住宅ローンのボーナス払いはやめた方がいい?デメリットや損をしないための返済方法を解説

住宅ローンのボーナス払いを選択すると、月々の返済額の軽減が可能です。一方で、ボーナスの支給額が減ったまたはなくなった場合でも支払いが発生するリスクがあります。

ボーナス払いのメリット、デメリットをしっかり理解したうえで、自身にあった住宅ローンの支払い方法を選択することが大切です。

本記事では、住宅ローンのボーナス払いの仕組みやメリット・デメリットなどをシミュレーションをしながら解説します。ボーナス払いを選ぶか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

このコンテンツの3行まとめ
  • 住宅ローンのボーナス払いとは、1つの住宅ローンに対して、「毎月返済」と「6か月ごとの返済」の2つの支払い方法を取り入れることで、1件の住宅に対して2つのローンを組むイメージ
  • ボーナス払いは毎月の返済額が抑えられるが、ボーナスの支給額に変動があった場合でも支払いが発生すること、「毎月返済」のみよりも総支払額が若干増えることがデメリット
  • 住宅ローンの契約の前に、ボーナスの支給額が変動した場合やライフイベントにかかる費用等を考慮し、長期間に渡って返済が可能な返済計画を立てることが大切

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目次

住宅ローンのボーナス払いのイメージ・仕組み

住宅ローンのボーナス払いのイメージ

1つの住宅ローンに対して、「毎月返済」と「6か月ごとの返済」の2つの支払い方法を取り入れることを、ボーナス払いといいます。1件の住宅に対して、2つのローンを組むイメージです。

多くの金融機関では、ボーナス払いの割合は借入金額全体の50%以下に設定されており、ボーナス払いを選択するかどうかは住宅ローンの契約時に決定します。

住宅ローンのボーナス払いを利用することで、返済額がどのように変わるのか、シミュレーションで確認してみましょう。

例:5,000万円を35年間、金利年1%で借入した場合のシミュレーション
ボーナス払いなし1,000万円をボーナス払い2,000万円をボーナス払い
毎月の返済額141,142円112,914円84,685円
1回のボーナス払いの額0円169,665円339,331円
総返済額59,279,814円59,300,326円59,320,977円
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションにて計算(元利均等返済/35年固定金利/手数料等は含めず)

ボーナス払いの金額が高いほど、毎月の返済額は軽減されていますが、利息の負担増加によって総返済額は増えていることがわかります。

ボーナス払いを取り入れた場合のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

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※2024年6月24日当社データベースより概算(オカネコサービスすべての実績総数)

住宅ローンのボーナス払いを取り入れた場合のメリット

ボーナス払いを取り入れた場合のメリットは、毎月の返済額が抑えられる点です。

先述のシミュレーションのように、総返済額を毎月返済分とボーナス返済分にわけるため、毎月の返済額が抑えられます。ボーナス返済分が増えるほど、毎月の返済額は減っていきます。

そうすると毎月の生活費に余裕が生まれ、教育資金や老後資金の準備など別のライフイベントにお金を回せる点はメリットと言えるでしょう。

住宅購入時は引っ越し費用や家具の購入費用など、さまざまな費用がかかることが予想されます。もし毎月の出費が膨らむ可能性があり、安定したボーナス収入があれば、毎月の返済額が抑えられるボーナス払いを取り入れることも選択肢の一つです。

住宅ローンのボーナス払いを取り入れた場合のデメリット

ボーナス払いを取り入れた場合は、以下のようなデメリットもあります。

ボーナスが減ったまたはなくなった場合でも支払いは発生する

住宅ローン契約時にボーナス払いを選択すると、毎月の返済額に加えて、年2回必ずボーナス払いとして設定した額の支払いが発生します。

しかし、勤めている会社の経営状況の変化などでボーナス支給額が減額されたり、転職等でボーナスの支給がなくなる場合もあるかもしれません。

そうなった場合でも、ボーナス払いは借入した方の事情は考慮されず、年2回のボーナス払い分の引き落としが発生します。

ボーナスの支給額が大きく変動する可能性がある方は、ボーナス払いの選択は慎重に判断しましょう。

利子負担が増え総返済額が大きくなる

住宅ローンを「毎月返済」と「ボーナス払い」の2つにわけた場合、ボーナス支払い分は元金と利息の支払いが年2回しかないため、「毎月返済」のみよりも総支払額が大きくなります。

例えば5,000万円を返済期間35年、年1%の金利で借入した場合、ボーナス払い1,000万円に設定した場合とボーナス払いを利用しなかった場合で、総返済額に約2万円の差が生まれます。

そこまで大きな差ではありませんが、金利が上がるほど差は大きくなるため注意が必要です。

ボーナスを「繰り上げ返済」に充てる方が総返済額を抑えられる

住宅ローンは「繰り上げ返済」を行うことで、将来的に支払う住宅ローンの利息軽減が可能です。繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法があります。

返済期間短縮型とは
月々の住宅ローン返済額は現状のままで、返済期間を短縮する方法
返済額軽減型とは
住宅ローンの返済期間は現状のままで、月々の返済額を軽減する方法

「期間短縮型」は毎月の返済額は変わりませんが、「返済額軽減型」よりも総返済額が抑えられます。

ボーナス払いと繰り上げ返済(期間短縮型)をした場合、それぞれの総返済額の違いをシミュレーションで確認してみましょう。

例:5,000万円を35年間、金利年1%で借入した場合のシミュレーション
1,000万円をボーナス払い※1期間短縮型で3年ごとに100万円を10回繰り上げ返済※2
毎月の返済額112,914円141,142円
総返済額59,300,326円57,603,298円
※1:住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションにて計算(元利均等返済/35年固定金利/手数料等は含めず)
※2:@ローン計算にて計算(元利均等返済/35年固定金利/手数料等は含めず)

この条件で繰り上げ返済をすると総返済額は57,603,298円となり、1,000万円のボーナス払いより総支払額は約200万円ほど低くなりました。

繰り上げ返済のタイミングや額によりますが、基本的にはボーナスを繰り上げ返済に利用した方が総返済額が抑えられます。

住宅ローンのボーナス払いで損をしないための注意点・ポイント

ボーナス払いを使って住宅ローンを借入する際に、損をしないためのポイントを5つご紹介します。

ボーナスの支給額が変動した場合を考慮して返済計画を立てる

今はボーナスが安定的に支給されていても、今後定年退職までの間、会社やご自身に変化が起こることもあるでしょう。

住宅ローンの返済期間は長期にわたります。もしボーナス支給額が下がったりゼロになったとしても、ボーナス払いの金額は変わりません。

現在の収入で返済計画を立てるのではなく、ボーナスの支給額が大きく変動する可能性がある場合は変動した場合を考慮し、返済計画を立てることが大切です。

他のライフイベントにかかる費用も踏まえて返済計画を立てる

子どもがいる方は子どもの成長や進学により、学費等のコストが膨らんでいきます。また車の買い替えや家族旅行など定期的にまとまったお金が必要になったり、病気や介護、住宅設備の故障など思わぬ出費が発生する可能性も。

ボーナス払いを選択すると、ボーナス支給時に必ず一定額が住宅ローンの支払いに回ることになります。ボーナス払いを選択する時は、今後必要なライフイベントやそれにかかる費用も踏まえて、返済計画を立てましょう

金融機関に返済方法が変更できるか確認する

ボーナス支給額の変動等によりボーナス払いができなくなったときに備え、毎月返済のみに変更が可能か事前に金融機関に確認しておきましょう。

変更ができる場合でも、当初交わした契約の支払条件が変更になるため、変更手数料が発生する金融機関もあります。

また、ボーナス払いを毎月返済に変更すると毎月の返済額が増えるため、増えたとしても毎月支払いができる範囲であるかも確認しておく必要があります。

住宅ローン控除を受ける場合はローンの残存期間に注意する

住宅ローン控除の適用要件の一つに、「10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築等のための一定の借入金があること」というものがあります。住宅ローンの残りの返済期間が10年以上でなければ、住宅ローン控除を受けることができないということです。(2025年2月時点)

ボーナス払いの額が大きすぎると、住宅ローン控除の適用条件から外れてしまう可能性があるため、あらかじめシミュレーションをして返済額を設定すると良いでしょう。

金利の低い住宅ローンを選ぶ

住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて変動金利型・固定金利型の2種類があります。

変動金利型は市場金利に応じて定期的に金利が変動するタイプで、固定金利型は決められた期間の金利が変動しないタイプです。

2025年2月現在、全期間固定金利の金利は年1.5~3%程度であるのに対し、変動金利の住宅ローンは年0.3%台の商品もあります。変動金利の住宅ローンは金利上昇リスクがあるものの、固定金利に比べるとかなり低金利です。

利息の支払いを抑えるためにボーナス払いの額を増やすよりも、金利の低い変動金利タイプの住宅ローン選びを重視した方が良いでしょう。

金利が低いおすすめの住宅ローン10選

金利の低い住宅ローン10選を、金利タイプ別にランキングで紹介します。

\ 2025年2月最新! /
変動金利が低い住宅ローンランキング
(新規借入)

🥇1位 : auじぶん銀行
変動金利年0.344%(変動金利(全期間引下げプラン)新規借入れ)
※「物件価格の80%以下の借入れ」「借入時の年齢が50歳以下」「特約なしの一般団信を選択」の場合の適用金利
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。

🥈2位 : 三菱UFJ銀行
変動金利年0.345%(ずーっと一律優遇コース)

🥉3位 : みずほ銀行
変動金利年0.375%(変動金利 ローン取扱手数料型)

2025年2月3日時点。適用金利・融資手数料は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

以下より、各住宅ローンの金利・手数料・団信等について詳しく紹介するので、住宅ローン選びの参考にしてください。

auじぶん銀行

変動金利0.344%

変動金利(全期間引下げプラン)新規借入れ

固定金利

固定10年:年1.350%
固定20年:年1.910%
固定35年:年2.455%

固定金利(当初期間引下げプラン)新規借入れ

審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます
※「物件価格の80%以下の借入れ」「借入時の年齢が50歳以下」「特約なしの一般団信を選択」の場合の適用金利

おすすめポイント
  • 変動金利・固定金利ともにネット銀行ならではの低金利が魅力
  • 携帯電話、電気、インターネット、TVのプラン組み合わせで最大年0.15%の金利優遇あり

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行

変動金利0.448%

WEB申込コース・通期引下げプラン・物件価格の80%以下借入の場合

固定金利

固定10年:年1.463%
固定20年:年1.833%
固定35年:年1.893%

WEB申込コース・当初引下げプラン

おすすめポイント
  • 変動金利、固定金利ともに低金利
  • 50歳以下なら上乗せ金利なしで3大疾病50%保障&全疾病保障ありの「スゴ団信」に加入できる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

イオン銀行

変動金利0.580%

手数料定率型・新規お借入れ限定・物件価格の80%超お借入れの場合

固定金利

固定3年:年0.90%
固定5年:年1.00%
固定10年:年1.28%

手数料定率型・当初固定金利プラン

おすすめポイント
  • 物件価格の8割超の借入でも変動金利が低金利
  • 金利上乗せなしで全疾病団信に加入できる
  • イオングループでの買い物が毎日5%OFFになる特典あり(セレクトクラブカードのクレジット払いの場合)

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

ソニー銀行

変動金利0.647%

変動セレクト住宅ローン

固定金利

固定10年:年1.561%固定セレクト住宅ローン)
固定20年:年2.115%(固定セレクト住宅ローン)
固定35年:年2.744%(住宅ローン)

おすすめポイント
  • 保証料、団信保険料、印紙代(電子契約の場合)が無料
  • 繰り上げ返済は一部返済も全額返済も無料
  • 上乗せ金利なしでがん保障付きの団信に加入できる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

SBI新生銀行

変動金利0.410%(半年型)

固定金利

固定10年:年1.250%(当初固定金利)
固定20年:年1.750%(当初固定金利)
固定35年:年1.850%(長期固定金利(全期間固定))

おすすめポイント
  • 当初固定金利が低金利
  • 保証料、印紙代(電子契約の場合)、ATM出金手数料、一部繰り上げ返済手数料、団信保険料(一般団信・安心保障付団信)が無料
  • 金利上乗せ0.1%でガン団信に加入できる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

PayPay銀行

PayPay銀行

変動金利0.420%

全期間引下型
※キャンペーン金利(事前審査申込期間:2024年12月2日~2025年2月28日/お借入れ~2025年3月31日まで)

固定金利

固定10年:年1.430%
固定20年:年2.210%
固定35年:年2.400%

当初期間引下型・自己資金10%未満

おすすめポイント
  • 変動金利タイプが低金利
  • 保証料・印紙税がかからない
  • 団信が手厚く、満51歳未満の方なら金利上乗せなしで全疾病・自然災害・失業に備えられる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

楽天銀行

楽天銀行

変動金利0.836%~

変動金利・固定特約付き

固定金利

固定3年:年1.565%~
固定5年:年1.657%~
固定10年:年1.942%~

金利選択型・固定金利10年

おすすめポイント
  • 事務手数料が一律330,000円
  • 保証料・繰り上げ返済手数料が無料
  • 上乗せ金利なしで団信にがん保障・全疾病保障特約が付いている

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

三井住友銀行

三井住友銀行

変動金利0.625%

WEB申込専用住宅ローン・最後までずーっと引き下げプラン

固定金利

固定10年:年2.00%(WEB申込専用住宅ローン・最初にぐぐっと引き下げプラン)
固定20年:年2.45%(WEB申込専用住宅ローン・最初にぐぐっと引き下げプラン)
固定35年:年2.79%~年3.29%(WEB申込専用住宅ローン・超長期固定金利型プラン)

おすすめポイント
  • 変動金利型・固定金利特約型・超長期固定金利型から金利タイプを選べる
  • Oliveアカウント契約でVポイントの還元を受けられる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

みずほ銀行

みずほ銀行

変動金利0.375%

ローン取扱手数料型

固定金利

固定10年:年1.600%~(固定金利選択・ローン取扱手数料型)
固定20年:年2.250%~(固定金利選択・ローン取扱手数料型)
固定35年:年2.050%~(全期間固定金利・ローン取扱手数料型)

おすすめポイント
  • 一部繰り上げ手数料・金利変更手数料が無料
  • 金利上乗せ型のプランは保証料・ローン取扱手数料が不要で初期費用を抑えられる
  • 土日祝日含め都合の良い時間帯に窓口相談できる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行

変動金利0.345%~0.425%

変動金利タイプ※申込内容によって適用金利や引下幅を決定

固定金利

固定10年:年1.44%~1.52%(固定金利タイプ・最初に大きな優遇コース)
固定20年:年2.25%~2.33%(固定金利タイプ・最初に大きな優遇コース)
固定35年:年2.17%~2.25%(全期間固定金利タイプ)
※申込内容によって適用金利や引下幅を決定

おすすめポイント
  • インターネット手続きで一部繰り上げ手数料・金利変更手数料が無料になる
  • 電子契約を利用すれば印紙代が無料になる
  • pontaポイントが毎月貯まる

2025年2月3日時点。手数料はすべて税込価格です。適用金利は申込内容や審査結果等によって変わる場合があります。

まとめ

住宅ローンのボーナス払いとは、毎月返済分とボーナス払い分に分けて借入することです。

ボーナス払い分を多くすると、毎月の返済額を減らすことができます。ただしボーナス支給額の変動に関係なく支払いが発生するため、ボーナスの変動が大きい方はボーナス払いの利用は避けたほうが良いでしょう。

他のライフイベントにかかる費用や思わぬ出費を踏まえたシミュレーションをして、事前にしっかり返済計画を立てることが大切です。

体験者数100万人突破!

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※2024年6月24日当社データベースより概算(オカネコサービスすべての実績総数)

オカネコマガジン編集部

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