監修者 | |
![]() | 株式会社400F オンラインアドバイザー 木下 由香 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 公的保険アドバイザー / 証券外務員一種 |
つみたてNISAは、口座引落の他に、クレジットカード決済でも積み立てできることをご存じでしょうか?
毎月の積み立てをクレジットカード決済にするだけで、ポイントを貯めながら資産運用できるので、ぜひ有効利用したいところです。
今回は「つみたてNISAでクレジットカードのポイントをためる方法」を、分かりやすく徹底解説します。
メリットや注意点もお伝えするので、これからつみたてNISAを始める方、今まで口座引落で積み立てをしていた方は、ぜひ最後までご覧ください。
つみたてNISAをクレジットカードで決済する3大メリット

つみたてNISAをクレジットカード決済で行うメリットは大きく以下の3つです。
メリット1. 積み立てでポイントが貯まる
つみたてNISAをクレジットカード決済で行うことの最大のメリットは、積み立てた金額分のポイントが貯まる点です。還元率はクレジットカードによって異なりますが、高いものでは還元率1%を超えることもあります。
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円が上限なので、その枠をフルに使うと月3万3,333円の積立投資が可能です(※1)。
仮に毎月3万円を積み立てるとして、もしポイント還元率1%のクレジットカードで決済すれば、月300ポイント、年間で3,600ポイント貯めることができます。
※1 : 2023年1月時点の情報です。令和5年度税制改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。年間投資枠の拡大や、非課税保有期間の無期限化などが予定されています。詳しくは金融庁のホームページをご覧ください。
メリット2. 買付漏れの心配や、入金の手間がない
口座引落でつみたてNISAを行うときは、積立設定した金額を、証券口座へ事前に入金しなければなりません。入金を忘れて残高不足になると、買付漏れとなってしまいます。
一方、つみたてNISAの決済方法をクレジットカードにすることで、入金の手間を省けるだけでなく、買付漏れを防ぐこともできます。
なるべく手間をかけずにつみたてNISAに取り組みたい方、毎月確実に積み立てたい方には、クレジットカード決済がおすすめです。
メリット3. 貯まったポイントでさらに投資できる
「ポイント投資」に対応している証券会社を選べば、つみたてNISAの決済で貯まったクレジットカードのポイントを、さらに投資にまわすことが可能です。
この場合、ポイントを使って買付した商品であっても、換金する際は現金で受け取ることができます。
その他、つみたてNISAの決済で貯めたクレジットカードのポイントは、クレジットカード請求分の支払い、コンビニやカフェの会計など、さまざまなことに利用できます。
貯めたポイントを有効利用できるよう、「自分にとって使い勝手のよいクレジットカードはどれか?」という視点でご自身に合ったものを選ぶようにしましょう。

クレカ払いによる積立投資 = つみたてNISAの活用のメリットのひとつはポイント還元です。単に積立投信のポイント付与率だけで選ぶのではなく、積立以外でのクレカ払いによるポイント活用も重要です。
お買い物などで貯まるポイントを投資信託の購入に充てることができるので、ぜひメインカードとして使える自分にあったクレジットカードを選びましょう。
つみたてNISAをクレジットカードで決済する際の注意点
つみたてNISAをクレジットカードで決済する際は、次の2点に注意しましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
注意点1. 特定のクレジットカードしか使えない
すべてのクレジットカードがつみたてNISAの決済に対応しているわけではありません。
証券会社によって、決済に使えるクレジットカードの種類が決まっていますので、手持ちのクレジットカードが使えない場合は、新たにクレジットカードの申込みが必要です。
証券会社とクレジットカードの組み合わせについては、後述の「クレジットカード決済対応の証券会社一覧」に記載していますので確認してみてください。
注意点2. 買付日を選べない
つみたてNISAを口座引落で行う場合、積立頻度や買付日を自由に指定できる証券会社が多いですが、クレジットカード決済の場合は月1回決まった日の買付となります。
例えば、楽天カードは毎月8日(※1)、三井住友カードは毎月1日がつみたてNISAの買付日です。
「毎日1,000円ずつ積み立てたい」「給料日直後に積み立てたい」のように、買付日を細かく指定したい方は、クレジットカード決済ではなく口座引落を選びましょう。
※1 : 2021年6月19日より前に楽天カードクレジット決済を利用している方は、毎月1日が買付日となります。
クレジットカード決済対応の証券会社一覧
つみたてNISAのクレジットカード決済に対応している証券会社を一覧で紹介します。
証券会社を選ぶ際は、「つみたてNISA銘柄数」「対応クレジットカード」「ポイントの種類」「ポイント還元率」「ポイント投資の可否」を参考にするとよいでしょう(※1)。
証券会社別・つみたてNISAのクレジットカード対応状況 | ||||
---|---|---|---|---|
証券会社 | つみたてNISA銘柄数 | 対応クレジットカード | ポイント付与率 | ポイント投資 |
楽天証券 | 184本 | 楽天カード | 0.2 ~ 1.0% | ○ |
SBI証券 | 185本 | 三井住友カード | 0.5% ~ 7.0% | ○(※3) |
タカシマヤカード(※2) | 0.1 ~ 0.3% | ○(※3)(※4) | ||
東急カード(※2) | 0.25 ~ 3.0% | × | ||
アプラスカード(※2) | 0.5 ~ 1.0% | × | ||
UCSカード(※2) | 0.5% | × | ||
マネックス証券 | 160本 | マネックスカード | 1.0 ~ 1.1% | ○ |
auカブコム証券 | 180本 | auPAYカード | 1.0% | ○ |
tsumiki証券 | 4本 | エポスカード | 0.1 ~ 0.5% | ○ |
セゾンポケット | 2本 | セゾンカード | 0.1 ~ 0.5% | ○ |
UCカード |
※2 : 三井住友カード以外のカードを利用して積立投資を行う場合、専用の仲介口座コースへの変更が必要です。
※3:三井住友カードのVポイント、タカシマヤカードのタカシマヤポイントによるポイント投資は、積立買付にはご利用いただけません。スポット買付のみご利用いただけます。
※4:インターネットコースのみ可能です。また、タカシマヤ仲介口座コースへの変更が必要です。
注記:当サイトを経由したお申し込みがあった場合、当社は提携する各企業から報酬の支払いを受けることがあります。提携や報酬の支払いの有無が、当サイト内での評価に影響を与えることのないようにしています。
つみたてNISAにおすすめ! 証券会社×クレジットカード組み合わせ2選
証券会社とクレジットカードの組み合わせに迷っている方には、「楽天証券×楽天カード」もしくは「SBI証券×三井住友カード」がおすすめです。
いずれも取り扱っているつみたてNISAの銘柄数が多く、クレジットカードのポイントの使い勝手もよいというメリットがあります。
おすすめ1. 楽天証券×楽天カード
楽天証券 | ||
---|---|---|
つみたてNISA銘柄数 | 184本 | |
積立金額 | 100円以上、1円単位 | |
ポイント投資 | ○ | |
買付手数料 | 無料 |
楽天カード | ||
---|---|---|
年会費 | 無料 | |
ポイント | 楽天ポイント | |
還元率 | 0.2 ~ 1.0% | |
主な使い道 | ・ポイント投資 ・楽天カードの請求分支払い ・楽天市場での買い物 ・提携店での会計など(詳細はこちら) |
楽天証券は、多くの人から選ばれている人気の証券会社で、2022年6月には証券総合口座数800万口座を達成しました。
楽天証券の魅力は、つみたてNISAの銘柄数が184本と充実しているところ。また、積立金額100円~、ポイント投資も対応さらに買付手数料無料な点も大きなメリットです。
楽天証券でつみたてNISAをクレジットカード決済するには、楽天カードが発行しているカード(提携カード含む)が必要です。
積立によるポイント還元率はファンドによって異なり、信託報酬のうち代行手数料が年率0.4%以上の場合は1%、それ以下の場合は0.2%がたまります。
楽天カードは、新規入会時のポイント進呈、通常のクレジットカード支払いに対し1.0%のポイント還元もあるため、つみたてNISAだけでなく普段使いにもおすすめのカードです。
貯まった楽天ポイントは、楽天証券でのポイント投資、楽天カードの請求分支払い、楽天市場や街中にある提携店での買い物などに利用できます。その他、楽天ペイを使えば現金に近い感覚でポイント消費できるので、「ポイントを使い切れない」という心配がありません。
おすすめ2. SBI証券×三井住友カード
SBI証券 | ||
---|---|---|
つみたてNISA銘柄数 | 185本 | |
積立金額 | 100円以上、1円単位 | |
ポイント投資 | ○ | |
買付手数料 | 無料 |
三井住友カード | |||
---|---|---|---|
三井住友カード(NL) | 三井住友カード ゴールド(NL) | 三井住友カード プラチナプリファード | |
年会費 | 永年無料 | 5,500円(※1) | 33,000円 |
ポイント | Vポイント | ||
ポイント付与率 | 0.5% | 1.0% | 5.0%(※2) |
毎月の積立上限金額(※3) | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
主な使い道 | ・ポイント投資 ・三井住友カードの請求分支払い ・Visaプリペイドへのチャージ ・提携店での会計など(詳細はこちら) |
※2 : 2023年1月10日までの積立設定分より5.0%(2022年12月10日までの積立設定分は2.0%)
SBI証券は、つみたてNISAの銘柄数185本、積立金額100円から、ポイントも投資対応、つみたてNISAの買付手数料無料なので、つみたてNISAの口座開設に適しています。
また、クレジットカード決済に限らず、取引によってTポイント・Pontaポイント・dポイント・JALマイルのうち好きなポイントを貯めることが可能です。
さらに外国株式やIPOの取り扱いも豊富なため、「いずれはつみたてNISA以外の投資もやってみたい」という方はSBI証券を選ぶとよいでしょう。
SBI証券でつみたてNISAの決済に使えるクレジットカードはいくつかありますが、そのなかでもおすすめなのは、三井住友カード。3種類のカードがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
- 三井住友カード(NL)
- 年会費永年無料のナンバーレス(NL)カードで、0.5%の還元率でVポイントがたまる。
- 三井住友カードを利用している家族の登録により、対象店舗で最大5%(※)の家族ポイントがもらえる。
- 三井住友カード ゴールド(NL)
- 年間100万円の利用で翌年以降、年会費永年無料かつ10,000ポイントが付与される。
- つみたてNISAの決済利用で、1.0%の付与率でVポイントがたまる。(月3万円を積み立てる場合、年間3,600ポイント還元)
- 三井住友カード プラチナプリファード
- 毎年、前年100万円(税込)利用ごとに10,000ポイント(最大40,000ポイント)が付与される。(詳細な条件等はこちら)
- つみたてNISAの決済利用で、5.0%の付与率でVポイントがたまる。(月3万円を積み立てる場合、年間18,000ポイント還元)
その他、セブン-イレブンやローソン、マクドナルドなどの対象店舗では、タッチ決済を活用することでポイント還元率が最大7%(※)(プラチナプリファードカードの場合は最大9%)になるメリットもあります。



つみたてNISAは投資信託等による長期間の資産運用です。長い付き合いとなる証券会社選びも大切です。幅広いニーズに対応した商品ラインナップなのか、便利に使えそうなのかなど自分に合った証券会社を選びましょう。
メインカードとなるクレジットカードとリンクした証券会社が魅力的な商品ラインナップとなっているかどうかも大切なチェックポイントです。
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
※Visaのタッチ決済・Mastercard®コンタクトレス利用
※商業施設内にある店舗など、一部ポイント加算対象とならない店舗および指定のポイント還元率に ならない場合があります。
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。
その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご注意ください。
タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
つみたてNISAをクレジットカード決済するには? 始め方を解説
つみたてNISAをクレジットカードで決済したい方は、次の3ステップで手続きを進めましょう。
- STEP1. NISA口座を開設する
- STEP2. クレジットカードを申し込む
- STEP3. 積立設定をする
つみたてNISAを始めるには、証券会社で口座を開設し、NISA口座の申込みを行う必要があります。
すでに開設済みの証券会社でつみたてNISAを始める場合は、証券会社の公式サイトからNISA口座の申込み手続きを行いましょう。
まだ証券会社の口座を持っていない方は、口座開設とNISA口座の申込みを同時に行えます。楽天証券またはSBI証券でつみたてNISAを始めたい方は、以下のページより手続きを進めてください。
つみたてNISAの決済に使えるクレジットカードは、証券会社によって異なります。
前述の「クレジットカード決済対応の証券会社一覧」をチェックし、対応するクレジットカードを申込みましょう。
おすすめの組み合わせは、「楽天証券×楽天カード」もしくは「SBI証券×三井住友カード」です。楽天カード・三井住友カードは、以下のページより申込みできます。
証券会社の口座と対応クレジットカードの準備ができたら、つみたてNISAの積立設定を行いましょう。
詳しい設定手順は、各証券会社の公式サイトを確認してください。



NISA口座は年毎に金融機関変更はできますが、積み立てた資産を移すことはできません。その為、資産を管理する上でも、NISA口座を開設する際にはどこの金融機関にするか慎重に選ぶと良いでしょう。
2024年からの新NISAは年間投資上限額が増え、非課税投資期間も無期限化されました。投資枠の再利用も可能になります。
クレジットカードによるポイント付与率とポイント投資のメリットを享受しながら、長期間にわたって長く使える証券会社を選んでNISAを活用しましょう。
まとめ:つみたてNISAのクレジットカード決済で賢くポイントをためよう
つみたてNISAを始める際、口座引落・クレジットカード決済のどちらを選ぼうとも、商品内容や手数料などに差はありません。そのため、可能ならばクレジットカード決済を選び、つみたてNISAをやりながらポイントを貯めていくほうが賢い選択といえます。
つみたてNISAをクレジットカードで決済するなら、「楽天証券×楽天カード」もしくは「SBI証券×三井住友カード」の組み合わせがおすすめです。
貯まった楽天ポイントやVポイントをさらに投資にまわすこともできるので、ぜひ検討してみてください。
※クレジットカードを発行する際は、所定の審査があります。
※本記事の内容は、情報提供を目的とするものであり、投資その他の行動の勧誘を目的とするものではありません。
※本記事の内容は、本記事内で紹介している商品やサービス等の仕様等について何らかの保証をするものではありません。本記事内で紹介している商品やサービスに関するご質問は当社では回答いたしかねます。商品やサービスに関する詳細については、提供企業等へ直接ご確認ください。
※本記事の内容は、作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事内で紹介している商品やサービスの内容が変更されている場合がございます。
※本記事の内容は信頼できると考えられる情報に基づいて作成していますが、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。
※本記事の内容に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。投資に関するすべての決定は、ご自身の判断で行ってください。

