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株式会社400F オンラインアドバイザー 木下 由香 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 公的保険アドバイザー / 証券外務員一種 この専門家にチャットでお金の相談をする(チャット相談は無料診断後に可能です) |
貯金に励んでいる人の中には、まずは1,000万円の貯金を目標に掲げている方も多いのではないでしょうか。仮に10年間で1,000万円の貯金をしようと考えた場合、1年で100万円、1ヶ月で約8.3万円を毎月欠かさず貯金しなくてはなりません。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、令和5年度における日本の金融資産保有額は、総世帯の全体平均で約1,184万円であることがわかっています。(※1)
貯金を成功させるための考え方やポイントを踏まえたうえで、計画的な貯金を継続できれば、決して1,000万円の貯金は実現不可能な目標ではありません。1,000万円の貯金を成功させるマインドや、効率よく貯金をするための資産形成についてご紹介します。
参照※1:家計の金融行動に関する世論調査[総世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ シート4|知るぽると 金融広報中央委員会
- 全世帯の平均貯金額は約1,184万円だが、よりリアルな数値である中央値は230万円という結果に。1,000万円以上の貯金をしている世帯数は非常に少ないことがわかる。
- 1000万円の貯金を目指すために、今の家計の収支を見直し、貯金用口座に先取り貯金をするなど、一度お金の使い方を見直すことが大切。
- 効率よく1000万円を貯めるためには、貯金だけでなくNISAや株式投資などをうまく活用して長期的な視点で資産形成を目指す。
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1000万円以上貯金できている人の割合
はじめに、日本で1,000万円以上の貯金がある人たちの世帯割合から確認していきましょう。
ここでは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の令和5年度のデータを参照して、1,000万円以上の貯金がある世帯割合を項目別にご紹介します。
年代別・貯金1000万円の割合
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」より、年代別の貯金1,000万円以上の世帯割合をご覧ください。
※「貯金」は預貯金以外に株式や債券、不動産などを含む金融資産全般を含みます
※金融資産非保有世帯を含む場合の割合を記載しています
参照:家計の金融行動に関する世論調査[総世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ シート4|知るぽると 金融広報中央委員会
上記のデータを参照すると、年代が上がるにつれて、貯金1,000万円以上の世帯割合も増加傾向にあることがわかります。日本では勤続年数が長くなるにつれて役職に就くケースが多く、収入が増える傾向にあります。また、30代や40代でより年収の高い職場へ転職をする方も少なくありません。
また、50代や60代では、子育てや住宅ローンなどの支払いが一段落する世帯も増え、支払いに充てていた分を貯金へ回せるようになった世帯も多いことが伺えます。
一方で全世帯で見てみると、平均貯金額は約1,184万円、中央値は230万円と非常に大きな差があることがわかりました。
「平均値」はすべての数値を等分したときの値なので、一部のデータの影響を受けて、数値が大幅に底上げされてしまう可能性がありますが、「中央値」は数値を小さい順に並べた場合にちょうど中央にくる値で、私たちが普段からイメージする平均に近しい数値となります。
中央値を参考にすると、1,000万円以上の貯金をしている世帯数は非常に少ないことが考えられます。
年収別・貯金1000万円の割合
収入が多ければ、その分貯金に回せる金額が増えるはずですが、実際のところはどうなのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」より、年収別の貯金1,000万円以上の世帯割合について確認していきます。
年収別・貯金1,000万円の割合 | |||
---|---|---|---|
年収別 | 世帯割合 | ||
世帯数 | 7,500世帯 | ||
収入はない | 5.9% | ||
300万円未満 | 17.9% | ||
300~500万円未満 | 26.1% | ||
500~750万円未満 | 32.7% | ||
750~1,000万円未満 | 46.6% | ||
1,000~1,200万円未満 | 57.4% | ||
1,200万円以上 | 61.2% |
※金融資産非保有世帯を含む場合の割合を記載しています
参照:家計の金融行動に関する世論調査[総世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ シート4|知るぽると 金融広報中央委員会
上記のデータをみると、やはり年収が高い世帯ほど、1,000万円以上の貯金がある世帯割合は多い傾向にあります。
一方で、年収が300万円以下の世帯でも約17%、年収が300万円を超えると約4世帯に1世帯の割合で、1,000万円以上の貯金があることがわかります。
年収が高ければ貯金がしやすいのは間違いありませんが、考え方やポイントを押さえたうえで効率のよい資産形成に取り組めば、たとえ年収が低くても貯金1,000万円を達成するのは不可能ではないといえるでしょう。
単身世帯の貯金1,000万円の割合
続いて、単身世帯における貯金1,000万円以上の割合をみていきます。
※「貯金」は預貯金以外に株式や債券、不動産などを含む金融資産全般を含みます
参照:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ シート4|知るぽると 金融広報中央委員会
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、令和5年度で1,000万円以上の貯金がある世帯割合は合計で21.9%です。5世帯に1世帯の割合で、1,000万円以上の貯金を保有していることがわかります。
一方、単身世帯の平均貯金額は約941万円、中央値は約100万円に留まっています。
後述する二人以上世帯に比べると、自由に使えるお金が多いことから、その時々で必要なものにお金を使う傾向が高く、将来を見据えた貯金にはやや消極的な印象を受けます。
二人以上世帯の貯金1,000万円の割合
単身世帯に続いて、二人以上世帯の貯金1,000万円以上の割合についてもみていきましょう。
※「貯金」は預貯金以外に株式や債券、不動産などを含む金融資産全般を含みます
参照:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ シート4|知るぽると 金融広報中央委員会
二人以上世帯では、約31.2%の二人以上世帯が1,000万円以上の貯金を保有していることがわかります。
全体的にみると、金融資産保有額の割合は、単身世帯よりも二人以上世帯のほうが少ない傾向にあります。これは、子どもが生まれたことで養育費や教育費、住宅購入に伴うローンの支払いなど、日々の支払いが多い傾向にあることが原因と考えられます。3
その一方で、1,000万円以上の貯金がある世帯割合や平均貯金額(1,307万円)、中央値(330万円)などは、単身世帯よりも二人以上世帯のほうが高い数値です。
日々の支払いが多い一方で、子どもの進学費用や自身とパートナーの老後を見据えて、日頃から積極的に貯金へ取り組んでいる世帯も多いことが伺えます。
年収別、単身世帯、二人以上世帯それぞれにおいて貯金1000万円以上の割合は決して高いとは言えません。では、貯金1000万円を達成することは容易ではないのでしょうか。
確かに簡単ではありませんが、時間をかけて工夫すれば、難しいことではありません。達成できている人が少ないのは、その工夫の仕方を知らない人が多いからだと考えられます。
次に挙げる「達成するためのポイント」を知り、ひとつずつ実践することで達成に近づくことができますので、ぜひ参考にしてみてください。
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貯金1,000万円を達成するためのポイント
一般的に、年齢が高くなるにつれて収入が増える傾向にあるため、1,000万円以上の貯金がある世帯割合は、50代以上の高収入世帯が多い印象を受けます。
その一方で、年齢や年収にかかわらず、1,000万円以上の貯金がある世帯も一定数存在します。
限られた条件下で1,000万円の貯金を達成するには、以下のポイントを抑えておくことが大切です。
貯金の目的と毎月の目標額を明確にする
1,000万円の貯金を実現するためには、その貯金の目的と毎月の目標額を明確にしましょう。
たとえば、1年後に結婚式を上げるため、いまの貯金に加えて120万円が必要であると分かれば、120万円÷12ヶ月でひと月に10万円の貯金が必要だとわかります。
毎月の目標額が明確になっていれば、つい無駄遣いしてしまいそうになっても、せっかくの貯金を崩すのがもったいないと感じられるでしょう。
一方で、出産や子どもの養育費、老後の生活資金など、目標額を明確にしづらいケースも出てくるかと思います。その場合は、毎月の手取り収入から2〜3割を貯金に回すのがおすすめです。
毎月の手取り収入が30万円なら、毎月6〜9万円の範囲内で貯金をしておき、本当に必要なタイミングに備えておくのがよいでしょう。
資産形成、資産運用を検討する背景には「老後資金を貯めたい」「マイホームを持ちたい」「子どもの教育資金を備えたい」など、そこには何らかの目標(ゴール)が存在するものです。
その目標への実現性を高めるための資産形成の考え方のひとつに「ゴールベースアプローチ」と呼ばれる考え方があります。まずはゴールを具体化・明確化し、そこから逆算して必要な資金の確保や投資、家計の見直しによる支出のコントロールなど取り組むというものです。
家計簿をつけて収支を把握する
1,000万円の貯金を達成するには、家計簿をつけて毎月の収支を把握することが必要不可欠です。普段のお金の使い方を把握していないと、節約できる部分の見当がつけられず、ついつい手元のお金を無駄遣いしてしまう可能性があります。
家計簿は日頃のお金の使い方を把握するためのもので、継続して管理し続けることが何より大切です。家計簿をつける際、細かく仕訳しすぎると途中で面倒に感じて継続できなくなってしまうので、まずは「食費」「水道光熱費」「趣味・交際費」など、大まかなグループ分けで管理するのがおすすめです。
最近ではスマートフォンの家計簿アプリも数多く登場しており、中には銀行口座やクレジットカードと連携して、自動的に仕訳してくれるものもあります。
毎月の家計管理ができる専用アプリとプリペイドカード機能が一体化した「B/43(ビーヨンサン)」やキャッシュカード・クレジットカード・デビットカード・ポイントカードが一体となった「Oliveフレキシブルペイ」は使った金額が自動的にアプリに反映されるので、家計管理が簡単にできます。
ご自身が管理しやすい方法で、毎月の収支を把握することに努めましょう。
固定費を見直して支出を減らす
家計簿をつけるなどして毎月の収支を把握できるようになったら、つづいて固定費の見直しをしてみましょう。固定費とは、毎月かならず支払いが発生する費用のことで、一例として次の項目が当てはまります。
- 居住費(家賃、住宅ローン、固定資産税など)
- 水道光熱費(基本料金部分)
- 通信費(インターネット代、スマホ代)
- 保険料(生命保険、損害保険など)
- 自動車維持費(車検、自動車ローン、駐車場代など)
- 月額サービス(定期購入・サブスクリプション)
固定費の見直しをすると1年間で非常に大きな金額を節約でき、さらにそれ以降も半永久的に節約効果が持続します。ご自身や家族が生活に困らないことを前提に、無駄な固定費を支払っていないかどうか、これを機に見直してみてください。
毎月のスマホ代が1万円を超えている方は、3,000円以下で使える格安SIMや格安プランに変更すると、ひと月で7,000円以上、年間で8.4万円以上の通信費を節約できます。
月額料金が発生するサブスクリプションに複数加入している場合は、本当に必要なサービスに絞って、残りを解約することで月に数千円程度の費用を節約できるでしょう。
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先取り貯金を心がける
効率よく貯金を続けるためには、先取り貯金を心がけることが重要です。先取り貯金とは、収入を得たタイミングで先に一定額を貯金してしまい、残った分のお金で生活費などのやりくりをする方法です。
先に一定額を貯金へ回してしまえば、手元のお金を使い込んでしまっても、貯金ができないという事態は避けられます。
先取り貯金を実践する際は、NISAやiDeCo、財形貯蓄制度など、自動的にお金が積み立てられていく制度を活用するのがおすすめです。
これらの制度については「おすすめの資産形成の方法」の項目で解説しますが、1,000万円の貯金を成功させるには、先取り貯金の実践が必要不可欠であることを覚えておきましょう。
お金を貯めやすい時期を知る
私たちの長い一生のうち、お金を貯めやすい時期は全部で3回あるとされています。
- 独身時代:自分一人に対してお金の使い途が自由に決められる
- 結婚〜出産まで:共働きの期間中は貯金の黄金期。出産後も小学生までは支出が少なく済む場合が多い
- 子どもの自立〜自身の定年まで:子どもの分の生活資金や教育費を自身の貯金に回しやすくなる
子どもが生まれてから自立するまでの期間は、学校に通わせるための教育費はもちろん、部活動やレクリエーションなどの活動費用、学習塾や家庭教師などの諸費用がかかります。
出産後から子どもが小学生になるまでは支出が少ない傾向にありますが、ふたり暮らしの頃に比べて貯金が難しくなることは間違いありません。
上記の時期は、長い人生の中でも貯金がしやすい時期とされているので、この時期には積極的に貯金へ取り組むべきといえるでしょう。
生活用と貯蓄用で口座を使い分ける
1,000万円の貯金を成功させるためには、生活用と貯蓄用で口座を使い分けることも大切です。ひとつの口座でお金を管理しようとすると、何気ないタイミングでついついお金を引き出してしまい、無駄遣いしてしまう可能性が高くなります。
収入を得たタイミングで貯蓄用口座に一定額を移す「先取り貯金」を実践しながら、よほどの緊急時以外は貯蓄用口座に触ることがないように気をつけましょう。
貯蓄用口座は少しでもお金が貯まるよう、金利の高い銀行を選ぶのがおすすめ。特に、一般的なメガバンクや都市銀行よりも、ネット銀行のほうが金利は高めに設定されています。
たとえば、金利の高い銀行の一例は次のとおりです。
ライフプランニングをする
ライフプランニングとは、将来起こりうるライフイベントや理想とする生き方・価値観を踏まえ、それに必要なお金を書き出した生活設計のことです。長い人生の中で起こりうるライフイベントとそのタイミング、必要なお金などが一目でわかります。
日本FP協会のHPでは、ライフプランニング表が作成できるツールが公開されています。しかし、FPなどお金の専門家に依頼すれば、より詳細かつリアルなライフプランニング表を作成してもらえるうえ、現状の課題や目的に合った解決策も提案してくれるでしょう。
「オカネコ」では、簡単な家計診断をしたあとコメント欄に「ライフプランニングをしたい」と記入すると、お金のプロからメッセージが届きます。そのままチャットで無料相談ができますので、ぜひお気軽に試してみてください。
貯金1,000万を目指す資産形成の考え方
貯金1,000万円を達成するためのポイントをご紹介してきました。実践すれば着実に貯金ができるようになりますが、一方で、銀行の預貯金だけで貯金1,000万円を目指すのは非常に大変です。
そこで実践すべきが、貯金1,000万円を目指すための効率の良い資産形成。資産形成の方法については後述しますので、まずはその前に「貯金1,000万円を目指す資産形成の考え方」を身につけましょう。
資産形成を行ううえで、これら3つのポイントは非常に大切な内容なので、ぜひ参考にしてください。
分散投資、長期運用を心がける
投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。ひとつのカゴに卵を集中させてしまうと、そのカゴを落としたときにすべての卵が割れてしまいますが、複数のカゴに卵を分散していれば、どれかひとつのカゴを落としてしまっても他のカゴの卵は無事です。
これを投資にたとえると、ひとつの金融商品に資金を集中させてしまうと、その金融商品が暴落したときに大きな損失が出てしまうかもしれませんが、複数の金融商品に資金を分散していれば、その影響を最小限に抑えられます。
また、長期運用を心がけることで、売買コストを抑えられるほか、複利効果を活かせるというメリットもあります。
複利効果とは、元金の利子に対しても利子がつく状態のことを指し、同じ投資期間で比較した場合、資産を大きく増やす効果が期待できます。
金融商品は価格が日々変動しますが、そのリスクを最小限に抑えられる「ドルコスト平均法」も、長期運用に有効的な方法だといわれています。
ドルコスト平均法とは、毎月一定額を積み立てていき、価格が低いときは購入量を増やし、価格が高いときには購入量を減らす方法です。毎回一定量を購入すると、そのときの価格に応じて投入資金が変動してしまいますが、ドルコスト平均法なら平均的な購入単価を平準化する効果があります。
短期集中型の資産形成はリスクが非常に高いので、資産形成を成功させるためには、分散投資を長期に渡って運用することを心がけましょう。
投資は余剰資金で始める
資産形成で投資を始める際は、かならず生活資金を除いた余剰資金で始めましょう。
投資は元本が保証されているわけではなく、リターンが得られることもあれば、相場によっては損失が生じることもあります。ここに生活資金まで投資してしまうと、つい元を取らなければと焦りを感じ、冷静な判断ができなくなってしまうものです。
最悪の場合、生活に困って借金せざるを得ない事態にもなりかねないので、投資を始める際は、余剰資金で少額から積み立てていくことを心がけましょう。
リスクについて理解する
資産形成を行ううえで忘れてはならない「リスク」についても理解しておきましょう。
- 元本割れが起きる場合がある
- 常に最新の情報を仕入れる手間が必要
- 運用コスト(費用・時間)がかかる場合がある
金融商品は日々の相場によって価格が変動するため、大きなリターンが得られるタイミングがあれば、逆に損失が出てしまう場合もあります。また、資産形成の方法によっては運用コストがかかる場合もあるため、これらも含めて、事前にリスクを把握しておかなければなりません。
これらは資産形成をすることで起きるリスク・手間ですが、逆に資産形成を行わないことでリスクにつながる可能性もあります。
たとえば、銀行の預貯金に100万円のお金を預けていれば、100万円のお金そのものが減ることはありません。一方、昨今の日本では超低金利状態が続いているため、預貯金に対する利息も大して期待できないのが現状です。
ここでインフレが起こって日本円の価値が下がってしまい、これまでは100万円で買えていたものが150万円になった場合を想定しましょう。
銀行の預貯金に預けているだけでは資産はほとんど増えませんが、資産形成を行っていれば、資産を大きく増やすことができるかもしれません。これが、資産形成を行わないことのリスクといえます。
これらのリスクを把握したうえで、無理のない範囲で長期・積立・分散投資に取り組むことを心がけてください。
具体的なゴールとその達成時期が設定できれば、どのくらいの資金がいつまでに必要で、どの程度のリスクをとるべきかが見える化できます。 ゴールと達成時期を最初に決めて、その実現に向けて逆算して計画を立てて資産運用を実践することが「ゴールベースアプローチ」の基本的かつ最も重要な考え方です。
ですので、ゴールを達成するために、具体的にどのような資産運用・資産形成の方法があるのかを知り、どのような運用方法でゴールを目指すのかが重要です。
おすすめの資産形成の方法
最後に、1,000万円の貯金を目指すうえで、おすすめの資産形成の方法をご紹介します。ご自身に合ったものを選んで検討してみましょう。
老後資金などしばらく使う予定のないお金は、投資信託、NISA、iDeCo、積立保険などを活用した「積立投資」がおすすめです。
以下に、「毎月の積立額」「想定利回り」「積立期間」を入力すると、どのくらい資産が増えるのかシミュレーションができるので、ぜひ試してみてください。
NISA
NISAは決められた年間非課税枠内の投資であれば、得られた利益が非課税になる税制優遇制度です。
2024年より新NISA制度が始まり、非課税保有期間は無期限化かつ年間非課税枠が大幅に拡大され、よりメリットの大きい資産形成手段となりました。
旧NISA制度では、一般NISAとつみたてNISAが年単位の選択性で、両者の併用ができませんでしたが、新NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの併用が可能です。
毎月の長期の積立投資は「つみたて投資枠」で、株主優待や配当目当ての株式投資や一括投資は「成長投資枠」で、などとうまく使い分けられると、新NISAのメリットを最大限享受できるでしょう。
また、従来のNISA制度では、運用可能期間が5年や20年と決まっていましたが、2024年以降から始まった新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されました。
つまり、50代から始めても決して遅すぎることはなく、将来を見据えた貯金をしながら、税金面で大きなメリットが得られることが特徴のおすすめの制度といえます。
なお、2023年までのNISA・つみたてNISAの買付・積立投資は2023年で終了となりましたが、2024年以降の新NISA制度とは別枠で非課税保有枠が継続されます。
NISAを活用するには、金融機関でNISA口座の開設が必要です。楽天証券やSBI証券などのネット証券なら、オンライン上で簡単に口座開設手続きができ、商品の種類が多いのでおすすめです。
- SBI証券
-
- 総合口座開設数No.1
- 商品ラインナップも充実
- 国内株&米国株の取引手数料無料
- 楽天証券
-
- 楽天ユーザーにおすすめ
- 楽天ポイントが貯まる&使える
- 日経テレコン(楽天証券版)が無料で利用できる
iDeCo
iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」とよばれる制度で、老後を見据えた資産形成を目的とした運用方法です。
原則として60歳になるまで資産を引き出すことはできませんが、掛け金が全額所得控除の対象で、運用益が非課税になるなどの大きなメリットがあります。また、60歳以降で資産を引き出す際にも所得控除が受けられるため、老後資金の貯蓄に備えながら税負担の軽減効果が期待できます。
なお、iDeCoの加入対象者は、国民年金の第1〜第3号被保険者や任意加入保険者となっており、それぞれで拠出可能な限度額も異なる点にはご注意ください。
これまでのiDeCoは「企業型DC(企業型確定拠出年金)」との併用ができませんでしたが、2022年の法改正に伴い、両者の併用が可能となりました。
より効率よく資産形成を行うことができるので、確定拠出年金制度を利用していない方は、ぜひ積極的にご活用ください。
参照 : iDeCo公式サイト
SBI証券のiDeCo
- 2023年iDeCo新規加入者数No.1※
- ネット証券内でもトップクラスの運用商品数
- ツール・ロボアド・サポート体制も充実
楽天証券のiDeCo
- 楽天経済圏を利用している人におすすめ
- 楽天インデックスシリーズが購入できる
※2023年5月SBI証券調べより。参照:SBI証券|SBI証券のiDeCo(個人型確定拠出年金) が選ばれる3つの理由
株式投資
株式投資は、証券会社に口座を開設し、企業の株式を購入して利益を得る運用方法です。投資の王道ともいえる方法で、株式の売買益によるキャピタルゲイン、または株主に分配される配当金によるインカムゲインの2軸で利益を得ます。
従来の株式投資は、購入可能な1単元が100株や1,000株に設定されていることが多く、数十万円を超える資金が必要となるケースが一般的でした。
昨今では、数万円から購入可能なミニ株が登場しており、資金が少ない方でも株式投資に挑戦できるようになりました。
ただし、株価は景気や企業の不祥事などで暴落してしまうリスクがあり、相場によっては元本割れが発生する場合があります。成長が見込める銘柄選びや、売買するタイミングなどをしっかり見極めることが大切です。
常に知識を吸収する貪欲さが求められるので、まずは投入資金が少なく済むミニ株から始めて、本格的な株式投資に少しずつ慣れていきましょう。
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金をファンドマネージャーが運用し、その運用で利益が出た場合に配当金が受け取れる運用方法です。
初心者の方におすすめの理由は、少額から資産形成を開始でき、投資家の代わりにプロの専門家が運用を行ってくれるので、自分で売買のタイミングを判断しなくて良いというメリットがあるためです。
投資信託による運用は、株式や債券、不動産など、多岐に渡る分散投資で行われるので、リスク分散が可能な点もメリットといえます。
一方で、投資信託で運用をする際には、定期的な運用コストが発生する点には注意が必要です。また、元本保証がされているわけではないため、市場相場によっては元本割れを起こしてしまう可能性もあります。
運用先を選ぶためにはある程度の金融知識も必要です。どれにすべきか迷ったときは、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してみましょう。
債券
投資の世界における債券とは、投資家が国や地方公共団体などに対して資金を提供し、それに対して利子を得る方法をいいます。
資金の提供を受けた団体は「債券」という証書を投資家に発行し、償還までの期間中は利子を支払い続け、償還のタイミング(満期)を迎えたら額面全額を投資家に返却します。
債券の発行者は多種多様で、国や地方公共団体をはじめ、民間企業など多岐にわたります。発行者の信用度が高ければ高いほど、リスクが低い投資方法といえます。
債券の途中売却も可能ですが、途中売却の場合は損失が出る可能性があり、為替相場の状況によっても為替差損が発生する可能性があります。
また、発行者の財務状況が悪化すると、元本や利子の支払い不能リスクなどがある点には注意が必要です。
とはいえ、他の金融商品への投資方法に比べて、比較的リスクが低めの方法です。
税制上の優遇制度である「NISA」や「iDeCo」を活用したうえで、なお余剰資金がある場合に検討するのがおすすめです。
不動産
不動産投資には、自身で物件を購入して運用する不動産投資と、不動産が対象の投資信託の「REIT(リート)」の2種類があります。
どちらの不動産投資も、大きく分けると収益源は次の2通りになります。
- 家賃収入:賃貸に出す際の家賃
- 売買所得(譲渡所得):購入時よりも不動産価額が値上がりしたときに売却
一般的に、自己で物件を所有して運用するには多額の資金が必要で、維持コストなどの諸費用も発生してしまいます。
一方、REITの場合は、プロの専門家が投資家の代わりに不動産投資を行うため、物件を自身で管理する手間がかからず、少額で複数の不動産に対して分散投資を行えます。
自分で不動産を購入するよりも手軽に不動産投資が始められるので、不動産に興味がある方はREIT(不動産投資信託)から始めてみるのも選択肢のひとつです。
ただし、他の投資手法と同様で、さまざまな管理コストや元本保証がされているわけではない点にご注意ください。
財形貯蓄制度
財形貯蓄制度は、一定金額を勤務先の給料から天引きの形で、企業が提携する銀行口座へ自動的に貯金できる制度です。
毎月の給与から自動的に先取り貯金ができるので、わざわざ貯金用口座にお金を移す手間や手数料がかからず、お金の使いすぎを予防できます。
また、財形貯蓄制度には、貯金の目的によって「住宅用」「年金用」「その他」の3つに分類され、場合によっては税負担の軽減効果が期待できたり、住宅ローン融資が受けられたり、さまざまなメリットがあります。
制度の仕様上、財形貯蓄制度を導入済みの企業で勤務している方しか利用できませんが、手元のお金をついつい使い込んでしまう方にはおすすめの制度です。
積立保険
積立保険(貯蓄型保険)は、終身保険や養老保険、学資保険など、将来的に払い込んだ保険料が返ってくる可能性がある保険商品全般の総称です。
- 終身保険:解約時に解約返戻金が受け取れる
- 養老保険:死亡保障を備えながら、満期を迎えた際に満期保険金が受け取れる
- 個人年金保険:一定期間まで保険料を払い込み、以降は一定額の年金を定期的に受け取れる
- 学資保険:子供が一定年齢に達するとお祝い金が受け取れる
万一のときの死亡保障を備えつつ、毎月の保険料という形で保険会社へ貯金していくことが可能です。貯蓄性のある保険の特徴として、一般的な掛け捨て型保険に比べて保険料が割高なのが欠点として挙げられます。
現在の家計を圧迫しては元も子もないので、毎月の収支状況とのバランスを見ながら、掛け捨て型保険と積立保険を併用するのがおすすめです。
まとめ
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、1,000万円以上の貯金がある世帯割合は、全国平均で28.0%であることがわかっています。
また、日本全国での平均貯金額は1,184万円、中央値が230万円であることを踏まえると、貯金が1,000万円以上の世帯数はかなり少数であることが伺えます。
ですが、本記事でご紹介した貯金を成功させるための考え方やポイントを踏まえたうえで、計画的な貯金スケジュールを立てていけば、1,000万円を貯金することは決して実現不可能な目標ではありません。
効率良く貯金をするためのおすすめの資産形成の方法を参考にしながら、生活資金を除いた余剰資金で、複数の金融商品に対して長期的な目線で投資を行うことを検討してみてください。
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