子どもにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。結論から言うと、子どもにかかるお金の目安は、教育費が約800~2,300万円、養育費が約1,630万円です。
もちろん、これはあくまでも目安であり、実際に子どもにかかる金額は、さまざまな要因によって変わってきます。
本記事では、子どもにかかるお金はいくらくらいなのか、詳しい内訳や年齢別の目安、教育費・養育費の準備方法を解説。計画的に子育て費用の準備を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 子どもにかかるお金は、大きく分けて教育費と養育費の2つあり、目安は教育費が約800~2,300万円、養育費が約1,630万円。アンケートでは8割以上の子育て世帯が、子どもにかかるお金は高額・負担であると感じているという結果に
- 一般的に、子どもにかかるお金は大学生のときにピークを迎えるが、公立・私立のどちらを選ぶか、塾・習い事や部活動などの学校外活動費にどのくらいお金をかけるかなどの要因によって、実際にかかる金額は大きく変わる
- 子どもにかかるお金の負担は、国や各市区町村の支援制度や奨学金をうまく活用すれば大幅に軽減できる。また、大学入学までの長い期間を利用したNISAや積立投資、預金金利が高い銀行や自動積立貯金機能のある銀行への児童手当の貯蓄もおすすめ
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子どもにかかるお金の目安
子どもにかかるお金は、大きく分けて教育費と養育費の2つがあります。
- 教育費:学校納付金や教材費、塾・習い事代、受験費用など、子どもの教育に関わる費用
- 養育費:子どもの食費、衣服代、医療費、お小遣いなど、子どもの養育に必要な費用
ここからは、子どもの教育費・養育費の金額目安と内訳を詳しく見ていきましょう。
教育費にかかるお金は約800~2,300万円
子どもの教育費は、公立校・私立校のどちらに進学するかによって大きく変わり、大学まですべて公立校の場合は約800万円、すべて私立校の場合は約2,300万円がかかります。
以下は、文部科学省の資料をもとにオカネコが算出した、幼稚園から大学までにかかる教育費総額の目安です。

参照:表2 学年(年齢)別の学習費総額|令和3年度子供の学習費調査 5ページ|文部科学省
参照:表9 幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額|令和3年度子供の学習費調査 18ページ|文部科学省
参照:(参考2)国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
参照:資料1 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について 1ページ|文部科学省
※幼稚園~高等学校は、学校教育費(入学金・授業料・学校納付金など)・学校給食費・学校外活動費(塾・習い事・家庭教師代など)を含む教育費の総額を記載しています。

養育費にかかるお金は約1,630万円
教育費以外に子どもにかかる主な養育費は、以下の通りです。
- 食費
- 生活用品費
- 医療費
- 交通費
- 服飾費
- お小遣い
- 通信費
- レジャー費 など
子どもの養育費にいくらかかるかは、家庭や子どもの年齢によって生活水準が違うため一概にはいえませんが、年間50~100万円程度かかることが予想されます。
仮に子ども1人につき年間70万円の養育費がかかる場合、0~22歳までにかかる養育費の合計は1,630万円です。
もし寮生活や一人暮らしをさせるのであれば、住居費等の仕送りが増えさらに支出が膨らむでしょう。
8割以上が「子どもにかかるお金は高額・負担だと感じる」と回答
子どもにかかるお金について、子育て世帯はどのように感じているのでしょうか。
オカネコが2024年2月に行ったアンケートでは、回答者の8割以上が子どもにかかるお金は「高額だと感じる」「負担を感じる」と答えました。
特筆すべきは「子どもの出生数に影響を与えるほど、高額だと感じる」と答えた人が6割以上にのぼる点です。


アンケートの結果から、経済的な事情により子どもを持つことを躊躇ってしまう人も少なからずいるのではないかと推察されます。

年齢別に見る子どもにかかるお金(シミュレーション)
子どもにかかるお金は年齢によっても上下するので、時期ごとの金額の目安を把握しておくとよいでしょう。
あくまでも目安ではありますが、子どもにかかる費用の年齢別シミュレーションを紹介するので、教育費・養育費準備の計画にお役立てください。
年齢別に見る子どもにかかる費用の目安(シミュレーション) | ||||
---|---|---|---|---|
年齢 | 教育費(公立) | 教育費(私立) | 養育費※ | |
0歳~6歳までにかかるお金 | 47万円 | 92万円 | 490万円 | |
小学生でかかるお金 | 211万円 | 1,000万円 | 420万円 | |
中学生でかかるお金 | 162万円 | 430万円 | 210万円 | |
高校生でかかるお金 | 150万円 | 316万円 | 210万円 | |
大学生でかかるお金 | 243~255万円 | 408~551万円 | 400万円 |
0歳~6歳までにかかるお金
0~6歳までの子どもにかかるお金の一例
- 教育費:幼稚園や保育施設の利用料、幼児向けの習い事代、絵本代など
- 養育費:出産費用、ベビー関連用品、食費、衣服代、医療費など
この時期で特に大きな出費となるのは、幼稚園や保育施設の利用料です。
幼稚園・保育施設の月額費用の目安 | ||||
---|---|---|---|---|
施設 | 年齢 | 金額/月 | ||
公立幼稚園 | - | 約6,200円(※1) | ||
私立幼稚園 | - | 約13,700円(※1) | ||
認可保育施設 | - | 約21,100円(※2) | ||
認可外保育施設(事業所内保育施設) | 0~2歳 | 約26,600円~29,900円(※3) | ||
3~6歳 | 約17,500円~18,800円(※3) |
※2:認可保育園・認可外保育園の平均費用|子どもの教育資金は平均いくら必要? 大学までにかかる教育費と貯め方を解説|オカネコマガジンより、総数平均額の100円以下を四捨五入した金額を記載しています。
※3:認可保育園・認可外保育園の平均費用|子どもの教育資金は平均いくら必要? 大学までにかかる教育費と貯め方を解説|オカネコマガジンより、平均利用料の100円以下を四捨五入した金額を記載しています。
幼稚園の場合、ほとんどが私立のため、私立幼稚園の費用を目安にするとよいでしょう。
認可保育園の費用は保護者の所得によって変わり、認可外保育園の費用は各保育園によって異なります。そのため、上記の金額は参考程度にお考えください。
ただし、「幼児教育・保育の無償化」の取り組みにより、3~5歳の子どもおよび住民税非課税世帯のすべての子どもは、一定額まで幼稚園・保育施設の費用が無償となります。
そのため、住民税非課税世帯以外の方は、子どもが0~2歳のうちだけ保育料負担が重くなるケースが多いと考えておくとよいでしょう。

小学生でかかるお金
小学生の子どもにかかるお金の一例
- 教育費:小学校への納付金、通学費、ランドセルや学習机の購入費、塾・習い事代など
- 養育費:食費、衣服代、医療費、お小遣いなど
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、小学校の学習費総額は公立が約211万円、私立が約1,000万円です。

小学生でかかるお金は、学校外活動費(塾・習い事代など)の内容によって大きく左右されると思われます。
中学生でかかるお金
中学生の子どもにかかるお金の一例
- 教育費:中学校への納付金、通学費、部活動費、塾・習い事代、受験費用など
- 養育費:食費、衣服代、医療費、お小遣いなど
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、中学校の学習費総額は公立が約162万円、私立が約430万円です。

難関高校を受験する場合は、受験対策として塾・家庭教師などの費用がかさみそうです。
オカネコが2024年9月に行ったアンケート調査によると、中学の受験費用は平均約148万円、高校の受験費用は平均約86万円という結果でした。受験費用を捻出方法としては、貯金のほか節約や資産運用などに取り組んでいる家庭が多いことがわかります。


そのほかにも、部活動に力を入れる場合は、道具代や試合の遠征費なども必要になるでしょう。
高校生でかかるお金
高校生の子どもにかかるお金の一例
- 教育費:高校への納付金、通学費、部活動費、塾・予備校・習い事代、受験費用など
- 養育費:食費、衣服代、医療費、お小遣いなど
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、高校の学習費総額は公立が約150万円、私立が約316万円です。

高校では給食費がかかりませんが、別途お弁当や学食など昼食代が必要です。中学生と同じく、部活動をする場合は道具代や試合の遠征費もかかるでしょう。
また、大学へ進学する場合は、受験のための塾・予備校代や受験料、受験会場までの交通費・宿泊費などがかかります。オカネコのアンケート調査によると、受験時の想定外の支出として、季節講習や合宿費用なども挙げられました。


大学生でかかるお金
大学生の子どもにかかるお金の一例
- 教育費:入学料、授業料、通学費、教材費、家賃、留学費用、就活費用など
- 養育費:食費、衣服代、医療費、仕送り、お小遣いなど
以下は、文部科学省の資料をもとにオカネコが作成した、大学入学から卒業までにかかる学費の平均です。

※授業料、施設設備費は参照データ(年額)をそれぞれの在籍期間で乗じた数値を記載しています
参照※1:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令|e-Gov法令検索
参照※2:(参考2)国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省
参照※3:資料1 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について 1ページ|文部科学省
寮生活や一人暮らしをさせる場合、家賃や生活費などもかかります。本人のアルバイト代や奨学金を充てても足りない場合は、仕送りやお小遣いによるサポートが必要になるでしょう。

教育費・養育費の準備方法
子どもの教育費・養育費は、できるだけ早いうちから計画的に準備すると安心です。いろいろな教育費・養育費の準備方法があるので、以下を参考に自分に合う方法を検討しましょう。
国の支援制度や奨学金の活用
子どもにかかるお金の負担は、国や各市区町村の支援制度や奨学金をうまく活用すれば大幅に軽減できます。以下は、多くの人が活用できる支援制度や奨学金です。
- 児童手当:0歳~15歳まで毎月1,000円~15,000円が支給される手当
- 就学援助制度:経済的な理由で就学が困難な場合に、学校教育に必要な費用が援助される制度
- 高等学校等就学支援金制度:一定の所得要件を満たす世帯に、高校授業料の支援金が支給される制度
- 高校生等奨学給付金:一定の所得要件を満たす世帯の、授業料以外の経済負担を軽減するための支援制度
- 奨学金制度:大学以降の学費のために、借り入れができる制度
- 教育ローン:学費や受験費用など、奨学金制度に比べて幅広く教育にかかる費用を融資する制度
支援制度や奨学金を活用するには、それぞれ必要な条件を満たし所定の手続きが必要になります。漏れがないよう、各支援制度や奨学金の概要を把握しておきましょう。
以下の記事にて、各支援制度や奨学金の詳細を解説しているので、ぜひご覧ください。



NISAの活用
前述のシミュレーションのとおり、子どもにかかるお金は大学生のときにピークを迎えます。そのため、子どもが小さいうちから大学以降の教育費・養育費をコツコツ準備していくのがおすすめです。
子どもが生まれてすぐに準備を始めれば、大学入学まで18年の時間があります。この長い時間を利用して効率よくお金を備えるなら、貯金以外にNISAを活用した投資を行うとよいでしょう。

通常、投資の運用益には約20%の税金がかかりますが、NISAを活用すれば運用益が非課税になるため、課税口座で運用するよりも多くの利益を手元に残せます。
ただし、NISAも投資である以上は元本割れリスクがあります。そこでおすすめなのが、時間を味方につけてリスク軽減を図る「積立投資」の手法です。
10年以上の長期運用を前提に、コストの低いインデックス型の投資信託を毎月一定額ずつ積み立てれば、購入価格の平準化により元本割れリスクを抑えられます。
- SBI証券
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- 商品ラインナップも充実
- 国内株&米国株の取引手数料無料
- 楽天証券
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- 楽天ポイントが貯まる&使える
- 日経テレコン(楽天証券版)が無料で利用できる
児童手当を貯蓄する
児童手当の総支給額は、子ども1人あたり約200万円です。2024年12月からは所得制限がなくなり、給付期間も高校生まで延長され、すべての子どもが最低でも約230万円を受け取れます。これは、国立大学の入学金・授業料のほとんどを賄えるくらいの金額です。

なかなか教育費・養育費が貯まらない方は、まずは児童手当を貯金にまわすことから始めてみましょう。
児童手当を貯蓄するなら、預金金利が高い銀行がおすすめです。参考として、児童手当の貯蓄におすすめの銀行を紹介します。
銀行名 | 定期預金の金利 | 普通預金の金利 | ||
---|---|---|---|---|
SBI新生銀行 | 0.85~1.2%(スタートアップ円定期預金) | 0.11~0.30%(パワーフレックス円普通預金) | ||
UI銀行 | 0.22~1.1%※1(定期預金金利) | 0.2% | ||
東京スター銀行 | 0.75~0.85%(スターワン円定期預金プラス) | 0.4%(給与振込設定または年金受取設定時の金利) | ||
オリックス銀行 | 0.50~1.3%(スーパー定期/預入額100万円以上) | 0.11% |
※1:~2025年03月31日までの新規口座開設者限定で、1年ものの定期預金金利が1.1%になります。本キャンペーン金利は、店頭金利(1月24日時点)に上乗せ金利を加えたもの適用しており、金融情勢の変化等により適用金利が変更になる場合があります。
各銀行の金利やおすすめポイントは、以下の記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。

学資保険や低解約返戻金型終身保険
学資保険とは、名前のとおり子どもの学資準備を目的とする貯蓄型の保険です。

一般的に、学資保険では契約者を親、被保険者を子どもとします。多くの場合、契約者が死亡・高度障害状態になったときに保険料支払いが免除される特約が付いているため、親に万一のことがあっても子どもに学費を残せるのがメリットです。
ただし、学資保険を中途解約した場合の解約返戻金は、これまでの支払い金額よりも少なくなってしまいます。損をしないためには、中途解約をしなくて済むよう無理のない保険料の学資保険に加入しましょう。
また、学資保険にこだわらず、低解約返戻金型終身保険などの貯蓄性のある保険を学費準備に利用するのも1つの方法です。
保険によってメリット・デメリットが変わるため、保険を使って学費を貯めたい方は、保険会社やFP(ファイナンシャルプランナー)などに一度相談してみるとよいでしょう。

まとめ
子どもにかかるお金の目安は、教育費が約800~2,300万円、養育費が約1,630万円です。
ただし、生活水準や公立・私立のどちらを選ぶか、塾・習い事や部活動などの学校外活動費にどのくらいお金をかけるか、公的支援制度や奨学金を活用できるかなどの要因によって、実際にかかる金額は変わります。
一般的に、子どもにかかるお金は大学生のときにピークを迎えるので、大学以降に向けて子どもが小さいうちから計画的に貯金や投資、保険などで準備しましょう。