養控除を併用すると、所得控除額は次のようになります。

老人扶養控除と障害者扶養控除を併用した場合の所得控除額(70歳母親の場合)
種別併用時の控除額(別居)併用時の控除額(同居)
一般障害者75万円85万円
特別障害者88万円98万円
同居特別障害者老人扶養控除のみ133万円

課税所得額から最大133万円の控除を受けられ、大きな節税になるでしょう。

税法上と健康保険上の扶養の違い

扶養には2種類ありますが、老人扶養控除は一般的に「税法上の扶養」を指します。

扶養の種類と概要
扶養の種類概要
税法上の扶養扶養者が所得税や住民税といった税金に関する控除や優遇を受けられる扶養制度
健康保険上の扶養被扶養者が健康保険料負担に関して優遇を受けられる扶養制度

税法上の扶養は、扶養者にとっての節税効果が高いのが一番のメリットです。健康保険上の扶養は、被扶養者が健康保険料など支払いに関してメリットがある一方、扶養者にメリットはありません。

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老人扶養控除を受けるメリット

老人扶養控除のメリットは、次の2つです。

扶養者と老人扶養親族の両方にメリットがあるため、適用条件とメリット・デメリットを把握して、老人扶養控除の適用を検討しましょう。

扶養者が所得税の控除を受けられる【税法上の扶養】

老人扶養控除の1番のメリットは、納税者が所得税や住民税の控除を受けられるため、節税効果があることです。

日本人の平均給与である443万円(※)をもとに、老人扶養控除による節税効果を計算してシミュレーションしてみましょう。※参照:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査

シミュレーション条件

  • 納税者の年収:443万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれていない状態)
  • 課税所得額:262万4,000円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれている状態)
  • 老人扶養控除額:48万円(70歳以上の老人扶養親族と別居の場合)
  • 所得税率:10%所得税の税率は所得金額によって異なる)
  • 税額控除:9万7,500円税額控除は所得金額によって異なる)

上記の条件で老人扶養控除を適用した場合、不適用の場合の所得税を比較して節税効果を見てみると、以下のようになります。ただし実際は社会保険料の控除や他の扶養控除も加わるため、金額は前後します。

老人扶養親族(同居老親等以外の者)の節税効果
老人扶養控除の有無所得税額計算式
老人扶養控除ありの場合11万6,900円(課税所得額-老人扶養控除額)×所得税率税額控除
(262万4,000円-48万円)×10%-9万7,500円
老人扶養控除なしの場合16万4,900円課税所得額×所得税率-税額控除
262万4,000円×10%-9万7,500円
(差額)4万8,000円老人扶養控除なし-老人扶養控除あり

老人扶養控除がある場合は、48,000円の節税ができることがわかります。上記のシミュレーションをもとにご自身の場合を計算してみると、控除を受ける前におおよその節税効果の目安を算出可能ですので、ぜひお試しください。

老人扶養親族の健康保険料の負担がなくなる【健康保険上の扶養】

75歳未満の老人扶養親族が定年後に下記の働き方をしている場合、扶養に入ることで国民健康保険料の支払いが免除されます。

  • 個人事業主として働く
  • パートやアルバイトで働く(※)
  • 働かない

※条件を満たすことで勤務先の健康保険に加入可能

また、年金受給者の場合年金は全額を受け取れるのではなく、所得によって決められた割合で以下の税金と社会保険料が天引きされます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 介護保険料
  • 国民健康保険料または後期高齢者医療保険料

たとえば年間18万円以上の年金を受け取る人は、年金から国民健康保険料が天引きされます。健康保険上の扶養に入ることで、国民健康保険料が天引きされなくなるため、経済的負担を軽くできるでしょう。

老人扶養控除を受けるデメリット

老人扶養控除を受けることで、次のデメリットが発生する場合があります。

老人扶養親族の出費が増える可能性があるため、扶養に入る場合と入らない場合の収支を比較してみましょう。

老人扶養親族の介護保険料が上がる

老人扶養控除の適用によって対象者の国民健康保険料は免除される一方、介護保険料が増額する場合があります

70歳以上の方が親族として扶養に入ると、介護保険料は本人と世帯の年収によって判定されるため、世帯年収が高いほど介護保険料が増額し、場合によっては2~3倍になることも。

介護保険料は各自治体によって設定されるため、ご自身の自治体のホームページを確認して、介護保険料と世帯年収の関係をチェックしておきましょう。ただし、国民健康保険料の支払いを免除されているため、世帯年収が高すぎなければトータルで考えて老人扶養控除の恩恵を十分に受けられるでしょう。

介護サービスの利用料が上がる可能性がある

老人扶養親族がすでに介護サービスを受けている場合、老人扶養控除の適用によって利用料が上がる可能性があります。介護サービスの自己負担割合は、本人や世帯の年収に応じて1~3割と変動します。

また、月の介護サービス利用料の自己負担額の合計が上限を超えると、その分が高額介護サービス費として払い戻される仕組みもありますが、自己負担上限は本人や世帯の年収に応じて変動するため、扶養に入って世帯年収が上がるとサービス利用料が上がる恐れがあります。

対象者がすでに特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護サービスを活用している場合は、利用料の上がり幅を事前に確認しましょう。

老人扶養控除を受けられる条件【税法上の扶養】

老人扶養控除について、適用条件を解説します。

上記の適用条件は、あくまで「税法上の扶養」の場合です。扶養に入れたい親族が、適用しているかどうかチェックしてみてください。

70歳以上の親族を扶養に入れる

1つ目の条件は、扶養に入れたい老人扶養親族が申請する年の12月31日時点で70歳以上であることです。同居か別居かによって、老人扶養親族の範囲が以下のように変わります。

老人扶養親族の範囲
親族が別居の場合親族が同居の場合
控除額48万円58万円
親族の範囲6親等以内の血族および3親等以内の姻族同居老親等
具体的範囲・父母
・祖父母
・兄妹姉妹
・甥姪
・叔父叔母
・従兄弟
・配偶者の父母
・配偶者の祖父母
・配偶者の兄弟姉妹
・父母
・祖父母
・配偶者の父母
・配偶者の祖父母
※養父母も含まれる

扶養に入れたい老人扶養親族が、上記に該当しているか確認しましょう。

老人扶養親族の所得金額が48万円以下

2つ目の条件は、扶養に入れたい老人扶養親族の所得金額が年間48万円以下であることです。年間所得とは、年収から税金や社会保険料、控除などがすべて差し引かれたものです。

年金や給与所得、事業所得といった所得をすべて足した合計額が48万以下であれば、老人扶養控除を受けられます。所得が年金のみの場合と給与所得がある場合でそれぞれの控除額が変わるため、収入金額の例を確認しておきましょう。

老人扶養親族が青色申告の事業専従者ではない

3つ目の条件は、扶養に入れたい親族が青色申告の事業専従者ではないことです。扶養者が青色申告者の場合は、老人扶養親族が事業専従者になっていないか確認しましょう。青色申告の事業専従者とは、青色申告者の事業に従事する親族のことです。

たとえば青色申告者が事業に70歳の父親を従事させていたとします。この場合、父親は青色申告の事業専従者に該当し、父親の給与は経費にできるため、節税効果を得られます。事業主はすでに事業専従者給与によって節税効果を得ているため、老人扶養控除との併用ができないのです。

扶養者と老人扶養親族が同一生計にある

4つ目の条件は、扶養者と老人扶養親族が同一生計にあることです。

同一生計とは、同居という意味ではありません。たとえば40歳の息子の収入で生活する70歳の親のように、同じ生計内で生活していることを指します。

別居の場合は、老人扶養親族が同一生計であることを示すために、生活費の仕送りが要件となることがあります。

老人扶養親族の所得金額の注意点

老人扶養控除の適用条件である「老人扶養親族の所得金額が年間48万円以内」に対して、「そんなのみんな超えてしまうのでは?」と思った方もいるでしょう。所得と収入は異なるため、次のように場合分けして収入金額の制限について解説します。

老人扶養親族がどれに該当するか、チェックしてみましょう。

所得が年金のみなら収入は158万円以下

70歳以上の親族が働いておらず年金のみで生活する場合は、年間の収入金額が158万円以下なら老人扶養控除の対象です。年金による収入から所得を出す時は、次のように計算します。

所得が年金のみの場合の所得の計算式

年金の収入金額の合計(158万円)-公的年金等の控除額(110万円)=所得(48万円)

70歳以上の公的年金は年間受取額が330万円未満の場合、公的年金等控除額は110万円と決まっています。そのため、所得が48万円になるように計算すると、収入金額の合計が158万円になります。

所得が年金のみではないなら収入は213万円以下

70歳以上の親族が年金とは別に給与所得を得ている場合は、年間の収入金額が213万円以下が老人扶養控除の対象です。年金と給与所得がある場合は、次のように計算します。

年金と給与所得がある場合の所得の計算式

収入の合計(213万円)-公的年金等の控除額(110万円)-給与所得控除額(55万円)=所得(48万円)

なお「公的年金等の控除額」と「給与所得控除額」は収入金額によって割合が変動します。給与による収入が165万5,000円までの場合は、給与所得控除額が55万円となり、上記の例のように計算が可能です。

所得金額調整控除が適用になる場合

70歳以上の親族が年金と給与所得を得ており、所得額の合計が10万円を超える場合、所得金額調整控除が適用になります。所得金額調整控除の適用を忘れると最大10万円分の控除ができなくなってしてしまいますので、理解を深めておきましょう。

所得金額調整控除とは、令和2年の控除額変更にともなって生じる増税を調整するための制度です。令和2年の税制改正によって、給与所得控除と年金所得控除、基礎控除の金額が以下のように変更されました。

令和2年の税制改正による給与所得額・年金所得控除額・基礎控除額の変更点
控除の種類改正前改正後変更点
給与所得控除65万円55万円10万円減
年金所得控除(65歳以上)120万円110万円10万円減
基礎控除38万円48万円10万円増

上記の変更によって、年金と給与の両方の収入を得て生活していた人には、次のような影響が出るようになりました。

令和2年の税制改正による影響
納税者の種類影響
年金だけで生活控除額は変わらない
給与所得だけで生活控除額は変わらない
年金と給与両方で生活控除額が10万円分減る(支払う税金が増える)

給与所得控除は、税制改正後も今まで受けていた控除額と同じに調整するための制度と考えると良いでしょう。

所得金額調整控除額は、次のように計算します。

所得金額調整控除額の計算式

給与所得の金額(最高10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(最高10万円)-10万円=所得金額調整控除

給与所得と年金による所得はそれぞれ最高10万円までなので、所得金額調整控除の最高額が10万円になることがわかります。

老人扶養控除による節税効果のシミュレーション

老人扶養控除による節税効果を、納税者の年収別にシミュレーションしました。ただし計算には他の控除が入っていないため、あくまで目安として参考にしてみてください。

年収別老人扶養控除による節税効果のシミュレーション
納税者の年収老人扶養控除適用による節税効果
年収200万円2万4,000円
年収443万円4万8,000円
年収600万円9万6,000円
年収1,000万円11万400円

表を見ると年収が高いほど節税効果が高い一方、対象者の介護保険料が上がる可能性が高いため注意が必要です。老人扶養控除の適用によって、思わぬ出費を増やさないよう申請前に必ずシミュレーションを行いましょう。

納税者の年収が200万円の場合

納税者の年収が200万円の場合、老人扶養控除による節税効果は2万4,000円です。

老人扶養親族(同居老親等以外の者)の節税効果
老人扶養控除の有無所得税額計算式
老人扶養控除ありの場合1万8,000円(課税所得額-老人扶養控除額)×所得税率税額控除
(84万円-48万円)×5%-0円
老人扶養控除なしの場合4万2,000円課税所得額×所得税率税額控除
84万円×5%-0円
(差額)2万4,000円老人扶養控除なし-老人扶養控除あり

計算項目の内訳

  • 納税者の年収:200万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれていない状態)
  • 課税所得額:84万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれている状態)
  • 所得税率:5%所得税の税率は所得金額によって異なる)
  • 税額控除:0円税額控除は所得金額によって異なる)
  • 老人扶養控除額:48万円(70歳以上の老人扶養親族と別居の場合)

納税者の年収が443万円の場合

納税者の年収が443万円の場合、老人扶養控除による節税効果は4万8,000円です。

老人扶養親族(同居老親等以外の者)の節税効果
老人扶養控除の有無所得税額計算式
老人扶養控除ありの場合11万6,900円(課税所得額-老人扶養控除額)×所得税率-税額控除
(262万4,000円-48万円)×10%-9万7,500円
老人扶養控除なしの場合16万4,900円課税所得額×所得税率-税額控除
262万4,000円×10%-9万7,500円
(差額)4万8,000円老人扶養控除なし-老人扶養控除あり

計算項目の内訳

  • 納税者の年収:443万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれていない状態)
  • 課税所得額:262万4,000円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれている状態)
  • 所得税率:10%所得税の税率は所得金額によって異なる)
  • 税額控除:9万7,500円税額控除は所得金額によって異なる)
  • 老人扶養控除額:48万円(70歳以上の老人扶養親族と別居の場合)

納税者の年収が600万円の場合

納税者の年収が600万円の場合、老人扶養控除による節税効果は9万6,000円です。

老人扶養親族(同居老親等以外の者)の節税効果
老人扶養控除の有無所得税額計算式
老人扶養控除ありの場合25万円2,500円(課税所得額-老人扶養控除額)×所得税率-税額控除(388万円-48万円)×20%- 42万7,500円
老人扶養控除なしの場合34万8,500円課税所得額×所得税率-税額控除
388万円×20% -42万7,500円
(差額)9万6,000円老人扶養控除なし-老人扶養控除あり

計算項目の内訳

  • 納税者の年収:600万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれていない状態)
  • 課税所得額:388万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれている状態)
  • 所得税率:20%所得税の税率は所得金額によって異なる)
  • 税額控除:42万7,500円税額控除は所得金額によって異なる)
  • 老人扶養控除額:48万円(70歳以上の老人扶養親族と別居の場合)

納税者の年収が1,000万円の場合

納税者の年収が1,000万円の場合、老人扶養控除による節税効果は11万400円です。

老人扶養親族(同居老親等以外の者)の節税効果
老人扶養控除の有無所得税額計算式
老人扶養控除ありの場合96万円200円(課税所得額-老人扶養控除額)×所得税率-税額控除
(742万円-48万円)×23%-63万6,000円
老人扶養控除なしの場合107万600円課税所得額×所得税率-税額控除
742万円×23%-63万6,000円
(差額)11万400円老人扶養控除なし-老人扶養控除あり

計算項目の内訳

  • 納税者の年収:1,000万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれていない状態)
  • 課税所得額:742万円(給与から社会保険料や年金などの必要経費が引かれている状態)
  • 所得税率:23%所得税の税率は所得金額によって異なる)
  • 税額控除:63万6,000円税額控除は所得金額によって異なる)
  • 老人扶養控除額:48万円(70歳以上の老人扶養親族と別居の場合)

老人扶養控除の受け方

老人扶養控除の受け方には、2種類あります。

老人扶養控除を適用する場合は、参考にしてみてください。

年末調整で受ける【会社員など】

納税者が会社員の場合は、勤務先の年末調整で老人扶養控除の手続きを行います。

手続き手順

  1. 「扶養控除等申告書」の扶養親族欄に新たに扶養に入れたい70歳以上の親族の情報を記入する
  2. 「年間所得の見積額」の欄に老人扶養親族の所得の見積額を記入する
  3. 同居の場合は「同居老親等」の欄にチェックマークを記入する

老人扶養親族の所得は、年末調整を提出する12月時点では確定していません。所得金額の確定後に税額が変わる場合は、年明けに確定申告を行いましょう。

確定申告で受ける【個人事業主など】

納税者が個人事業主の場合、確定申告で老人扶養控除の手続きを行います。申告書第二表にある「配偶者や親族に関する事項」の欄に、新たに扶養に入れたい70歳以上の親族の情報を記入しましょう。

老人扶養控除についてよくある質問

老人扶養控除についてよくある質問に、オカネコマガジンがお答えします。

Q1. さかのぼって控除を受けることはできますか?

過去5年分を遡って還付申請をできる場合があります。還付申告をする場合は、会社員でも確定申告を行いましょう。

Q2. 別居の場合は仕送りが必要というのは本当ですか?

生計を一にしていることを証明するため、仕送りが必要なことがあります。仕送りによって扶養者の出費がかさむことがあるため、総合的に見て老人扶養控除に入るか判断しましょう。

まとめ:老人扶養控除を受ける前にプロに相談しよう

老人扶養控除は、70歳以上の親族を扶養に入れることで最大58万円の控除を受けられる公的制度です。

ただし扶養者や老人扶養親族の所得によって、老人扶養控除を受けると損をする場合があるため、お金のプロであるFPに相談してシミュレーションと適切なアドバイスをもらいましょう。

オカネコでは、実績のあるFPに無料で相談が可能です。まずは「オカネコ」を利用して、ご自身と扶養に入れたい親族の収入状況をチェックしてみてください。

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オカネコマガジン編集部

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