株式と債券の違い|投資を始める前に知っておきたいこと

投資をはじめようと考えたときに、すぐに思いつく投資商品として「債券」や「株式」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?この記事では、投資を始める前に知っておきたい債券と株式の違いについて解説します。

最後まで読めば、債券と株式はいったいどのような特徴のある商品で、その違いがどこにあるかがわかるようになり、自分にとってどちらの商品があっているかが分かるでしょう。

このコンテンツの3行まとめ
  • 債券と株式の一番の違いは満期(額面金額の償還)の有無で、満期があることにより債券は株式と比較して価格変動が小さくなる。また、債券と株式には負の相関関係があり、2つの資産を保有することで、リスクを軽減することができる
  • お互いを比較したときの債券のメリットは元本割れの可能性が低いことで、株式のメリットは大きな値上がり益が期待できること。一方、デメリットは、債券は利回りが年数%とリターンがあまり高くなく、株式は価格変動リスク倒産のリスクがあること。
  • 元本割れが不安な人であれば、リスクの低い投資ができる債券がおすすめ。一方で、経済成長にあわせた利回りを得たい人は、大きな利益が期待できる株式がおすすめ

投資にはリスクがあります。最終的な投資の決定はご自身の判断でお願いいたします。

目次

債券と株式の違いとは

債券と株式には、以下のような違いがあります。

債券と株式の違い
債券株式
満期ありなし
価格変動小さい大きい
リターンの種類主にインカムゲイン主にキャピタルゲイン
リターンの大きさ原則固定変動
元本割れリスク低い比較的大きい

債券と株式の一番大きな違いは、満期があるかないかです。株式は満期がないので半永久的に保有が可能ですが、債券は満期があるため満期時には一旦額面金額が全額戻ってきます。

加えて、満期があることで、債券は満期日が近くなると価格が100%に近付いていくため、株式と比較して価格変動が小さくなります。収益に関しては、債券は利子を受け取るインカムゲインが中心になります。年何%という固定利率で毎年もしくは半年ごとに決められた利子が支払われるのが一般的です。

一方、株式は配当や株主優待といったインカムゲインもありますが、基本的には値上がり益であるキャピタルゲインを狙います。キャピタルゲインに上限はありません。

債券は途中売却をした場合には、市場金利の情勢により値下がり損を被る場合もありますが、国債などを選択すれば、元本割れリスクは低いと言えます。一方、株式は株価の上下動が大きく、値下がりによる元本割れリスクは比較的大きいと言えます。

リスクとリターンの関係の違いは?

リターンに関係するリスクには、様々なものがあります。

ここでは、リターンに関係するリスクとして、債券と株式でそれぞれ代表的なものを紹介します。

代表的なリスク

  • 債券のリスク:
    金利リスク、価格変動リスク、信用リスク
  • 株式のリスク:
    価格変動リスク、信用リスク、市場リスク

債券と株式に関するこれらのリスクのうちいくつかは、それぞれを反対の方向に動かす働きがあります。例えば金利リスクですが、固定利付債の場合、金利が上昇すると債券価格は下落します。一方で金利が上昇するのは景気が好調なときなので、株価にはプラスになります。

また、株式市場全体が大きく下がるような市場リスクが発生すると、安全資産として債券が買われる傾向があります。このように市場全体に影響するリスクについては、債券と株式は反対の動きをし、負の相関関係があるといいます。

ポートフォリオ理論では、負の相関関係のあるもの同士を保有すれば、リスクを低減させながら、最適なリターンがえられるとしています。

ポートフォリオ理論とは?

ポートフォリオ理論とは、異なる資産クラス(株式、債券、不動産など)を組み合わせることにより、ポートフォリオ全体のリターンが各資産の加重平均となる一方で、リスクは値動きの違いから、加重平均以下になるというものです。分散投資の効果を示す根幹となる理論です。

価格変動の要因の違いは?

債券の価格変動要因としては、「金利の要因」と「信用の要因」が挙げられます。

固定利付の債券の場合、発行後に市場金利が上昇すると債券価格が下がり、市場金利が下落すると債券価格が上昇します。

信用の要因としては、格付けの変動が挙げられます。格付けは、債券の発行者が将来債券を償還してくれる確からしさの指標になります。したがって、格付けが下げられると、償還の確実性が下がりますので、債券価格の下落要因となります。

株式の価格変動要因としては、「企業の独自要因」と「市場要因」が挙げられます。

株価は、企業の成長性や収益性を表しています。成長性が高く、収益を上げている会社は株価が上昇しますが、成長が止まったり、赤字になったりすると株価が下がります。

また株価は市場全体の動きにも連動します。資本資産価格モデル(Capital Asset Pricing Model)においては、これをシステマティックリスクと呼んでいます。市場全体が下がるときは株価も下がりやすくなると言われていています。

債券のメリット・デメリット

株式と比較した債券のメリット

  • 元本割れの可能性が低い
  • 決まった利子が受け取れる(固定利付債)
  • 価格変動が少ない

株式と比較した債券のデメリット

  • リターンが低い
  • インフレに弱い

債券は、満期日に額面金額で償還されるのが原則なので、途中売却をしなければ元本割れの可能性が低いといえます。これは、株式と比べたときの債券の一番のメリットです。

また、固定利付債であれば、決まった金額の利子を毎年もしくは半年毎に満期まで受け取ることができます。加えて、株式と違って価格の変動も少ないので、毎日価格をチェックする必要はありません。

一方で、収益はほぼ金利のみなので、利回りは多くの場合年数%とリターンがあまり高くはありません。また、固定利付債はインフレに弱く、インフレが継続していると償還時には価値が目減りする恐れがあります。長期の固定利付債に投資する際は、インフレや金利動向に注意が必要になります。

株式のメリット・デメリット

債券と比較した株式のメリット

  • 大きな値上がりが期待できる
  • 利益に応じた配当や株主優待ももらえる場合がある

債券と比較した株式のデメリット

  • 価格の変動が大きい
  • 倒産のリスクがある
  • 売りたい時に売れないリスクがある

債券と比較した株式のメリットとしては、債券に比べて大きな値上がり益が期待できるところにあります。投資元本の数倍の利益も狙える可能性がある点は、債券投資では考えられない大きさです。

また、利息とは違いますが配当が支払われる会社もあります。配当は会社の利益に左右されるので、定額ではありませんが、安定した配当を払う会社も多いです。また、株主優待を実施している場合は、様々な割引や優待を受けたり、その会社の製品などを手に入れたりすることができます。

ただし、株式は価格の変動が大きく、毎日の株価チェックが必要です。また最悪の場合は倒産をして、株式の価値がゼロになることもあります。悪いニュースなどがあると、売りが多くなり、値段がつかないまま株価が下がり続けることもあります。

債券と株式はどっちがおすすめ?

債券と株式はそれぞれメリット、デメリットがありますが、どちらがおすすめかは、その人の投資に対するスタンスやリスク許容度によって異なります。

債券をおすすめする一番の理由は、リスクが少なく投資できることです。また、株式をおすすめする一番の理由は、大きな利益が期待できることです。

元本割れが不安な人であれば、債券を選ぶのが良いでしょう。一方で、経済成長にあわせた利回りを得るには、株式の方が向いているので、株式を選ぶのが良いでしょう。

以下でそれぞれの商品のおすすめの人をより具体的に説明しますので、自分がどちらに当てはまるのか、考えてみましょう。

リスクを減らしたい人は債券を選ぼう

債券がおすすめな人

  • リスクの少ない投資をしたい人
  • 定期的に利益を得たい人
  • ゆっくりと投資をしたい人
  • 大きな金額を運用する人

債券は満期があるので、株式と比較して価格変動が少なくなり、リスクの低い投資ができるといえます。また基本的には半年ごとに決まった利息が支払われるので、定期的に収入を得ることができます。

加えて毎日の価格変動が少ないので毎日相場を気にする必要はなく、投資に割く時間が少なくても投資ができるでしょう。特に個人向け国債は購入金額に上限がないので、大きな金額を投資したい人にもおすすめできます。

債券を始めるのにおすすめなネット証券

新発、既発の債券は多くの金融機関で購入することができますが、ネット証券であれば、原則24時間申し込むことができるので、時間を気にすることなく注文を出せます。

債券投資おすすめネット証券

SBI証券

  • 債券の取扱い本数・種類が豊富
  • 外貨入出金手数料が無料
    ※住信SBIネット銀行の場合

楽天証券

  • 個人向け国債、普通社債(円建)、外国債が買える
  • 2023年7月から「債券マルシェ™」を提供開始

SBI証券では新発、既発の債券の購入はもちろんのこと、売却もすべてWEBで完結することができます。また、過去のキャンペーンを見ると、SBI証券では不定期に個人向け国債デビューキャンペーンも実施しているようです。外貨建て債の種類も豊富ですので、高い利回りの外貨建て債もチェックしてみましょう。

楽天証券でも新発、既発の債券の購入はもちろんのこと、売却もすべてWEBで完結することができます。楽天証券では2024年3月から「債券マルシェ®」という既発債の販売メニューの中で、円建て既発債の取扱いを開始しました。

※参照元:債券マルシェ®に円建て債券が加わります!(2024年3月25日~)||楽天証券

新発債は募集時期が決まっていますが、既発債であればいつでも自由に購入することができます。「債券マルシェ®」には外貨建て債の既発債も多く提示されています。

利益を目指す人は株式を選ぼう

株式がおすすめな人

  • 大きな利益を目指す人
  • 企業分析に興味がある人
  • 投資に時間が割ける人
  • まとまった余裕資金のある人

株式の世界では「テンバガー」といって、株価が10倍になる株式もあります。株式の最大のメリットは、このように大きな利益が期待できることです。

ただし、しっかりと企業分析を行わなければこのような銘柄を発見するのは難しいでしょう。また、分析は時間がかかりますので、投資に時間を割ける人である必要があります。

また株式では、企業倒産の場合など、投資資金をすべて失う恐れもあります。したがって株式を購入する際は、余裕資金で行うことが大切です。

株式を始めるのにおすすめなネット証券

ネット証券であれば、注文は原則24時間受け付けていますので、時間を気にすることなく注文を出せます。ネット証券の中でおすすめの2社を紹介します。

NISA口座おすすめネット証券
SBI証券
  • 総合口座開設数No.1
  • 商品ラインナップも充実
  • 国内株&米国株の取引手数料無料
楽天証券
  • 楽天ユーザーにおすすめ
  • 楽天ポイントが貯まる&使える
  • 日経テレコン(楽天証券版)が無料で利用できる

SBI証券では取引報告書などを電子交付にすれば、現物取引や信用取引の売買手数料がゼロ円になります。またSBI証券は、IPOの取扱いでも業界トップクラスです。2021年度では120社のIPOがありましたが、SBI証券ではそのうち117社の取扱いがありました。

また米国株式など外国株式の取扱いも多くあるので、投資初心者だけでなく、中・上級者となっても長く使っていける証券会社です。

楽天証券では、「手数料ゼロコース」を選択すれば、現物取引や信用取引の売買手数料がゼロ円になります。楽天証券もIPOの取扱いに力を入れており、2023年の実績では、取り扱いが61社あり、業界第3位です。

また楽天ポイントを使って商品の購入ができたり、取引を行うことで楽天ポイントをもらえたりなど、楽天ポイントを貯めている人には嬉しいサービスも揃っています。

まとめ

債券と株式は投資を始めるにあたって、最初に目に触れる商品です。債券には満期があり、満期償還されると額面金額が戻ってきます。一方、株式には満期はなく、半永久的に保有できます。

債券は原則として購入時に利回りが決まり、中途売却しなければ、この利回りは満期まで変わりません。しかし株式は価格変動が大きく、また満期もないため大きなリターンが期待できます。

したがって大きく資産を増やしたい人は株式を選び、資産の保持を考える人は債券を選ぶと良いでしょう。また債券と株式は負の相関関係があるので、2つの資産を保有することで、リスクを軽減することができます。自分が投資で何を目指すかを決めてから商品を選択するようにしましょう。

オカネコマガジン編集部

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